感想:コミック「マリー・アントワネットの料理人」第1巻(2008年)


 コミック「マリー・アントワネットの料理人」第1巻の感想です。

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■データ(公式)
http://www.amazon.co.jp/dp/4088597370/
マリー・アントワネットの料理人 1 (ジャンプコミックスデラックス) (コミック)
白川 晶 (著), 里見 桂 (イラスト)
コミック
出版社: 集英社 (2008/10/3)
ISBN-10: 4088597370
ISBN-13: 978-4088597379
発売日: 2008/10/3

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■データ(個人的補足)

 掲載誌=オースーパージャンブ誌
 掲載 =2006〜2008年

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■あらすじ

 舞台は1770年代のヨーロッパ。日本人・磯部小次郎は、武士の身分でありながら、料理の道を極めるため、約束された地位を蹴り、単身渡欧する。やがてオーストリアの宮廷料理人として認められた小次郎は、女帝マリア・テレジアの依頼で、マリー・アントワネットのお抱え料理人としてフランス宮廷に入り・・・


・Episode:1 アンペイヤーブル パーティー(掲載:オースーパージャンブ2006年11月号)

 マリーは結婚式で料理に不満を漏らし、王の愛人デュ・バリ伯爵夫人の機嫌を損ねてしまう。伯爵夫人は小次郎と自分のお抱えの料理人の対決を持ち出し・・・


・Episode:2 マオン・ネーズの宗主国(掲載:オースーパージャンブ2007年9月号)

 フランスとスペインの宰相は、メノルカ島の領有権問題を解決するため、同島の名物ソース「マオン・ネーズ(マヨネーズ)」を使った料理で勝負をつける事にする。そしてフランス側の代表に小次郎が指名され・・・


・Episode:3 三日月型のパン(掲載:オースーパージャンブ2008年9月号)

 マリーはデュ・バリ伯爵夫人の挑発で、安い二等小麦を使って上等な一等小麦製より美味いパンを作る勝負を受けてしまう。小次郎は菓子の技術を使ったパンの作成にとりかかり・・・

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■感想

 18世紀のヨーロッパを舞台にした料理漫画という意表をつくテーマですが、これがとても面白いです。

 基本的なお話はどれも料理漫画の定番・料理対決物で、「どっちの料理が美味いか」を競い、小次郎が当時のヨーロッパで知られていない食材や技法を使って見事勝利する、という物ですが、料理勝負以外に歴史上のウンチク(当時の食や国際情勢などの知識)もふんだんに盛り込まれており、歴史物としても楽しめます。

 また、一般的にネガティブなイメージが強いマリー・アントワネットを、「無邪気ながら大衆の事を想う少女」として描いているのも何か新鮮です。

 一年に一作しか発表されないのがじれったいのですが、料理漫画好きにはお薦めしたい作品です。


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■評価

(5段階評価の)5点。