アニメ「GIANT KILLING(ジャイアントキリング)」の感想です。
■NHKアニメワールド ジャイアントキリング
http://www9.nhk.or.jp/anime/giantkilling/
BShi(NHK-BSハイビジョン)での視聴です。
第7話 『#07』
■あらすじ
ETUは開幕戦で良いところ無く完敗し、2戦目も同様だった。サポーターは去年までと全く変らないETUの姿に失望し、選手間の雰囲気も刺々しい物になっていく。ところが達海は3戦目の前に、選手に練習ではなくサッカーテニスを行なわせ、その成績でスタメンを決めるという理解不可能な行動を取り、しかも3戦目も負けてしまう。選手の黒田は達海への不信感を爆発させ移籍を口にするが、達海は4戦目の前にまたもサッカーテニスを始めようとする。
■感想
うーん、凄い。前回の終わりに開幕戦が始まったと思ったら、今回の話の序盤でロクに試合展開を描かないままあっさりと「負けました」で試合シーンは終了。普通ここまで大胆に試合をカットしますか? この作品で描こうとしているのが、あくまで「六ヶ月(だったっけ、よく知らない)のリーグ戦」という戦略級の戦いであり、個々の選手同士のぶつかり合いだの、試合経過だのという、戦術級・作戦級の視点ではないことをキッチリ見せてくれました。こういう視点の作品は初めてじゃないのかな(少なくとも私は初体験)。
ジャーナリストの藤澤が「一年間追いかける」云々と強調していましたが、つまりこの作品の描くところは、一年かけて監督の達海がいかにチームを強くするか、という所にあるようで、ならば試合はその強化策の結果判定みたいな物なので、あっさり目に済ましていくのでしょう。アクション要素無しの育成シミュレーションゲームみたいで、これはこれで興味有る展開です。今後の達海の藤澤との絡みとか、フロントとのやり取りとか、結果が出ないうちの選手たちとの対立とか、その辺りをどう描くかが楽しみ楽しみ。
★蛇足1
実は原作では試合もみっちりこってり描いているけど、アニメではその辺りをそぎ落としているだけで、全く見当外れな評価をしていたらどうしよう。まあ、例えそうでも、「アニメのスタッフ」はそういう視点でこの原作を料理するつもりなんだ、と私は見ていますけど・・・
★蛇足2
このアニメを見ていて思い出したのが、古いアメリカの野球のボードシミュレーションゲーム。「野球チームのオーナー」となってペナントレース制覇を目指すというものだそうで、基本的にできるのはチームの準備だけ、試合はサイコロ一ふりで勝ち負けを決めるだけで、それで百数十試合を戦う、というものだったとのこと。試合はサクッと済ませる辺りがジャイアントキリングと通じる物が有るような気がします。