感想:ウォーゲーム同人誌「SLGamer vol.9」『特集:ソロモン海海戦〜南洋に散った斜陽〜』(2013年4月27日発売)


 『初心者向けSLG専門誌』を謳う同人誌(発行元:さいたまオフライン)の感想です。

■さいたまゲームサークル(注:2012年11月以降更新停止)
http://www4.atword.jp/saitamagame/

■internet - OnlineGameMarket/商品詳細 SLGamer Vol.9 第二次ソロモン海海戦
http://saitohobbygames.jp/products/detail.php?product_id=13420

 4月28日(日)開催の「ゲームマーケット2013春」に合わせて発行されたようです。


---------------------------------------
□付録ゲーム Battle of the Eastern Solomons〜第二次ソロモン海戦


>今号の付録ゲームは、昭和17年8月23日(と24日)のソロモン諸島周辺における第二次ソロモン海海戦を再現します。
>日本軍はヘンダーソン飛行場、アメリカ艦艇と航空機に損害を与え、米軍は日本軍の輸送船団、艦艇と航空機に損害を与え、より得点が多い陣営が勝利します。
>ユニット:艦艇1〜2隻、航空機9〜15機、カウンター:50個、カード:24枚、マップ:1枚、ルール:4p


 太平洋戦争テーマの定番の一つソロモン海戦モノ。マップは実のところ「地図」ではなく、ソロモン海の海図は背景の模様程度。メインは、ターントラックとかユニットを配置する「XXボックス」とか「戦闘結果表」とかの図表類で、それらが所狭しと並んでいて、「図表+ユニット置き場」みたいな感じに仕上がっております。ゲーム内容は、カードで艦隊の位置を秘匿/索敵するという「戦場の霧」形式です。

 イメージ的には以前「歴史群像」誌の付録になった「ミッドウェー海戦」(参考→http://d.hatena.ne.jp/Perry-R/20120707/p1)を思い出しましたね。


---------------------------------------
□特集 ソロモン海海戦〜南洋に散った斜陽〜

・付録ゲーム紹介漫画「Battle of the Eastern Solomons」(全2ページ)
・第二次ソロモン海戦ヒストリカルノート
iOS/Andoroid ゲーム「砲撃戦シミュレーション 戦艦大和」ルールブック
アリューシャンの戦いのヒストリカルノート
・国産空母戦ゲーム紹介(日本機動部隊(国際通信社/エポック)、ミッドウェイ海戦(学研)、太平洋空母決戦(国際通信社))


 一時期の目玉だった(?)リプレイは無くなってしまいましたが、代わりに「アニメ絵少女登場のゲーム紹介漫画」掲載! なんか一気にゴージャス感が出てきましたよ…、って、そんな風に感じるのは私だけですか?



□その他

[連載]世界のユニット列伝

 ガールズ&パンツァー大ヒット便乗企画(?)、ガルパンに出てきた各種戦闘車両大紹介!です。付属四コマ漫画ガルパンパロディで、ガルパンファンは歓喜

 ところで三号突撃砲の紹介が「回転砲塔がなく、機動戦に不向き/陣地攻撃に向いている、ので、砲兵科が使っていた」云々と有るのですが、誤植か何かじゃなければ、なんかこうニュアンスが違うような…、三突は最初から歩兵支援(陣地攻め)用に砲兵用に作られた移動トーチカ的なイメージで、機動戦に不向きとか言うのはなんか変なのでは? それとも何か誤解してます?



[連載]アニメの中の戦争 #10 ソ・ラ・ノ・オ・ト

 「けいおん!風キャラデザ」と「衰退した未来が舞台の軍隊生活」というSF要素を合体させた、でも微妙にヒットしそこねたアニメがお題です(公式サイト http://www.sorawoto.com/)。軍隊とラッパ(音楽)について考察しています。



[連載]WAR GAME

 2回目。プレイヤーが全部隊を自在に操れるのはおかしくないか、がテーマ。

 昔高梨俊一先生がシミュレイターに掲載していたウォーゲーム考察連載を思い出します。



[連載]歴史を支えた兵器達

 今回は王道でドイツ四号戦車。



・多砲塔戦車開発史〜移動要塞を夢見た技術者達〜

 こんなものが現実にあったとは信じがたい、陸上戦艦的な戦車たちのお話。



・ゲームレビュー
・書評「戦争とオカルトの歴史」

 など。


 前号の8号は予定を前倒しして作ったそうで、大半のページで「誤字、脱字、てにをはの間違い、同じ文章のダブり掲載、など」が溢れかえっていましたが、本号はそういうことは(ほとんど)無い堅実な仕上がりでした。テーマも興味をそそるもので、満足度の高い本となっておりました。

 しかし…、何故ゲーム雑誌で「オカルト」の本の紹介?



□次号予告

 2013年8月予定。「SLGamer Re:inforcement(または Re:informence)」と銘打った総集編(どちらが正しい?)。また付録ゲームは2号の「バルジ大決戦」と4号「ロンメル・アット・エルアラメイン」を打ち抜きユニットで作り直し、とのこと。

---------------------------------------