感想:ドラマ「神様のベレー帽〜手塚治虫のブラックジャック創作秘話〜」(2013年9月24日(火)放送)


 ドラマ「神様のベレー帽〜手塚治虫ブラックジャック創作秘話〜」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■公式サイト
http://www.ktv.jp/beret/index.html

 フジテレビ系での視聴です(放送日:2013年9月24日(火) 21:00〜22:48)。


■概要

>これは誰も見たことのない「人間的漫画家・手塚治虫」の物語。今の時代の人々の心に伝えたい“手塚治虫の生きざま"。草ナギ剛が手塚治虫を演じます。


>1973年マンガのヒットは途切れ、アニメ事業は失敗、大きなスランプに陥っていた手塚は少年チャンピオンでたった4回の「ブラック・ジャック」の連載を開始。しかし、この「ブラック・ジャック」は反響を呼び大ヒット。殺人的な仕事量。神様ならではの、様々な超人的エピソード。


>後世の人間たちが手塚を語る時、その多くは、作品を手掛かりとした美談に終始する。しかし、真実はどうだったのか?原稿を待たせるだけ待たせる、編集者泣かせ、「遅虫」「ウソ虫」とアダ名され、締め切りに追われると子供っぽいわがままを言いだし、周りにいる人間たちをアタフタさせる。天才である前に「努力の人」だった。クールな表現者ではなく、誰よりも「のめり込む人」だった。そして、その熱は否応なしに周囲の人間を巻き込み、人々の心の中にも、“熱い情熱"を宿していくのだった。少年チャンピオンの名物編集長に佐藤浩市が、そのふたりを大島優子が演じる編集者の目を通してドラマは進んで行きます。

 漫画「ブラック・ジャック創作秘話〜手塚治虫の仕事場から〜」(宮崎克原作、吉本浩二漫画/秋田書店刊)をベースにしたフィクションドラマ。SMAPの草ナギ剛が手塚治虫役。


■あらすじ

 2013年。秋田書店の新人編集者「小田町咲良(大島優子)」は手塚治虫の偉業をまとめる仕事を任されていたが、そもそも漫画に興味が無い上に、手塚の偉大さと言われても実感が沸かないので、全く身が入らない。やがて小田町は謎の男によって40年前の1973年に飛ばされてしまう。その世界でも小田町は秋田書店の編集者ということになっており、手塚治虫の担当にされてしまう。当時の手塚はすっかり落ち目だったが、4回の短期連載でスタートした「ブラック・ジャック」が大ヒットし生き返る。やがて手塚は再度アニメの仕事に手を出すが、あまりの多忙ぶりに制作は絶望的に遅れ、アニメ班のリーダーは激怒して手塚にもっと妥協したり効率よく仕事をしろと詰め寄る。小田町は長い手塚の担当の間に手塚の生き方に感化され、かつての自分を思わせるアニメ班のリーダーに説教する。ふと気が付くと小田町は2013年に戻っており、自分を過去に飛ばした男の正体が、手塚を漫画家にした「漫画の神様」だったと気が付く。終わり。


■感想

 意外にも面白かった…、草ナギ剛の手塚治虫というのが意表をつく配役なのですが、なかなかにはまっており正直これには驚きました。また漫画版のエピソード(手塚のわがままぶりとかアニメ作りのときの修羅場とか「16ページあれば何でもかけます」とか)が上手いこと差し込まれており、元ネタ漫画の生かし具合もなかなかでしたしね。

 一番強烈だったのは佐藤浩市演じる壁村編集長のキャラですな。「八時間だよ八時間、それで手塚が描くって言ってんだから。何ぃ、落とせだぁ〜、誰に向かって言ってんだ、ブッ殺すぞ!」とか「がきデカが下品と抗議が来たぁ? 下品上等だよ!」とか、怖すぎて痛快でした。

 フジテレビ系ということでどんなクソドラマかと思っていましたが、結構面白かったです。