感想:NHKドラマ「怪奇大作戦 -ミステリー・ファイル-」第3話「闇に蠢く美少女」(2013年11月9日(土)放送)

怪奇大作戦 ミステリー・ファイル [Blu-ray]

 NHKドラマ「怪奇大作戦 -ミステリー・ファイル-」(全4話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

怪奇大作戦NHK
http://www.nhk.or.jp/kaiki/

 衛星放送・NHK BSプレミアムでの視聴です(放送日:2013年11月9日(土) 22:00〜22:44)。


■キャスト
上川隆也(牧史郎)
原田泰造(三沢京助)
田畑智子(島田梨沙)
村井良大(野村洋)
高橋真唯(小川さおり)
原田美枝子(的矢千景)

第3話 闇に蠢(うごめ)く美少女


■あらすじ

 ある日、島田がSRIに往年の人気子役「山口菜々」を見たと飛び込んできた。小川が島田が撮影した写真を分析すると、間違いなく菜々だという結果が出る。しかし菜々は20年前七歳の誕生日に心臓をえぐられて殺されているため、三沢たちは幽霊かと騒ぐ。事件は迷宮入りのまま時効を迎えていた。的矢は当時この事件に鑑識官として関わっており、心残りから事件を再調査することにする。

 一方、街では深夜に童謡「通りゃんせ」を歌いながら徘徊する少女が噂になっていた。やがて少女に噛み付かれた人間が一瞬で溶解して死ぬという事件が同時多発的に発生し、怪少女は複数いることがわかる。

 的矢は菜々事件の関係者のうち現在唯一生存している菜々の兄「健人」に連絡を取ろうとするが、そのうち健人が「武藤」という男に菜々のクローンを作らせたと解ってくる。武藤はクローンの研究者として知られていたが、その後ペテン師として学会を追放された過去があった。武藤は健人に菜々のクローン作りを依頼されたものの、世間に復讐するため菜々に毒蛇の能力を付加し一種の兵器として人を襲わせていたのだった。その能力のせいで、クローン菜々は普通に成長する能力を欠いていた。健人は武藤を責めるが、結局武藤は誤ってクローン菜々に殺される。

 実は20年前の事件は菜々の自殺だった。菜々はあまりの仕事の多忙さに疲れ果てて睡眠薬で自殺し、兄の健人が妹の遺言に従い、菜々の心臓を取り出してクローンで再生しようとしたのだった。警察やSRIに包囲された健人は、クローンたち全員を連れて小屋に立てこもり、自身をクローンに噛ませて死に、残ったクローンたちも互いを噛み合って全滅した。


■感想

 うぉぉ、まさに『怪奇』。心臓をえぐられて殺されたとか、牛から生まれるクローンたちとか、クローン胎児がいきなりのど笛に食いついて人を殺すとか…、ホラーテイストが満載です。特に牛がクローンをボトリと産み落とすシーンなんか、そのシーン自体の気持ち悪さもそうですが「牛に人を生ませる」という設定も含めて「うげぇ〜」となりましたよ。

 しかし、だからと言ってグロテスクなだけの話では無く、妹を生き返らせようとした兄の想いとか、的矢の自責の念とか、そのあたりも十二分に描かれており、実に良い話でした。どうしたの円谷プロ? もうク○作品しか作れないと思っていたのにこの快進撃ぶりは。ビックリすぎ。


☆蛇足

 原田美枝子がこういう「特撮SF」にメイン級で演技しているのを見ていて、45分間「信じられねー」という気持ちで一杯でした。本当によく出てもらえたなぁ。
  

他の回のあらすじ・感想

第1話「血の玉」
perry-r.hatenablog.com
第2話「地を這う女王」
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第4話「深淵を覗く者」
perry-r.hatenablog.com
 
怪奇大作戦 ミステリー・ファイル (角川文庫)