感想:特撮「マイティジャック」(1968年) 第1話「パリに消えた男」


 特撮「マイティジャック」(全13話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■マイティジャック(全13話) | 映画チャンネルNECO
http://www.necoweb.com/neco/program/detail.php?id=2460&category_id=1

 CS放送・チャンネルNECOでの視聴です。


■概要

>1968年・円谷プロ・60分・カラー・スタンダード

>当時のテレビ史上最高額である1,000万超の製作費を投じて劇場映画級で取り組まれ、円谷プロの最高傑作とも評される本格特撮ドラマ。近代科学の粋をこらして建造された万能戦艦マイティ号に乗り込み、悪の組織・Qから現代社会を防衛する11人の勇者たちの活躍を描く。

 円谷プロが「日本版サンダーバード」を目指して作ったとも言われる作品で、なんと1時間枠で放送。大人向けドラマを目指し、大予算と一般ドラマ級のキャストで作ったものの、ウケは悪く13話打ち切りとなりました。


■キャスト
当八郎(あたり・はちろう)(二谷英明
矢吹郷之介(柳永二郎
天田一平(南廣)
源田明(二瓶正也
桂めぐみ(久保菜穂子)
村上譲(天本英世


第1話 パリに消えた男


■あらすじ

 日本財界の大物(と思われる)矢吹郷之介は、世界的秘密組織「Q」の暗躍に対抗するため、「マイティジャック」という組織を設立した。ある日、マイティジャックのメンバーは矢吹から、パリで失踪した当八郎という男の捜索の命令を受け、万能戦艦MJ号で出発する。一方当は姿無き誘拐犯から拷問され、MJ号の基地を教えるように責められていた。やがて当の発した信号を辿りMJ号は南太平洋の地図に無い島に到着する。そして当を救助すると島の基地を破壊した。帰還後、マイティジャックのメンバーは、矢吹から当を彼らの隊長として紹介される。


■感想

 タイトルは超有名なのですが、見たことが無かった作品。二谷英明主演とかマイティ号とか13話打ち切りとかデータは豊富に目にしていたのですけどね。

 さて中身ですが…、予想と違ってスパイアクション物という感じでした。当がパリで車ごと誘拐されて、その後天田や源田が謎の島に乗り込んで助けに来たり、矢吹の秘書がQのスパイだったり、とか、完全に無国籍スパイアクション物です。その部分はまあ当時のドラマならこんな物だろうというレベルなのですが…

 しかし、そのスパイアクション世界にマイティ号(劇中ではMJ号と呼んでいましたが)の存在が噛み合ってない…、秘密結社とエージェントとの戦いに、空も海も海中も自在に行動できる万能戦艦は不要なのです…、企画段階でこれはおかしいとみんな思わなかったのかしらん。そして素人でも指摘できるその居心地の悪さは「1クール打ち切り」という悲惨な結末を招くのであった…

 しかしまあ、教養のためというか特撮オタとしてこれは押さえておきたい作品なので、最後まで視聴する予定です。


★蛇足

 あれ、「マイティジャツク」ではテーマ曲は歌詞なしなのね。すると歌詞が入るのは「戦え!」の方なのか? あと音楽が富田勲だった…