ウルトラセブン 4Kリマスター版 NHK https://www4.nhk.or.jp/P6565/
放送 NHK BSプレミアム。
【※以下ネタバレ】
1967年10月1日に放送が開始された「ウルトラセブン」。当時のフィルムをデジタルスキャンし、4K・HDRでよみがえらせた4Kリマスター版を、NHKが初めて放送する。
第5話 消された時間
あらすじ
ウルトラセブン 4Kリマスター版(5)「消された時間」
[BS4K] 2021年05月02日 午前8:00 ~ 午前8:26 (26分)
『ウルトラセブン』初の4K化・国内初放送!ユシマ博士がダイオードを設置するために来日。だが博士は何者かに洗脳されていた。危険を察知したダンが拘束される。
1967年に地上波放送された『ウルトラセブン』を初の4K化・国内初放送!世界的な科学者ユシマ博士が来日した。地球防衛軍極東基地に、自らが開発したユシマダイオードを取りつけるためである。だが、ユシマ博士はすでにビラ星人によって洗脳されていた。これにいち早く気づいたダンが危険を訴えるが信用されず、それどころか疑いをかけられ拘束されてしまう。危うし地球!
登場 … 宇宙蝦人間 ビラ星人
南極にある地球防衛軍科学センターから「地球の頭脳」との異名をとるユシマ博士が地球防衛軍極東基地に視察に来ることになった。噂では、博士の開発したユシマダイオードをレーダーに取り付けることで、飛躍的な性能向上が見込めるという。ところが博士が乗ったジェット機は空中で一瞬謎の光に包まれるが、誰一人その事に気が付かなかった。
日本に到着したユシマ博士は大歓迎を受け、まずホテルで一泊することになった。ところが深夜ホテルがまた謎の光に包まれ、「ビラ星人」がテレビ画像越しにユシマ博士に呼び掛ける。ビラ星人は地球侵略のため「時間停止光線」を使って飛行機を捕え、ユシマ博士にビラ星人の精神を植え付け、自分たちの手先に作り替えたと説明する。ビラ星人はレーダー破壊のためユシマダイオードに細工を施し、またモロボシダンに注意するようにという。
翌日、ユシマ博士は防衛軍の基地に到着すると、ダンにレーダー装置にユシマダイオードを取り付けるように頼むが、セットした瞬間レーダーが破壊され、基地の監視能力が失われてしまう。ユシマ博士はダンが宇宙人のスパイだとあからさまにあてこするが、キリヤマたちは取り合わない。
ダンはユシマ博士に疑いを抱き、透視能力でユシマ博士がビラ星人と通信しているところを目撃したため、ユシマ博士につかみかかる。しかし他の隊員たちはダンがおかしくなったと思い込み、独房に監禁してしまう。
やがてビラ星人の宇宙船団が地球に到着し、ウルトラホークが緊急出動することになった。ユシマ博士は発射台を操作してホークの破壊を試みるが、ダンはセブンに変身してユシマ博士にエメリウム光線を浴びせて失神させ、発射台を元に戻す。ウルトラホーク1号・3号とウルトラセブンが船団を迎撃・撃墜し、巨大化したビラ星人もウルトラセブンに倒された。
目覚めたユシマ博士は日本にやってくる途中からの事を覚えておらず、ダンたちからビラ星人に利用されていたことを説明される。こうしてビラ星人の地球侵略の計画は阻止された。
脚本:菅野昭彦
監督:円谷 一
特殊技術:高野宏一
感想
評価は△。
ウルトラセブンとビラ星人が、鳥居やら金閣寺(?)っぽい建物やらがある、なんとなく神秘的な場所で戦うシーンで有名なエピソード。ただし、格好いいサブタイトルとは裏腹に話としては今一つ。
この回はシナリオがおかしく、
・序盤、ユシマ博士を車で迎えに来たダンが「なぜ、あんなことを言ったのだろうか。僕が宇宙人だということを知ってたのだろうか……」と内心で悩むシーンがあるのですが、その「あんなこと」を言うシーンが無く、話がまともにつながっていない
・監禁されていたダンがセブンに変身し、牢屋の鉄格子をメリメリと破壊して脱出するのですが、あとから誰もその事を追及していない
・ビラ星人は地球侵入を探知されないために基地のレーダーを破壊したのに、地球にやってきたところで結局見つかってウルトラホークに撃墜されて全滅したので、はかりごとが何の意味も無かった
・ユシマ博士が基地に来る前からの記憶が無いということは、ビラ星人に操られていたことは誰にも分らないので、ダンが博士を襲った事が無罪放免になる理由がない
等々、穴が多すぎ……
ただし、戦闘シーンのビラ星人のギミックは本当に素晴らしいです。人が入らないデザインのため、当然ピアノ線で操っていた筈ですが、広い胴体部分の前にある小さな足(多分)とか、尻尾?の下の方にある小さな足とかが、小刻みに動いているなど、「どうやって操っているの?」という精緻な動きを見せてくれます。あまつさえ、ウルトラセブンに巴投げで投げ飛ばされたり、尻尾部分を丸めてドロップキックを決めるなど、接触するシーンまで。これは凄い。
また、無数の鳥居とか五重の塔っぽい建物とかが戦闘の舞台に配置されており、そういう中で戦うシーンはなんとも幻想的です。
しかしまあ、ビラ星人は毒ガスを吐いたりして奮戦したものの、結局は「アイスラッガーで胴体を真っ二つに」というお決まりのパターンであえなく死亡、さらに死体の上に味方の宇宙船が墜落してきて丸焼けになるという踏んだり蹴ったりの最期で、卑劣な侵略者に相応しい末路でありました。
他の回の内容・感想は以下のリンクからどうぞ
perry-r.hatenablog.com
Vol.2
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