【特撮】感想:特撮「ウルトラセブン 4Kリマスター版」第46話「ダン対セブンの決闘」

ウルトラセブン Vol.1 [DVD]

ウルトラセブン 4Kリマスター版 NHK https://www4.nhk.or.jp/P6565/
放送 NHK BSプレミアム

【※以下ネタバレ】
 

1967年10月1日に放送が開始された「ウルトラセブン」。当時のフィルムをデジタルスキャンし、4K・HDRでよみがえらせた4Kリマスター版を、NHKが初めて放送する。

 

第46話 ダン対セブンの決闘

 

あらすじ

ウルトラセブン 4Kリマスター版(46)「ダン対セブンの決闘」
[BS4K] 2022年02月13日 午前8:00 ~ 午前8:26 (26分)


伊良湖岬での不穏な動きに地球防衛軍は調査を開始。ダンは怪しい女を追跡するが拉致されてしまう。女と一味はニセの「セブン」を製造し地球侵略を企むサロメ星人だった。


伊良湖岬一帯の不穏な動きを察知した地球防衛軍は海底をハイドランジャーで調査。一方、ダンとアンヌは岬から上陸してきたある女を追跡するが、ダンは女の一味に捕らえられて監禁されてしまう。彼女らこそ侵略者サロメ星人であった。岬付近の海底工場で星人らは秘密裏にニセの「ウルトラセブン」を製造。自白用のマシンでダンからウルトラビームを作り出す秘密を聞き出す。そして完成したセブン型ロボットが今、出撃する!


【出演】中山昭二森次晃嗣ひし美ゆり子毒蝮三太夫阿知波信介古谷敏

 
登場 … 侵略星人 サロメ星人、ロボット超人 ニセ・ウルトラセブンカプセル怪獣 アギラ

 ウルトラ警備隊は、伊良湖岬近辺で怪現象が多発しているとの情報を得て密かに調査を行い、ある女性が怪しいと目を付ける。さらに海中を調査中のハイドランジャーが撃沈されるという事件も発生した。

 ダンが女を尾行するが、電撃によって失神させられ、気が付くと謎の基地に拘束されていた。この基地は謎の女も含めたサロメ星人の海底工場で、ウルトラセブンの姿と能力を模倣したロボットのウルトラセブンを製造中だった。サロメ星人は地球人にセブンが敵になったと思い込ませ、精神をくじくつもりだった。

 サロメ星人はダンを「トークマシン」にかけ、唯一まだ解明出てきていなかったウルトラビームの秘密を聞き出してしまう。そしてウルトラビームまで装備した偽セブンが出撃し、サロメ星人も基地に爆弾を仕掛けてダンを残して逃走した。

 ダンを捜索中のウルトラ警備隊は、突然現れたセブンが破壊発動を始めたことに困惑する。一方ダンはなんとか海底基地を脱出すると、セブンに変身し、偽セブンと対峙した。偽セブンは本物と互角の戦いを見せるが、最終的に片方のセブンがもう一方を打ち破った。

 水中翼船で逃走中のサロメ星人たちは、セブンが近づいてくるのを見て、自分たちの偽セブンが勝利したと喜ぶ。しかしそのセブンは船を沖に運ぶと、次の瞬間大爆発させる。ウルトラ警備隊は本物のセブンが勝利したことを悟って喜んでいると、そこにダンが帰ってきて一件落着。


脚本:上原正三市川森一
監督:鈴木俊継
特殊技術:大木 淳


感想

 評価は○(本物対偽物がイマイチ盛り上がらないけど)

 ウルトラセブンと侵略宇宙人が作ったニセのウルトラセブンが対決する、というあらすじだけ聞くと面白そうだけど、実際はイマイチ盛り上がらないエピソード。設定倒れというか惜しい感じの話です。


 この回は第44話「恐怖の超猿人」に続く愛知県ロケシリーズ第二弾作品となっており、今度は海辺のホテルとタイアップしたようで、プールやら各種のお風呂やらを徹底的に紹介しています。

 その紹介シーンに時間を割く代わりに、肝心の事件についての説明は「平和で美しい伊良湖岬。近頃、この一帯に怪現象が頻々と起こっているとの情報をキャッチした地球防衛軍では……」というふわっとしたというか、ほぼ何も言っていない、というかのナレーションで済ませていて、冒頭からいきなり怪しい空気が漂っていてアレな感じでした。

 またダンの「あの女が怪しいから尾行する」という説明も、どう怪しいのか全く説明されておらず、視聴者的には全く流れについていけませんでした。この辺りで、タイアップ物は「宣伝メイン」であり、もうまともなエピソードを期待してはいけない、というのが身にしみてわかりました。

 多分、製作陣は、この頃になると予算がひっ迫していて、とにかく切り詰めなければいけなかったのでは、と推測せざるをえません。サロメ星人がずっと地球人の姿をしているのは着ぐるみを作る予算が無かったからと勘繰りたくなりますし、敵がニセウルトラセブンというのも、やはり敵役の着ぐるみを必要とせず、予備のセブンの着ぐるみ(という物があるとして)をちょっと流用すれば一丁上がりだから、という理由だったのでは、と思わずにはいられません。

 ストーリーの方が漠然としているというか、ぴりっとしないため、視聴者的には本物セブン対偽物セブンの対決シーンにどれだけ尺が割かれているかに興味が集中した訳ですが、こちらも至極あっさりしたもので、特に死闘という感じも無いまま、簡単に決着がついてしまい拍子抜けの一言。一応アイスラッガーを同時に放って互角というシーンを見せたり、空中で衝突しつつすれ違うという、わりとオーソドックスな「強敵ぶり」の演出もありましたが、最終的にはそんなに強敵だったという印象は残りませんでしたしね。

 ヒーローに化けた「偽○○」が登場する回はスペシャルな物を期待してしまうのですが、作り手的にはそういった思い入れのような物は全く無かったようで、なんとも物足りない一作でした。残念。


ロボット超人 ニセ・ウルトラセブン
X-PLUS 大怪獣シリーズウルトラセブン編 「ニセ・ウルトラセブン」
カプセル怪獣 アギラ
大怪獣シリーズ(R) ウルトラセブン編 「カプセル怪獣 アギラ」 少年リック限定仕様
 
 

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