【特撮】感想：特撮「ウルトラセブン 4Kリマスター版」第２１話「海底基地を追え」

ウルトラセブン 4Kリマスター版 NHK　https://www4.nhk.or.jp/P6565/
放送　NHK BSプレミアム。

【※以下ネタバレ】
　

1967年10月1日に放送が開始された「ウルトラセブン」。当時のフィルムをデジタルスキャンし、4K・HDRでよみがえらせた4Kリマスター版を、NHKが初めて放送する。

第２１話　海底基地を追え

あらすじ

ウルトラセブン　４Ｋリマスター版（２１）「海底基地を追え」
[BS4K] 2021年08月15日午前8:00 ~ 午前8:27 (27分)

『ウルトラセブン』初の４Ｋ化・国内初放送！海難事故が続発。ある船長は沈没寸前、戦艦大和らしき姿を目撃。その正体はミミー星人が作り出した爆弾搭載型ロボットだった。

１９６７年に地上波放送された『ウルトラセブン』を初の４Ｋ化・国内初放送！航行中の船舶が相次いで沈没する海難事故が発生。漁船・第三黒汐丸の川田船長は、船の沈没寸前、戦艦大和らしきものを見たという。ウルトラ警備隊が海底調査を開始する。大和の正体は、地球の海底資源を奪取しようとやってきたミミー星人が、大和の残骸を利用して作り出した爆弾搭載型ロボット・アイアンロックスだった！

【出演】中山昭二，森次晃嗣，ひし美ゆり子，毒蝮三太夫，阿知波信介，古谷敏

　
登場 … 軍艦ロボットアイアンロックス、宇宙海底人ミミー星人

　日本近海で海難事故が頻発するが、遭難海域で破片などが一切見つからず、ウルトラ警備隊は不審がる。またパリ本部からの連絡で、同様の事故が大西洋・地中海でも頻発していることが解る。さらに遭難した船の最後の連絡が「戦艦大和を見た」という内容だったことから、フルハシとアマギがハイドランジャー二隻で大和の沈没地点に調査に向かうことになった。

　フルハシたちは大和の残骸が沈没地点にない事を発見するが、直後謎のヒトデ型円盤と遭遇し、追跡中にアマギが行方不明になる。キリヤマはウルトラホーク1号で応援に向かうが、手掛かりはなかった。

　同じ頃、伊豆の下田港に戦艦大和が出現し、沿岸を砲撃し始めた。ダンはホーク3号で出撃するものの撃墜されてしまい、遅れて到着したキリヤマのホーク1号の攻撃で大和は沈黙した。その間にフルハシもアマギ同様にヒトデ型円盤に捕まってしまう。

　やがてパリ本部からの連絡で、大和は沈没船などの鉄屑を利用したロボット「アイアンロックス」の一つで、既に同様のアイアンロックスが欧州各国に出現しており、静止後15分で爆発することが解る。伊豆に出現したアイアンロックスは余りに巨大なため、被害のない場所に移動させることもできなかった。

　ダンは海底に墜落したホーク3号内で気絶から目覚め、セブンに変身するとアイアンロックスに対峙するが、すぐに巨大な鎖で手足を拘束されてしまう。直後、「ミミ―星人」と名乗る相手は、セブンに地球の海底資源を奪いに来たと目的を語る。セブンは反撃もできず大苦戦するが、鎖を引きちぎるとエメリウム光線でアイアンロックスを破壊した。

　ミミ―星人は慌てて拘束していたフルハシとアマギを解放すると円盤で逃げようとするが、ハイドランジャーからの攻撃で円盤を撃墜された。こうして事件は解決した。

脚本：若槻文三
監督：野長瀬三摩地
特殊技術：的場徹

感想

　評価は○（イマイチ）

　前半は面白かったのですか、後半グダグダ展開になってあれぇとなってしまったエピソード。

　序盤から中盤は、謎の連続船舶消失事件、ウルトラ警備隊員も次々と行方不明に、と盛り上げてくれたのですが、後半アイアンロックスが伊豆に現れたあたりから展開が変なことに……、

　ミミ―星人は海底資源を狙っていていると自称していて、そのために船舶を沈めまくるのはまあ解りますが、その計画のために作った兵器アイアンロックスを爆弾として吹き飛ばしてしまったら、作った意味ないのでは？　逆に爆弾で地上を攻撃したいなら、ミサイルでも打ち込んだ方が効率的なはず。

　またアイアンロックスの前にセブンが現れた後、セブンは鎖につながれてしまいますが、セブンが一人で転んで一人で苦しんでいるようにしか見えなくて、もう滑稽の一言。まあ、戦艦相手に取っ組み合いをするわけにもいかないので苦肉の演出だったのでしょうけど、そもそもセブンの相手に戦艦を持って来るシナリオがおかしい。

　アイアンロックスが停止したのは真昼間だったのに、いつの間にか「タイムリミットは20時35分」とか言い出して夜の話になってしまったのもあれあれでしたし。

　そして一番ひどいのがオチ。セブンはアイアンロックスが爆弾ロボットだという事を知らないので、アイアンロックスにエメリウム光線を打ち込んで倒してしまいますが、特に大爆発をするわけでもなくそのまま終わり。キリヤマたちが危惧したような被害も無く拍子抜けの一言で、キリヤマたちが深刻な顔をしてタイムリミットを迎えようとしていたのはなんだったのか、と微妙な気持になりました……

　あとは、ミミ―星人がヒトデ円盤で逃走しようとして、さっきまで捕虜にしていたフルハシとアマギのハイドランジャーに撃墜されるという結末もマヌケすぎるし、ミミ―星人は一体なにがしたかったというのか。

　と突っ込みが追いつかないシナリオでした。一説によると円谷プロが東宝から戦艦大和の模型を譲ってもらったので、これを利用するシナリオをなんとかひねり出した、という逆立ちしたような作りのエピソードだったようです。だからこんなに変な話だったのか！
　
　
　
軍艦ロボットアイアンロックス、

ハイドランジャー