ウルトラセブン 4Kリマスター版 NHK https://www4.nhk.or.jp/P6565/
放送 NHK BSプレミアム。
【※以下ネタバレ】
1967年10月1日に放送が開始された「ウルトラセブン」。当時のフィルムをデジタルスキャンし、4K・HDRでよみがえらせた4Kリマスター版を、NHKが初めて放送する。
第49話(最終回) 史上最大の侵略 後編
あらすじ
ウルトラセブン 4Kリマスター版 [終](49)「史上最大の侵略(後編)」
[BS4K] 2022年03月06日 午前8:00 ~ 午前8:26 (26分)
ゴース星人は地球防衛軍に対し全面降伏をするよう告げる。ウルトラ警備隊はアマギを犠牲にしての攻撃を決定。ダンはアンヌに自分の正体を打ち明け、最後の戦いに向かう。
怪獣パンドンを辛くも退けたセブン=ダンだったが、さらなるダメージを受けてしまった。精密検査で正体がばれるのを恐れたダンは地球防衛軍基地の病室から脱走する。ゴース星人はアマギを介して地球防衛軍に対し全面降伏をするよう告げる。ウルトラ警備隊は敵の基地を探しだし、アマギを犠牲にしての攻撃を決定した。ダンはアンヌに自分の正体を打ち明けて、最後の戦いに向かう。
登場 … 幽霊怪人 ゴース星人、双頭怪獣 改造パンドン
ナレーション「悪魔のような侵略者から地球を守るために戦ってきたウルトラセブンにも最期の時が近づいていた。もう二度と再び立ち上がることはできないのだろうか? 死んではいかん。地球は、まだ君を必要としているのだ。がんばれ、モロボシダン。ウルトラセブン、生きるんだ」
ダンの容態は峠を越えたが、ダンは医者が手術に備えてレントゲンを撮影するというのを聞き、正体が発覚するのを恐れて姿を消す。
フルハシとソガはウルトラホーク3号でセブンが怪獣と戦った場所を偵察するが、切り落とされた手と足を残し、怪獣の死体が無くなっていた。直後、フルハシたちは地球防衛軍基地に宇宙人の円盤が襲来して攻撃していると知り、急遽帰還して円盤を攻撃、ダメージを与えた。ところが円盤は追撃を振り切り、火山の下にある秘密基地に無事たどり着く。
アンヌはダンが消えたことをキリヤマたちに知らせると、クラタはダンが脱走したといってあざ笑う。そこにアマギから連絡が入るが、アマギは「ゴース星人」に操られており、彼らの代弁者となり、ゴース星人が地底ミサイルによる人類30億人皆殺し計画を準備していること、降伏すれば火星の地底都市への移住を認めること、を通告してくる。ヤマオカ長官はキリヤマたちに、時間稼ぎをしている間に敵基地を発見するように命令する。
基地を離れたダンはポインターで行き倒れているところを、アキオ少年と姉に発見され、二人の家に運ばれる。しかしダンは医者を呼ばれそうになったため、アキオの「秘密基地」へと移動する。同じ頃ゴース星人の地底ミサイルによる攻撃が開始され、ニューヨーク、ロンドン、パリ、モスクワなどが次々と壊滅した。さらにゴース星人は東京への攻撃を予告し、人類に再度降伏を勧告してきた。
ウルトラ警備隊はようやくゴース星人の基地がクマガ岳地下にあることを突き止め、キリヤマは時限爆弾を搭載したマグマライザーを自動操縦で突入させることを決断する。ソガはアマギが基地にいるため助けに行こうとするがクラタに止められる。
ダンはその様子をビデオシーバーで見ており、アマギを助けるためセブンに変身しようとするが、再び現れた上司から変身すれば今度こそば死ぬと止められる。そこにアキオから連絡を受けたアンヌがやって来るが、ダンは自分がウルトラセブンであること、M-78星雲に帰還しなければならないこと、を打ち明け、止めるアンヌを振り払ってセブンに変身した。
セブンはゴース星人の基地に突入してアマギを助け出し、直後突入してきたマグマライザーが爆発しゴース星人の基地は壊滅した。そこに地中から怪獣改造パンドンが現れ、セブンに襲い掛かってくる。アンヌは仲間たちにセブンがダンだった事を明かし、キリヤマたちは劣勢のセブンを必死に援護した。セブンは最後の力を振り絞り改造パンドンを倒すと、宇宙に飛び立った。アンヌたちが、地球から離れていくその光を見つめているシーンで〆。<完>
脚本:金城哲夫
監督:満田かずほ
特殊技術:高野宏一
感想
評価は○(良かった)
ウルトラセブンの伝説の最終回です。
ゴース星人の地底ミサイルでの世界中の大都市への攻撃、東京都民の大パニック、など「史上最大の侵略」感を存分に醸し出しつつ、クラシック音楽に乗せてダンのアンヌへの正体の告白・別れのシーンなどがテンポよく、かつ過不足なく描かれ、一秒も無駄のない完璧なエピソードとなっています。これは伝説になるわけだと納得です。
最終回だけに、ヤマオカ長官(藤田進)、タケナカ参謀(佐原健二)、マナベ参謀(宮川洋一)、さらに前回から引き続いてのクラタ隊長(南廣)、と地球防衛軍側の主要人物は総出演という豪華な布陣となり、見ごたえがありました。
ゴース星人は、前編では円盤がいきなりクラタに撃墜されるなど、実力に疑問が感じられる連中でしたが、後編では、火山の地下に巨大秘密基地をがっちり建設、そこから全世界に地底ミサイルを乱射して破壊の限りを尽くすなど、一転なかなかの侵略者ぶりを見せつけてくれました。また地球防衛軍極東基地に正面から殴り込むなど、血気盛んなところも見せてくれ、結構見直しました。
まあ、惜しむらくは、地球人に対して「地底からの攻撃には無防備だ」と豪語しそこをついたにもかかわらず、自分たちもまた地底からの攻撃に対しての防御策を施しておらず、そっくり同じことをやり返された時に一撃で吹き飛ばされた事でしょうか…… まあ、地球防衛軍がそれだけ底力の有る組織だったと言えるのかもしれません。
セブン最後の敵となった改造パンドン。前編で切り落とされた左腕と右足を機械に置き換えてセブンと再戦するという機会に恵まれましたが、殴る蹴るの肉弾戦以外に特に芸がないようで、どう考えてもパンドンが強いというより、セブンが弱っていたから相対的に圧倒していたとしか思えません。必殺アイスラッガーの速度が遅すぎてキャッチできてしまうくらいだったのですから……、まあその程度の実力のため、調子に乗ってセブンに投げつけたアイスラッガーを送り返されて首を切り落とされるという分相応の最期となりました。
ところで、ゴース星人はこのパンドンを一体何のために地球に呼び寄せたのでしょうか? 地球侵略計画は地底ミサイルで行われることになっており、ピット星人のように「怪獣(エレキング)で地球人を滅ぼす」的な用途は無かった模様で、地球に連れてこられた理由の見当がつきません。最後の戦いも飼い主のゴース星人が壊滅してからノコノコ現れる有様で、役立たずぶりもおびただしかった…… 人気が無いのも(多分)仕方ないですね。
クライマックスの有名なダンとアンヌのやり取り
ダン「アンヌ、僕は、僕はね、人間じゃないんだよ。M-78星雲から来たウルトラセブンなんだ。びっくりしただろう?」
アンヌ「うぅん、人間であろうと宇宙人であろうと。ダンはダンにかわりないじゃないの。たとえウルトラセブンでも」
ダン「ありがとう、アンヌ」
ダン「西の空に明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んで行く。それが僕なんだよ」
etcetc、の、この辺りはホントに良いですね。50年以上経っても全然古びない名シーンです。
最後は元気だったころのダンの笑顔を写しながらエンド。実に良い感じのラストシーンでした。ここまでにいろいろありましたが、最終回は完璧な形で終わって本当にいい印象で見終わりました。良かった良かった。
幽霊怪人 ゴース星人
双頭怪獣 改造パンドン
他の回の内容・感想は以下のリンクからどうぞ
perry-r.hatenablog.com
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