【特撮】感想:特撮「ウルトラセブン 4Kリマスター版」第41話「水中からの挑戦」

ウルトラセブン Vol.1 [DVD]

ウルトラセブン 4Kリマスター版 NHK https://www4.nhk.or.jp/P6565/
放送 NHK BSプレミアム

【※以下ネタバレ】
 

1967年10月1日に放送が開始された「ウルトラセブン」。当時のフィルムをデジタルスキャンし、4K・HDRでよみがえらせた4Kリマスター版を、NHKが初めて放送する。

 

第41話 水中からの挑戦

 

あらすじ

ウルトラセブン 4Kリマスター版(41)「水中からの挑戦」
[BS4K] 2022年01月09日 午前8:00 ~ 午前8:26 (26分)


カッパ出没のうわさを聞いたカッパ愛好家らが伊集湖にやってくる。同じころウルトラ警備隊もその湖を調査していた。そこにカッパに似たテペト星人が潜んでいたのだった。


1967年に地上波放送された『ウルトラセブン』を初の4K化・国内初放送!カッパが出没するといううわさを聞きつけたカッパ愛好家たちが伊集湖にやってくる。同じころ未確認飛行物体の調査にウルトラ警備隊が出動していた。そんなときカッパ愛好家の一人・竹村が何者かに殺害される。カッパに似た姿を持つテペト星人が地球侵略の目的で湖に潜伏していたのだ。そして星人の操る怪獣が湖から姿を現した。


【出演】中山昭二森次晃嗣ひし美ゆり子毒蝮三太夫阿知波信介古谷敏

 
登場 … 水棲怪人 テペト星人、カッパ怪獣 テペト


 伊集湖周辺でカッパの目撃事件が相次ぎ、噂を聞きつけたカッパの愛好家たちのグループ「日本河童クラブ」のメンバー四人が調査にやってきた。夜、四人は湖から上がって来た二つの影をカッパだと思い捕まえようとするが、その正体は潜水服を着たダンとフルハシだった。ダンは四人に、この付近から立ち去るように警告する。ウルトラ警備隊は、伊集湖に未確認飛行物体が消えたため、調査を行っていた。

 四人がテントに戻ろうとすると、怪しい影が後をつけてきたが、相手の姿はなんとカッパだった。一行は慌てて逃げ出すが、一人だけ行方不明になってしまう。一方、ダンも怪しい影を見かけて追跡するが見失い、代わりにクラブの一人が頸動脈を切られて殺されているのを発見する。

 翌朝、ダンとアンヌ・フルハシとアマギの二組はボートで湖の調査に向かうが、ダンは水中で何者かに襲われ、アンヌは水面に噴出してきたガスにより意識を失ってしまう。フルハシたちはダンとアンヌが行方不明になったため、基地に連絡し、キリヤマとソガがウルトラホーク3号で伊集湖に急行した。

 ところが伊集湖の水中から何者かがホーク3号を攻撃し、さらに水面に現れた巨大な卵から怪獣が現れた。ダンは鎖で水中に拘束されていたが、セブンに変身して脱出し、怪獣と対峙するとアイスラッガーで両断した。水中からは宇宙人の円盤が現れて逃走しようとするが、ホーク3号に撃破された。

 日本河童クラブのメンバーは帰途、カッパが実は宇宙人だった事に失望していたが、メンバーの一人は、カッパは別にいるはずと力説していた。おしまい。


脚本:若槻文三
監督:満田かずほ
特殊技術:高野宏一

感想

 評価は○(そこそこ)

 河童の存在を信じる愛好家たちが宇宙人に遭遇してしまい大騒ぎに、という、ウルトラセブンらしからぬ、なんとものんびりしたテイストのエピソード。しかし、意外にもこれはこれで悪くはなかったですね。


 セブンの40話台というと、後世に語り継がれる理由となった「尖った」感じのエピソードか多いイメージですが、本作はそういう傾向とは真反対のノリ。心に残る展開も、強いメッセージ性も全く縁がない、というか、一見セブンと思えない作品です。

 なにせ、全体の1/3にあたる8分過ぎまではダンもウルトラ警備隊の誰も姿を見せず、「河童目撃事件多発」→「日本河童クラブのメンバーが伊集湖に到着」→「怪しい気配を感じる」→「謎の影に飛び掛かってみると……」と、ずっとゲストキャラたちの視点で話が進むのですから。

 その後は一応ダンたちの物語に切り替わりますが、結局宇宙人の名前も目的も分からないままセブンとウルトラ警備隊が事件を解決してしまい、最後は河童クラブのメンバーに視点が戻って彼らの会話で話が〆になってしまいます。「河童というのは実は宇宙人だったのさ」「いや、それとは別に河童はいる」と侃々諤々の言い争いをしながら車で立ち去るシーンでおしまいとは、今回の話だけ見たら、ウルトラ警備隊と日本河童クラブのメンバーとどっちがメインキャラなのか解らない、という雰囲気。なんとも普段とはノリの違う異色のエピソードでありました。


 まあ、今回の話は何か特別な狙いがあってユーモラスな雰囲気にした、という事ではなく、当時セブンの番組視聴率がイマイチだったため、子供にウケようと解りやすい話にしてみた、というのが真相だったようです。安直な河童型宇宙人&河童型怪獣が出てきたのはそのためだったとか。まあ、視聴率を意識にしているにしては、これ以降「ノンマルトの使者」等、ますます子供を相手にしていないようなハードなエピソードが連発されるのは何故なのか、という気もしますが……


 河童型宇宙人「テペト星人」のデザインは安直の一言ですが、怪獣「テペト」の方は視聴者からデザインを公募した怪獣デザインコンクールの金賞受賞作「回転サイボーグ デイクロス・レイザ」なるキャラクターが元ネタになっているとのこと。しかしあくまで「元ネタ」であり、デザイン画では一本足、というか、太い幹の先にひれが付いている様な感じでしたが、実際は単なる二本足怪獣となっていて、あんまり応募デザインを生かしているように見えません。まあ着ぐるみでアクションする以上、一本足怪獣は現実的にあり得なかったのでしょうけど…… 応募した人の気持ちはいかばかりか……


 それにしても、日本河童クラブのメンバー三人。事件で一人が宇宙人に惨殺されているのに、湖から引き上げるときに、その辺りを全然気にしていなかったみたいなのはどうなのか……、あと怪獣テペトが戦闘中にセブンに両手を合わせて許しを請うポーズで油断を誘うのもちょっと……、生まれたばかりの宇宙怪獣ガ何故そんなことを知っているんですかねぇ……


水棲怪人 テペト星人
HG ウルトラマン セブン 怪獣コンプリート計画 テペト星人 単品
カッパ怪獣 テペト
ウルトラ大怪獣シリーズ5000 テペト
ウルトラ怪獣名鑑 水中からの挑戦 ウルトラセブン対テペト
 
 

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