感想:ウォーゲーム雑誌「Game Journal(ゲームジャーナル) No.61」『幕末京都騒乱』(2016年12月1日発売)

ゲームジャーナル61号 幕末京都騒乱

ゲームジャーナル公式サイト http://www.gamejournal.net/
発売日:2016年12月1日(3,6,9,12月の1日発売)

【※以下ネタバレ】
 

付録ゲーム

幕末京都騒乱(ゲームデザイン:近藤友樹)

http://www.gamejournal.net/item_list/gj_061/index.html
文久の政変前後の京都市街における佐幕派と勤皇派の争いを、ゲリラ戦などの非対称戦を再現するシステムとして、数々の名作を送り出している「COIN」システムで描く。

 アメリカGMT社が開発したゲリラ戦テーマ向けゲームシステム」の「COINシステム」を使って、幕末京都を舞台に志士やら新選組やらのバトルを描くゲーム。ちなみにCOINとは「COunterINsurgencies」(反乱鎮圧)の略です。→ https://www.gmtgames.com/c-36-coin-series.aspx

 デザイナー氏は冷戦テーマのトワイライトストラグルを幕末に置き換えたゲームを作ったり、今回の様にゲリラ戦テーマを新選組etcが入り乱れて戦うゲームにしてみたり、と、「海外では人気かもしれないけど、テーマがちょっと……」というゲームをとっつきやすい題材に落とし込むのが上手いですね。まあプレイしたいかと言われるといろいろ微妙ですけど。


特集「幕末京都騒乱」

 プレイヤーズノート、デザイナーズノート、松田大秀氏のリプレイ漫画、ヒストリカルノート、リプレイ、プレイの指針、COINシリーズ解説、など。

 リプレイはページ数が豊富だし図も多用しているのですが……、読んでみて何を書いているのか全く理解できない……(笑) 「新しいゲームを知らない人間に紹介するための物」ではなく、プレイヤーがやりこむ際の指針的な物を目指している様で、ルールブックを熟読してからかかってこいや! という雰囲気(笑) この空気は、ネットでヘビー級のユーロゲームのリプレイを読んだ時と同じものを感じました。まあこのCOINシリーズというのはユーロゲーム的なテイストを持つシリーズらしいので、似ているのも当然か。


その他

◆[連載]Mrことくの過激にレポートするぜ!

 今回はユーロゲーム「翠色の習作」(アークライト)がお題。多分「すいしょくのしゅうさく」と読むのだと思います。まさか「聖闘士と書いてセイントと読む」みたいに「翠色と書いてエメラルドと読ませる」なんてことはないはずですが、自信はありません……


翠色の習作 完全日本語版

翠色の習作 完全日本語版

翠色の習作 完全日本語版

 なんでも「舞台は19世紀末。人類が700年前からクトゥルフ系の邪神に支配されている世界であれこれする」的なゲームだそうで。この連載の元ネタの、タクテクスの「●●を過激にやるぜ!」シリーズみたいに、こちらもシミュレーションゲーム雑誌で、それとは毛色の違うユーロゲームを扱っていく感じになるのでしょうか。



◆[連載]絶版ゲーム再生Project RENEWAL(錦大帝)

 今回のお題は「戦争と平和」(アバロンヒル)。1980年発売のゲームだからあんまり古くない、みたいに説明されてしまい、一瞬「そうだったのか」と納得しそうになりましたが、36年前のゲームなら十分古いよね。このゲームは私も持っていますが、あのヨーロッパの大半を収めたマップを見ているだけでうっとりしてしまい、あまりの魅力にどうしても手放せません。


次号予告

 No.62(2017年3月1日発売予定)の特集/付録ゲームは「秀吉軍記より ~賤ケ岳の決戦~」。戦国群雄伝の一作からシナリオを一つだけ取り出す、という事のようです。付録ゲームゆえの限界というやつですかね。