小学館コミック「月刊flowers」公式サイト
http://flowers.shogakukan.co.jp/
創刊15年記念イベント
flowersフェスティバル レポート第4弾
7月に行われた渡辺多恵子先生のトークショーを誌上再現!
少女漫画家の渡辺多恵子氏は、1979年から活躍している大ベテランで、今は小学館の月刊flowersで、幕末新撰組漫画「風光る」を連載中です。で、最新号の月刊flowers 2017年2月号(12月28日発売)に、今年7月に開催された氏のトークショーの内容が誌上再現されていたのですが、内容が面白すぎた(笑)
月刊flowers(フラワーズ) 2017年 02 月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/12/28
- メディア: 雑誌
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かいつまんで書くと、こんな内容でした。
・子供の頃は「りぼん」が好きで、漫画を描いてりぼんに送ったが全く引っかからなかった。
・その後萩尾望都の影響で小学館派に転じ、原稿を送った。ある日編集部から、「デビューする気はあるか?」と連絡があり、「まだ未熟だからお断りします」と言ったはずなのに、勝手にデビューさせられた。だから最初から編集部と折り合いが悪かった。
・当時は少女漫画の編集者でも男性しかいなかった。そして担当編集者と漫画の内容について好みが全く合わなかった。だから「この間まで少女だった私と、一度も少女だったことのない貴方とどっちが正しいと思いますか?」的にぶつかってばかりいた。
・原稿料は最初の一年はみな同じ。一年に一作しか描いていない人も、年6作描いている自分も同じギャラ。しかし『需要がある自分の方のギャラを上げるのは当然だろう』と担当編集者に文句を言ったら、ちゃんと上に話してくれた。相変わらず話の好みはまるで意見が合わなかったけど(笑)
・そうこうしているうちアメリカにホームステイした。帰国してからその経験をもとに「ファミリー!」を描いたら大ヒット。しかしアニメ版の出来があまりにもあんまりで、色々納得できなくて、一度漫画家を辞めた。
・その後芝居のオーディションを受けたら、素人なのになぜか受かってしまった。しかしいろいろやっているうち、「芝居は大勢の人が協力して作る。逆に漫画は一人で全部できる。漫画家良いじゃん」と思い直して、漫画に戻ることにした。一からやり直そうと、投稿から始めたら、編集部が「何やってんの?」的にまた仕事をくれた。
・「風光る」はタイトル決めの時、同名の野球漫画があることが分かって変えようとしたけど、なんだかんだで結局そのままにした。
・「風光る」は最初読者から文句が多かった。そもそも伝わっている歴史は勝者が捻じ曲げている。勝ったほうが、負けたほうが極悪人だったことにしないと困ることをやっているから、幕府方はめちゃくちゃ悪党に書かれる。そういう事をきちんと認識しないといけない。
・新選組の芹沢鴨は「極悪人」とイメージが固まっている。漫画で優しそうな鴨にしたら、読者から文句の嵐。小学生読者からは「渡辺先生はもっと歴史を勉強してください」と文句を言われた(笑)
・文句を言うなら、そもそも読まなければいいのに、なぜか読む(笑) で文句を言う(笑) しかも本を買わずに、立ち読みだけして文句だけ言ってくる(笑) 本を買ってから言え(笑)
等々
コメント
おおお、この人の肉声(?)って初めて読んだかな。「たてよこななめプリズム’80」の頃からお付き合いしている古株読者なんですが、こういうトークは初見です。
で、ファミリー!の終了後頃、1980年代後半に何年も新作が無かったのは、今までは「妊娠出産子育ての時期だったのだろう……」とか勝手に解釈していたのですが、まさか漫画業界から離れていたのか……、後半のうるさい読者へのぶっちゃけた意見表明とか、いろいろ面白かったわぁ。
「風光る」渡辺多恵子
http://flowers.shogakukan.co.jp/rensai/kazehikaru.html
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