【映画】感想:映画「ユージュアル・サスペクツ」(1995年:アメリカ)

ユージュアル・サスペクツ [Blu-ray]

映画|NHK BSオンライン http://www.nhk.or.jp/bs/t_cinema/
放送 NHK BSプレミアム。2017年2月24日(金)。

【※以下ネタバレ】
 

カリフォルニア州のふ頭で大爆発が起こり、27人が死亡。9100万ドル分の麻薬が消えた。捜査官はこの事件でただ一人無傷で生き残ったヴァーバルを尋問する。ヴァーバルは、6週間前に銃器強盗事件の容疑者として集められた5人の男たちに起きた奇妙な出来事を語り始めた。「X-MEN」シリーズのB・シンガー監督の出世作となった傑作犯罪サスペンス。K・スペイシーがアカデミー助演男優賞を受賞したほか、脚本賞を受賞。

 

あらすじ

 カリフォルニアの埠頭で船が大爆発を起こし、20人以上が死に、積まれていた9100万ドル分のコカインが消え失せた。この事件で、ヴァーバル・キントという男だけが無事に生き延びていた。キントは何故か微罪で釈放されることになっていたが、捜査官クイヤンはキントを脅し、事件の真相を無理やり聞き出す。


 六週間前。キントを含む五人の男たちがある事件の容疑者として警察に拘束されるが、結局釈放される。その後、五人は元警官のキートンをリーダー格にグループを作り宝石強盗を始める。やがて五人に伝説的な犯罪者「カイザー・ソゼ」の代理人であるコバヤシが接触してきて、ある仕事を依頼する。コバヤシの持ってきた資料には五人の過去や恋人・親類縁者などの情報が細大漏らさず記されていて五人は震え上がる。実は五人が集まるきっかけを作ったのもソゼだと言う。

 ソゼは麻薬ビジネスで儲けていたが、競争相手であるアルゼンチンの組織との抗争が激化していた。そして、近々カリフォルニアに入港する船にライバル組織のコカインが積んであるので、それを始末するように命じてきたのだった。

 五人のうち一人は逃亡するがすぐに殺された。キートンはソゼの存在を信じず、ソゼ=コバヤシだと考え殺そうとするものの、恋人を人質に取られ、他の三人も身内に危害を加えると脅され、仕方なくソゼに従う羽目になる。

 襲撃直前になって、キートンは手足が不自由なキントには逃げるように言い、残りの三人で船を襲撃する。しかし船内にコカインは無く、混乱しているところに謎の男が現れ、三人とも撃ち殺される。さらにその男は船を爆破して立ち去った。


 現在。クイヤン捜査官はキートンこそカイザー・ソゼだと断定する。実は船内にいたのはソゼを裏切ろうとしていた腹心で、ソゼはその男の口をふさぐ必要があったのだった。キートン=ソゼは、何も知らない犯罪者たちを上手くだまして船を襲撃させた。キントが生き残っているのは、「キートンは死んだ」と証言させるために違いなかった。真相を知ったキントはショックを受けるものの、そのまま釈放される。

 その後、クイヤンはふとキントが話したキーワード(コバヤシ、グアテマラ、その他)が全て部屋の中の何かに書かれている文字だったことに気が付き、キントの話は全てウソだったと悟って慌てて追いかけるが見つけられない。爆発した船のもう一人の生き残りの証言をもとに作られたカイザー・ソゼの似顔絵こそキントその人だった。最後、手足が不自由なはずのキントがさっそうと歩きだし、出迎えの車に乗って立ち去っていくシーンで〆。


感想

 評価は◎。

 さえない詐欺師が途方もない犯罪に巻き込まれていく様を、過去と現在を交錯させながら描く映画で、実にテンポが良く、引き込まれるような面白さだった。

 しかも、最後に「キートン=ソゼ」説が提示され、そういうオチだったのか、驚いた! と思っていたら、さらにもう一回どんでん返しがあって、やられた!という感じでした。しかし、よく考えたら、船の中で何が起こったとかそんなことは外から眺めているキントにわかるわけが無かったので、オチについてのヒントは出ていたというべきなのかな。

 監督のブライアン・シンガーは、X-メンとかスーパーマンとか軽い(そして中身のない)映画ばっかり撮っている監督のようなイメージが強いのですが、こういう凄い映画も撮っていたんですね。驚いた。

ユージュアル・サスペクツ

BSプレミアム2月24日(金)午後1:00~2:47


【製作・監督】
ブライアン・シンガー
【製作】
マイケル・マクドネル
【脚本】
クリストファー・マッカリー
【撮影】
ニュートントーマス・シーゲル
【音楽】
ジョン・オットマン
【出演】
ガブリエル・バーンケビン・スペイシー、スティーブン・ボールドウィン ほか

製作国:
アメリカ
製作年:
1995
原題:
THE USUAL SUSPECTS
備考:
英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ


ディーン・キートン ガブリエル・バーン
ヴァーバル・キント ケヴィン・スペイシー
マイケル・マクマナス スティーヴン・ボールドウィン
トッド・ホックニー ケヴィン・ポラック
フレッド・フェンスター ベニチオ・デル・トロ
デヴィット・クイヤン捜査官 チャズ・パルミンテリ
コバヤシ ピート・ポスルスウェイト
イーディ・フィネラン スージー・エイミス
ジャック・ベア ジャンカルロ・エスポジート
ジェフ・ラビン巡査部長 ダン・ヘダヤ
レッドフット ピーター・グリーン
ハンガリー語の通訳 ケン・ダリー
カイザー・ソゼ スコット・B・モーガン

 
 

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