感想:劇場アニメ「劇場版 STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート) 負荷領域のデジャヴ」(2013年)

劇場版 STEINS;GATE シュタインズゲート 負荷領域のデジャヴ [レンタル落ち]

劇場版『STEINS;GATEシュタインズ・ゲート)』公式サイト http://steinsgate-movie.jp/
放送 AT-X。2017年1月1日(日)

【※以下ネタバレ】
 

いくつもの世界線を越えてきた彼らの物語は、ついに劇場へと収束する


「狂気のマッドサイエンティスト」を自称し、いまだ厨二病をひきずる大学生・岡部倫太郎。秋葉原の片隅、「未来ガジェット研究所」で偶然、過去へと送信できるメール「Dメール」を発明してしまったことから、彼とその仲間たちは世界規模の大事件に巻き込まれることになる。本作「シュタインズ・ゲート」は、タイムパラドックスにより引き起こされる悲劇と、それに立ち向かう仲間たちの絆を描く物語である。


Xbox 360用ゲームとして発表された原作は、先の読めない展開と、張り巡らされた様々な伏線が一気に回収されるクライマックスが話題となり、一大ムーブメントを巻き起こした。他機種への移植版やコミック、小説などへのメディアミックスも多数展開され、2011年4月にはTVアニメが放映開始となる。リアルと“想定科学”の入り混じる独特な世界観を鮮烈に描き出し、原作の魅力を最大限に引き出したストーリー構成によって、更なる反響を呼んだ。


そして今回、「シュタインズ・ゲート」は劇場という舞台で、まだ誰も見たことのない結末へと収束する―。制作にあたりTVアニメスタッフが再結集すると共に、原作MAGES.がストーリーを完全監修。本編トゥルーエンドの”その後”に起こる事件を、完全新作で描き出す。劇場版新ビジュアルに描かれた、2人の牧瀬紅莉栖。彼女が胸に抱く白衣と、流す涙の意味は…?すべては2013年春、いま再び、「シュタインズ・ゲート」の世界線が動き出す。

 

あらすじ

 2011年8月。倫太郎が世界線「シュタインズ・ゲート」にたどり着いてから一年が過ぎ、倫太郎たちは相変わらず「未来ガジェット研究所」で益体も無いガラクタをいじくっていた。そんなある日、紅莉栖がアメリカから一年ぶりに帰国し、歓迎のためラボのメンバー+ミスターフラウン父娘によるBBQパーティーが開催される。しかし、倫太郎は過去に体験した世界線のリアルな幻覚に度々見舞われていた。

 翌日、紅莉栖の目の前で倫太郎は姿を消し、しかも最初から倫太郎という人間は居ないことになっていた。さらに、すぐに紅莉栖自身も全てを忘れ、何かがおかしいという漠然とした違和感しか感じなくなってしまう。紅莉栖は、その違和感の原因を突き止めるため、セルンをハッキングして得た情報で、電子レンジと携帯電話を組み合わせ、意識を過去に送るタイムリープマシンを開発する。そして自分の意思を違和感の始まった日の前日へと飛ばす。

 紅莉栖の意識はBBQパーティーの最中に戻り、そこで倫太郎の事を思い出すが、この時点で既に倫太郎は消滅と出現を繰り返していた。さらに紅莉栖は未来からタイムマシンでやってきたという鈴羽と出会い、倫太郎がリーディングシュタイナーの能力のせいで、このシュタインズ・ゲート世界線に隣接するR世界線に移動しようとしていることを伝える。

 やがて二人のところに倫太郎が現れ自分に起きていることを知るが、紅莉栖が未来からやってきたことを知ると、タイムリープマシンを壊して二度と時間移動するなときつく警告する。そして翌日倫太郎は消滅するが、紅莉栖は倫太郎の意思を尊重し、そのまま倫太郎のいない世界を生きることに決める。

 しかし紅莉栖は鈴羽に叱咤されたことで考えを変え、倫太郎を取り戻す決意を固める。そして倫太郎をこの世界線に定着させるため強烈な記憶を与えればいいという事でタイムマシンで2005年に戻るが、紅莉栖が不用意に倫太郎に声をかけたせいで、倫太郎は車にはねられて死んでしまう。

 紅莉栖は改めて過去改変の恐ろしさを思い知り、身動きが取れなくなる。しかし、まゆりやダルたち全員が微かでも倫太郎の事を覚えていると知り、勇気づけられて再度2005年に向かう。そして上手く倫太郎に接触し、倫太郎がまゆりを元気づけるためにマッドサイエンティストキャラを演じるきっかけを作る。かくして倫太郎はシュタインズ・ゲートの世界線に戻ってきた。終わり。


感想

 評価は△。


 2011年4月・7月クールに全24話で放送されたテレビアニメの続編。当時原作ゲームが絶賛の嵐だったのですが、テレビアニメも見てみるとこれがとてつもない面白さで、「この内容なら評価されるのも当然」と納得したものでした。いわゆる「空想科学ADV」シリーズのゲームは全てアニメ化されていますが、これを超える作品は存在しないと断言します(※というか、シュタゲ以外の作品はどれも私には「大外れ」です……)


 さて、本作は「シュタゲの劇場版」という情報しか無くて視聴したので、スタートするまでは「テレビシリーズの総集編(含む新作カット入り)」という映画だと思い込んでいただけに、まさかの「続編」という事に気が付いて、あの素晴らしいラストにどんなストーリーを続けるのかとワクワクしたのですが……

 うーん……、これは「ハズレ」だなぁ……、これこそまさしく蛇足というべきものじゃないでしょうか? 結局テレビアニメで「《倫太郎》が《まゆり》を」取り戻すためにやったことを、映画では「《紅莉栖》が《倫太郎》を」に置き換えただけじゃん。セルンの襲撃もないから、サスペンス要素も無いし。

 さらに紅莉栖の意思がブレブレ過ぎで、

1)倫太郎に説教されたから過去改変はしないことにした
2)鈴羽にビンタされたから、やっぱりタイムマシンで過去を変えることにした
3)少年倫太郎が事故で死んだので、やはり過去改変はしないことにした
4)まゆりたちが倫太郎を覚えていたので、やはりタイムマシンで過去を変えることにした

 って、ふらつき過ぎだろ。


 まあ、全然ダメな映画ではありませんでしたが、わざわざ作るほどの物でもなかったね、という評価です。私の心の中のシュタゲは、テレビシリーズの最終回で綺麗に終わった、という事にしておきます。


劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ


<ストーリー>
「狂気のマッドサイエンティスト」を自称し、いまだ厨二病をひきずる大学生・岡部倫太郎。彼とその仲間たちは偶然、過去へと送信できるメール「Dメール」を発明してしまう。それが引き起こすのは、何度過去改変(世界線の移動)をしても訪れる、仲間の死という残酷な未来だった…。絶望に打ちひしがれる岡部に差すひとすじの光、それは誰も死ぬことのない未来、「シュタインズ・ゲート」と呼ばれる世界線。時間軸を超えて絡まりあった謎を解き明かし、ついに「シュタインズ・ゲート」に辿り着いた岡部。しかしいくつもの世界線を超えた岡部の脳には、多大な“負荷”がかかり始めていた…。



<スタッフ>
原作:志倉千代丸/MAGES./Nitroplus
総監督:佐藤卓哉浜崎博嗣
監督:若林漢二
シナリオ監修:松原達也・林直孝
脚本:花田十輝
キャラクター原案:huke
キャラクターデザイン・総作画監督坂井久太
アニメーション制作会社:WHITE FOX



<キャスト>
岡部倫太郎:宮野真守
椎名まゆり:花澤香菜
橋田至:関智一
牧瀬紅莉栖:今井麻美
桐生萌郁:後藤沙緒里
漆原るか:小林ゆう
フェイリス・ニャンニャン:桃井はるこ
阿万音鈴羽:田村ゆかり

 
劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ [Blu-ray]
「 劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ 」 エンディングテーマ 「 いつもこの場所で 」
劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ OFFICIAL GUIDE BOOK

 
 
 

2017年視聴映画のあらすじ・感想の一覧はこち

2017年視聴映画あらすじ・感想一覧