感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第100話(シーズン4 第22話)「顔のない暗殺者」

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【※以下ネタバレ】
 
シーズン4(79~104話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン4」あらすじ・感想まとめ

 

第100話 顔のない暗殺者 Orpheus (シーズン4 第22話)

 

あらすじ

敵国に雇われている正体不明の暗殺者。ターゲットすら分からない中、判明しているのは次の暗殺が2日後の4時だということだけ。彼の計画を阻止するため、バーニー(グレッグ・モリス)は敵組織に潜入し情報を操作、フェルプス(ピーター・グレイブス)は麻薬常習のスパイに扮し、唯一接触可能な男への接近を試みる。

※DVD版のタイトルは「暗殺者には面(つら)がない」。


【今回の指令】
 敵側の暗殺要員であるワーナー・ストラボス(Werner Stavros)は、正体が一切不明の謎の人物である。そのストラボスが次の暗殺を二日後の午後四時に実行予定という情報が入ったが、暗殺対象は不明である。敵国側でもストラボスに連絡できるのは保安長官バーグマン大佐(Eric Bergman head of his country's Internal Security)のみである。IMFはストラボスの正体を突き止め、その活動に終止符を打たなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、パリス、バーニー、ウィリー
 ゲスト:バレリー、無名の男二人


【作戦の舞台】
 某国


【作戦】
 ストラボスは、敵国の中央委員会の誰かから直接指令を受けており、バーグマン大佐すらストラボスに会ったことは無く、連絡方法を知っているというのみである。

 IMFはまずバーニーが保安本部ビルに潜入し、ストラボスの履歴ファイルを見てギャラの振り込み日をフェルプスたちに送信する。

 続いてバレリーが中央委員会から派遣されてきた高位の人物という設定でバーグマン大佐に面会する。バーニーが資料を上手く細工したおかげで、バーグマンはバレリーの事を信用する。バレリーは資料室に行き何かを調べるふりをする。

 一方、フェルプスは、西側のスパイとしてバーグマンたちに接触し、情報を売りたいと申し出る。そして大物の二重スパイが潜伏しているが名前は知らないと漏らす。

 バレリーはバーグマン大佐に指示して、西側からある男(パリス)を誘拐してこさせる。そしてこの男は実はストラボスが先日暗殺したはずの科学者である、と断言する。バレリーはこの事態は西側に情報が漏れていたせいで、情報を漏らした人物こそバーグマン大佐に違いない、と糾弾する。バーグマンは慌てて否定し、身の潔白を証明するため、フェルプスを締め上げる。

 フェルプスはその二重スパイにギャラを払った日を喋るが、バーグマンたちが調べるとストラボスのギャラの支払日と一致していた。バーグマンはストラボスこそ二重スパイだと信じ込み、取り調べるため面会の約束を取り付ける。フェルプスたちは盗聴でその面会場所を聞いて先回りし、パリスがバーグマンに変装してストラボスに面会し、暗殺は中止になったと嘘を言う。

 ストラボスは爆弾を仕掛けていてもう止められないと言って、暗殺対象の科学者の名前を明かす。それを聞いてフェルプスたちがその暗殺対象に連絡して避難させる。さらにパリスたちのいる部屋に警官が飛び込んできてストラボスを逮捕してしまう。最後IMFメンバーが車で立ち去るシーンで〆。

監督: ジェラルド・メイヤー
脚本: ポール・プレイドン


感想

 評価は○。

 全体に動きの鈍いストーリーで、悪くはないがさほど興奮もしない、平凡なエピソードだった。


 敵側でも殆ど情報が知られていない暗殺のプロを見つけ出すため、敵側の本拠に乗りこみ、暗殺者に連絡を取るようにもっていく、というあらすじ自体はそこそこ面白いが、全体に地味で、IMFメンバーが相手を見事にだまして痛快、ということもなく、秘密兵器が登場するわけでもなく、はなはだ盛り上がりに欠ける話だった。

 バーグマン大佐を演じるのはアルバート・ポールセン。この人はスパイ大作戦の常連で、毎シーズン1回は必ず登場しており、また会ったか、という感じだった。ちなみにバーグマンは猫を飼っており、仕事場に連れてきていてオフィスの椅子に座りながら猫を可愛がっていたりするのだが、その様を見ていると保安長官というより世界征服を企む悪の組織のボスを連想してしまった。仕事場にペットを連れて来るというのは、モラル的にどうなのだろうか。

 まあ、その猫が資料室に隠れているバーニーの側にすりよってきてしまい、バーニーがバーグマンに見つかりそうになるという一幕があるので、そのための小道具として用意されたのだとは解るが、ちょっと無理がある設定だった言えよう。

 今回のIMFの助っ人となる女性エージェントはバレリー Valerie(ジェシカ・ウォルター)。中央委員会から派遣されてきた大物イングストロムに扮し、パリスが暗殺されたはずの科学者だと信じ込ませたり、バーグマンを二重スパイだと糾弾したり、と大活躍する。

 敵の内部に飛び込み演技力で計画を進めていくあたり、本来ならパリスが担当しそうなポジションを受け持っていて、作戦を見事に成功させる立役者となった。シーズン4では女性エージェントは一回限りのゲストキャラであることが殆どで活躍の機会も少ないが、バレリーはシーズン1~3で活躍したシナモンを思い出させる存在感だった。彼女がこのエピソードだけの参加に終わったのは惜しい限りである。

 このエピソードのサブタイトルの原題「Orpheus」とは、フェルプスが漏らした二重スパイの暗号名のこと。

参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが港に車で乗り付けて、停泊している船に乗りこみ、外壁にかけてある浮輪の後ろを探って袋を取り出す。そして部屋に入り、袋から写真とオープンリール式テープレコーダーを取り出す。フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、写真を確認する。指令は最後に「なお、このテープは自動的に消滅する」といい、テープから煙が吹き上がる。

参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。敵側の暗殺要員ワーナー・ストラボスを突き止める方法は今のところ全くない。彼の写真は一枚もなく、唯一の連絡先が、その国の保安長官バーグマン大佐であり、次の暗殺が二日後の4時を期して行われるという以外は一切が不明である。

 そこで君の使命だが、ストラボスを突き止め、その暗殺者としての活動に終止符を打つことにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。
 
 

シーズン4(79~104話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

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