【ゲームブック】西東社が2016年にゲームブックを作っていた! 「謎解きゲーム! 呪われた館からの脱出」(阿笠九太郎)

謎解きゲーム!  呪われた館からの脱出

 過去一年以内で発売された新作ゲームブックのお話です。

 
 西東社といえば、つい先日話題にしましたが、

perry-r.hatenablog.com

ゲームブック】「完全犯罪ゲーム」(1985年)のレビューはどれを読んでも味が有る - セントラル・ステーション分室
http://perry-r.hatenablog.com/entry/2017/10/20/233347

 1985年~1987年頃のゲームブック全盛期に「シミュレーション・ブックス」というブランド名で妙なテーマのゲームブックを量産していた(サバイバル本、ミッドウェー海戦本、列車乗り継ぎシミュレーション本、サッカー本、高校野球本、麻雀バトル本、etc)事で、ゲームブック好きの記憶に残る会社です。

 そしてあれから約30年。西東社って今でもあるの?とか軽い気持ちでネットを検索してみたら……、有るどころではなく、なんと2016年にゲームブックを作っているじゃありませんか!?


西東社、21世紀にゲームブックを作る

 それがこちらです。

謎解きゲーム!  呪われた館からの脱出

謎解きゲーム! 呪われた館からの脱出

謎解きゲーム! 呪われた館からの脱出 単行本(ソフトカバー) 2016/12/16
阿笠九太郎 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/479162503X/
★★謎を解き真実を目指せ! ! ★★ 今、子どもたちに大ブーム! 脱出ゲームがマンガ&小説になって登場! 「呪いの館」を舞台に起こるホラーストーリー。不思議な館に調査にでかけたホラー研究会が見た衝撃の事実は! ?
ストーリーを読みながら、登場人物が遭遇する謎を解いていきます。ヒントを探したり、進む道を選択したり、謎の答えや選択によって結末が変わっていきます。


読者自身が物語の登場人物になれる、どんどん夢中になってしまうストーリー展開。
謎ときもストーリーも両方楽しい、新感覚ミステリー! 結末が変わるから、1回ではなく何度も楽しめます! !

 ほほう。


児童書で生き残るゲームブック

 意外な事ですが、児童書という分野では「ゲームブック」という物は、21世紀に入っても結構作り続けられています。

 例えば

バニラのお菓子配達便! ?スイーツデリバリー? (角川つばさ文庫)

バニラのお菓子配達便! スイーツデリバリー (角川つばさ文庫) 新書 2010/11/15
藤浪 智之 (著), 佐々木 亮 (イラスト)
https://www.amazon.co.jp/dp/4046311320
きみは、天馬ばにら。小学五年生。『パティスリー・エイル』の「お菓子配達サービス」担当だ。今日も町のお客さまに、ケーキやマカロン、お届けするよ!…と思ったら。え?人気アイドルデュオが解散のピンチ!?幽霊やしきからはなぞの注文メール?…さあ、お菓子の妖精デコといっしょに、解決してあまいしあわせ、届けよう!読者のきみが選ぶと、ストーリーが変わる「きみが主人公」の物語。小学中級から。

 
であるとか、
 
都会のトム&ソーヤ ゲーム・ブック 「館」からの脱出 (YA! ENTERTAINMENT)

都会のトム&ソーヤ ゲーム・ブック 「館」からの脱出 (YA! ENTERTAINMENT) 単行本(ソフトカバー) 2013/11/29
はやみね かおる (著), にし けいこ (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4062694816/
主人公(きみ)と、内人、創也の3人は、修学旅行のお土産の礼がしたいという栗井栄太に、彼らの仕事場『ゲームの館』へ招待される。しかし、なぜか館に閉じ込められてしまう。栗井栄太の4人とも連絡がつかない。どうやらみんな、館の中にいるようなのだが……。
きみは、内人、創也と協力し、暗号や仕掛けに満ちた『ゲームの館』から脱出しなくてはならない。そして、なぜ閉じ込められたのか、その真相を解明すると、そこにハッピーエンドが待っている!

 であるとか。

 『アナログの本なのに、(デジタルの)ゲームみたいに色々ストーリーが楽しめる』というのは、子供にとっては今でもそれなりに新鮮な感覚なのかもしれません。


そして西東社ゲームブック

www.seitosha.co.jp

謎解きゲーム! 呪われた館からの脱出 | なぞなぞ・クイズ | 児童|西東社
http://www.seitosha.co.jp/book/isbn-9784791625031.html
マンガや小説の間に選択肢や謎解きが現れ、あなたが解いた謎の答えや選択した行動によって物語が変わります! 結末が変わるから、1回ではなく何度も楽しめる!!

 上記のサイトに掲載されている紙面サンプルを見ると、ここぞというところは数ページ分のカラー漫画、その他の部分は小説、という構成で、付録として専用のマップや、謎解きのためのチェックシートもある模様。また選択肢を見ると「ここでどのアイテムを使うか? Aを使うなら…〇番へ Bを使うなら…〇番へ」という具合だったりして、思ったよりまともにゲームブックしています。おおう。

 二部構成で、どちらの話もマルチエンドで3つの結末が有るらしい。そして全ての結末を見れば「おどろきの真相にたどりつく!?」とかそそることを書いているし、なんか凄く面白そうじゃないですか?


 ゲームブックって、一時期のアプリ版出版ブームも過ぎ去ってしまって、また死滅した娯楽だと思っていましたが、今でも丹念に探せば新作ってあるもんなんですねぇ。ちょっと嬉しい。