【デジタルゲーム】感想:ゲーム関係本「ロールプレイングゲームサイド Vol.2」(2015年3月26日発売)

ロールプレイングゲームサイド Vol.2 (GAMESIDE BOOKS)


 今は既に無くなってしまった雑誌「ゲームサイド」の編集部が最後に作った雑誌です。既に三年前の本となってしまいましたが、内容の濃さは大したもの。ということで、今更ですがレビューしてみました。
 

ゲームサイド公式サイト GAMESIDE
http://gameside.jp/rpgs/rpgs2/

■データ(アマゾン)
http://www.amazon.co.jp/dp/4896375009
ロールプレイングゲームサイド Vol.2 (GAMESIDE BOOKS) 単行本 2015/3/26
ゲームサイド編集部 (編集)
出版社: マイクロマガジン社 (2015/3/26)
発売日: 2015/3/26

 
 

内容

●未来に語り継ぎたい RPG傑作選【81ページ】
ゲームサイドでは久し振りの、超個人的主観によるゲームレビュー大特集!
年代・ハード・系統を問わず、
「未来に語り継ぎたい名作RPG」を語り明かす!


 ライター達が自分が名作と思った作品を、プレイ当時の思い出を交えつつ1~4ページで紹介するという内容。その際に、編集部が「この要素がRPGを名作にする」として10のキーワードを掲げてカテゴリー分けしていますが、「この要素が入っているから売れた・名作」と結論づけている訳ではなく、単なる章のタイトル程度と思えば良いでしょう。


 10のキーワードと、そのカテゴリーでレビューされている作品は以下の通り。

その1[非日常]
MOTHER/ゴッドメディスン/ペルソナ

その2[収集]
ポケットモンスターマリーのアトリエ妖怪ウォッチ

その3[探索]
ディープダンジョン世界樹の迷宮クレオパトラの魔宝/SELECTION/マイトアンドマジック

その4[感動]
エストポリス伝記バハムートラグーンポポロクロイス物語グランディア幻想水滸伝II

その5[友情]
探しに行こうよ/ペルソナ4

その6[孤高]
WILD ARMS/真・女神転生IIIラストレムナント

その7[追体験
ゾイドドラえもん ギガゾンビの逆襲

その8[ローグライク
カーブノア/トルネコの大冒険/逆鱗 -失われし宝剣-/Elona/片道勇者

その9[SRPG
ファイアーエムブレム魔神転生II/ヒーローズ オブ マイト&マジック

その10[ARPG]
ハイドライド3/ヴァーミリオンDIABLOダーククロニクル/Titan Quest/シャイニング・フォースイクサ/Borderlands


 超有名なMOTHER、ポケモン妖怪ウォッチトルネコ、といった作品から、聞いたことも無いようなマイナーゲームまで様々ですが、どれもゲーム内容や推薦した理由がぎっしりと書き込まれており、読みごたえが凄いです。
 
 
 

●シリーズ特集『メダロット』【21ページ】
シリーズ17年! パーツを集めて競う、ロボットカスタムRPG

 
 ポケモンの後追いのような感じで始まったものの、その後も根強い人気を誇るメダロットシリーズの紹介。

 このゲームについては知識が全く無く、アニメのタイトルの方しか知らなかった(それも名前だけ)ので、興味深い内容でした。発売時点の最新作「8」はロボットと探偵物の合体とかなんか面白そうでした。
 
 
 

RPGのフロンティア スマートフォンという新大陸【6ページ】
ライトユーザー向けや移植ばかりじゃない!
侮りがたいスマホゲーの進化を読み解く!

 
 2015年時点で「スマホRPGもそろそろバカにしたものでもなくなってきた」という観点で、注目すべき作品を紹介。ラインナップは「パズドラ/Wizrouge/Wizardry schema/ソウルアンリーシュ」。

 「パズドラもパズルゲームと見せかけて、実はRPGの要素を再解釈して作ったゲームだ」とかいう説はどうなんでしょうかね。一理あるのか、単なるこじつけなのか。

 まあ2015年スタートのFate/Grand Orderの大ヒットとかを見れば、「スマホRPGも偏見なくみるぺき」という指摘は全くもって正しかったと言えます。が、紹介されているWizrougeもWizardry schemaもとっくにサービスを停止している現状は、やや苦笑いせざるを得ません(笑)
 
 
 

総括

 評価は◎。

 既に発売から数年経ってしまっていますが、最新の情報を追いかけて紹介していくという内容ではなく、何年後でも通用するような情報を提供する、書籍に近い雰囲気なので、今読んでも古びた感じはなく、十分堪能できました。有名だけど名前しか知らない様な大作なども「どこが凄いのか」をきっちり説明してくれて、結構勉強になりました。

 こういう良質な雑誌が無くなってしまったのは本当に惜しい……、正直編集スタッフが新しく立ち上げた「ゲームジーン」の方は、「XXサイド」の頃のような買い得感が全く無いんですよね。環境が変われば昔の様なものを同じように作ることできないのか……