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放送 BSジャパン。
【※以下ネタバレ】
シーズン6(128~149話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ
第134話 死を招くセラピー Encounter (シーズン6 第7話)
あらすじ
犯罪組織への資金源を断つため、ケイシー(リンダ・デイ・ジョージ)が幹部の妻に変装し潜入する。妻になりきり療養所に入った妻の命を組織に狙わせることで、夫の裏切りを誘おうという作戦なのだが、いち早くケイシーに殺し屋の魔の手が迫って…。
犯罪組織への資金源を断つため、ケイシー(リンダ・デイ・ジョージ)が幹部の妻に変装し夫の元へ…。妻として療養所に入ったケイシーに対し、彼女からの情報漏れを恐れるボスが部下に監視させ、その命を狙われることで夫に裏切らせようという作戦なのだが、いち早くケイシーに殺し屋の魔の手が迫って…。
※DVD版のタイトルは「暴力共同組合」。
【今回の指令】
フランク・ブラディ(Frank Brady)と部下のマーチン・ストーナー(Martin Stoner)は、実業家を脅迫して自分たちの「協同組合」に参加させているが、この組合を通じて膨大な資金が犯罪組織へと流れている。IMFはブラディたちの行為に終止符を打たなければならない。
【作戦参加メンバー】
レギュラー:フェルプス、バーニー、ケイシー、ウィリー
ゲスト:療養所の入所者役四人
【作戦の舞台】
アメリカ国内
【作戦】
冒頭。ブラディ一家が「協同組合」に参加しない企業の倉庫に放火する。
フェルプスがテープで指令を受け取る。
マーチンの妻ロイスは、夫が犯罪に加担している事を苦にして酒浸りになってしまっていた。IMFはロイスを保護した後、ケイシーがロイスに変装してすり替わる。
ケイシーは酔ったふりをしてブラディのオフィスに行き、ブラディに罵詈雑言を浴びせかけ、ブラディに殴られたあと追い出される。ブラディはマーチンに妻を何とかしろと命令する。
帰宅したマーチンはケイシーを殴って責め立て、ケイシーは酒を断つため療養所に入ると言って、フェルプスが所長を演じる施設に入る。ブラディはケイシーを監視するため施設に部下を送り込むが、ケイシーはそこで夫が関わっている犯罪の事を知っていると口走る。
ブラディは部下からその話を聞き、ケイシーの口を封じるために殺し屋を送り込む。ケイシーは殺し屋に腕を撃たれるものの、間一髪フェルプスが殺し屋を取り押さえる。
ブラディはケイシー殺しが失敗したことを知り、マーチンが裏切ったに違いないと思い込んで、マーチンも殺すように命じる。マーチンは殺されかけたあと、ケイシーからブラディの弱みは無いのかと言われ、貸金庫に預けている秘密のマイクロフィルムを取りに行く。しかしマイクロフィルムを持ち出したところを、ブラディたちに見つかって射殺される。さらにそこにフェルプスが警官を率いて現れ、ブラディたちを逮捕し、マイクロフィルムを取り上げる。
監督: バリー・クレーン
脚本: ハワード・バーク
感想
評価は△。
今回のエピソードは、基本的にはスパイ大作戦の王道の計略系の話だが、内容が不愉快極まりなく、見ていてイライラさせられ通しだった。
今回のIMFの作戦は、「敵の内部で仲間割れを起こさせ、隠している秘密情報を自ら取り出させて、それを横から手に入れる」という過去に何度も使われて来たもので、その基本的な展開はそう悪くは無かった。
問題は、キャラクターの描写で、仕事にのめり込んで家庭を崩壊させた夫と、それが原因で酒浸りになった妻ロイス(中身はケイシーだが)のやり取りばかりが延々と続いて、うっとうしい事この上なかった。冒頭の本物のロイスが飲んだくれてフェルプスたちに保護されるシーンからして陰気だったが、その後中身がケイシーに入れ替わったとは言え、アル中妻と家庭を顧みない夫のギスギスした会話、療養所での延々続くセラピーシーン、等、見ていて面白い要素が全くなかった。
さらに腹が立つのが暴力シーンで、アクションドラマで暴力に目くじらを立てるのもおかしな話だが、今回の悪党たちのブラディもマーチンもその部下も、とにかくロイス(中身はケイシー)の顔を全力で殴りまくるのである。ただでさえ陰気な展開のエピソードに生々しい暴力シーンもおまけされて、見ていてとにかく怒りがこみあげて仕方が無かった。
またIMFの作戦は結構ずさんで、ブラディがケイシーを殺すために殺し屋を療養所に送り込んでくることをあらかじめ知っていながら、やすやす療養所への侵入を許してしまい、ケイシーが腕を撃たれて殺される寸前まで行ってしまう。最初はIMFの何かの計略の一環だと思っていたのだが、ケイシーが本当に撃たれてしまい、フェルプスが間に合わなければ殺されるところだった、という展開には呆れてしまった。
最後はマーチンが撃たれて死に、それを知らずに妻のロイスは飲んだくれたまま、という結末で、悲劇的な雰囲気を醸し出したかったのかもしれないが、どう考えても不発だったとしか思えない。今回は痛快さや策略の巧みさといった要素の欠けた、どうにも楽しめないエピソードだった。
今回のサブタイトルの原題「Encounter」とは「出会い」のこと。しかしながら、この単語が今回のエピソードの内容と関係が有るようには思えないのだが……
参考:今回の指令の入手方法
フェルプスが遊園地で、子供用のミニ列車が停車したところで運転手に合言葉を言い、鍵を受け取る。フェルプスはそばの小屋の扉の鍵を開けて入ると、奥のカウンターには大きめの封筒とオープンリール式テープレコーダーが置いてある。フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なお、このテープは自動的に消滅する」と言い、テープから煙が吹き上がる。
参考:指令内容
おはよう、フェルプス君。フランク・ブラディとその腹心の部下マーチン・ストーナーは、多くの実業家を脅迫し強制的に某協同組合に加盟させているが、この組合を通じ膨大な資金が犯罪組織に吸収されている。
そこで君の使命だが、ブラディ一家の暴力行為を阻止し、ブラディとストーナーを葬り去るに必要な証拠を入手することにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。