【ゲームブック】感想:「ALL ABOUT GAMEBOOK Vol.5 桐原書店編」(2017年)

君はエスパー (エキサイティング・ゲームブック, 1)
 

ALL ABOUT GAMEBOOK VOL.5 桐原書店編 オールアバウトゲームブック5 - ゲームブックのオンラインショップ トレーダーズ・ギルド
http://tradersguild.cart.fc2.com/ca45/1923/p-r45-s/

■ 概要
桐原書店ゲームブック全17作品を収録して解説した、当店オリジナルのデータベース書籍。
A5判 レーザープリンター出力本 カラー印刷 全67ページ。


■ 内容
85年と言う早い段階でゲームブック市場に参入したものの、話題にもならず、ゲームブックのブーム絶頂期の86年の春には、誰からも惜しまれずにあっさりと撤退した、桐原書店の怪作の数々をあまねく網羅。
世に出した作品のジャンルはエスパー、魔術、ニンジャ、SFで大半が占められているというゲームブック界の特異点
「スーパー頭脳集団アイデアファクトリー」なる謎の結社より放たれた、オカルティックな珍書・奇書の数々が今ここに明らかにされる。

 

オールアバウトゲームブックとは?

 「ALL ABOUT GAMEBOOK」(オールアバウトゲームブック)シリーズは、中古のゲーム書籍やTRPGを扱うオンラインショップ「トレーダーズ・ギルド」のオリジナル商品の書籍で、1980年代に数年だけ大ブームとなったゲームブックのカタログ本です。

 内容は、まず対象の出版社がブーム当時どういう会社だったかという概要から入り、その会社のゲームブックの傾向を分析して、どのような方針で当時のブームに対応したかを記述。さらにブランドが有れば、そのブランド毎にも傾向を説明、そして最終的にブーム時やブームが去った後にどのように対応したか、そして現在会社がどうなったか、という事を説明しています。

 ここまででも十分な読みごたえが有りますが、その後が本番で、個々の作品毎に、タイトル・作者・発売日などの基本情報から入り、さらに内容紹介・評価・備考などこれでもかと詰め込んでいます。原作付きの作品の場合には、その原作についても十分に触れられているので、もう「至り尽くせり」としか言いようが有りません。
 

本巻の内容

 初版:2017年6月16日。桐原書店の発売した全17作品のカタログ。

 同社が発売した「エキサイティング・ゲームブック」の内容を網羅しています。


●会社概要

 桐原書店は元々辞典や参考書など教育関連の書籍を扱う会社だったが、1980年代のゲームブックブームの時にすぐさま参入。日本人オリジナル作品で勝負したが、全く話題にもならないまま一年も経たずに撤退した。その後、会社が傾いてピアソン社の子会社になったものの、その後再独立を果たし、未だに健在。


●特徴

 作者は全て「スーパー頭脳集団アイデアファクトリー」なるグループによるもので、個人的な作者名は不明。内容は、SF、オカルト、忍者、カンフー、など、当時の主流の「剣と魔法系ファンタジー」は一切無し。

 さらにSFと言っても「ローマ皇帝ネロが復活して暗黒霊を信奉する悪の帝国を打ち立てようとしているので、銀河霊に選ばれた主人公が光の子となってその野望を打ち砕くために立ち上がる」的な、これに興味を持てる人がいるのか的な内容の作品ばかりであった。

感想

 桐原書店ゲームブックは発売当時全く知らなかったのですが、近年ネットで内容紹介をしているものを読んでみても「……、こいつぁまともじゃない……」というのが一目でわかる作品ばかりでした。

 この「オールアバウト~」シリーズを全巻揃えるという義務感からこの巻も購入しましたが、こんな強烈な作品群のレビューを17冊分やり切ったトレイダーズギルドの中の人には「お疲れさま」としか言いようが有りません……
 
 

他の巻の内容・感想は以下のリンクからどうぞ

「オールアバウトゲームブック」シリーズまとめページ

perry-r.hatenablog.com


暗殺ゲーム (1985年) (エキサイティング・ゲームブック)