【SF小説】感想「災難ナンバー3」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 579巻)(2018年10月18日発売)

災難ナンバー3 (宇宙英雄ローダン・シリーズ579)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122016
災難ナンバー3 (宇宙英雄ローダン・シリーズ579) (日本語) 文庫 2018/10/18
H・G・フランシス (著), マリアンネ・シドウ (著), 増田 久美子 (翻訳)
文庫: 271ページ
出版社: 早川書房 (2018/10/18)
発売日: 2018/10/18

【※以下ネタバレ】
 

ローダンは、アルマダ反乱軍のリーダーであるローランドレのナコールと共闘し、アルマダ工兵の横暴に立ち向かうことになるが……


遠い昔、オルドバンの一方的強制に反発するアルマダ種族のメンバーが集まり、アルマダ反乱軍を結成した。それをひきいるのは赤いひとつ目を持つローランドレのナコール、通称“アルマダ王子"である。オルドバンが沈黙しているいま、アルマダ反乱軍の敵は銀色人すなわちアルマダ工兵だ。ナコールと反乱軍メンバーは銀色人の本拠地であるアルマダ工廠“モゴドン"に侵入し、攻撃を開始。そこへ《バジス》も近づいてきた!

 

あらすじ

◇1157話 アルマダ反乱軍(H・G・フランシス)(訳者:増田 久美子)

 アルマダ工廠「モゴドン」内では、アルマダ反乱軍がアルマダ工兵の反撃で窮地に陥っていたが、そこに現れたローダンたちが反乱軍を救出し《バジス》に収容した。ローダンとナコールは、共通の敵アルマダ工兵と戦うための同盟を結ぶ。ナコールはローダンたちを、自分の故郷でアルマダ中枢/アルマダ第一部隊である「ローランドレ」に案内するという。一方、エリック・ウェイデンバーンはモゴドン近くの宇宙船で行方不明だった仲間10万人と再会するが、そのままアルマダ工兵に連れていかれてしまう。(時期:不明。NGZ427年のいつか)

※初出キーワード=なし



◇1158話 災難ナンバー3(マリアンネ・シドウ)(訳者:増田 久美子)

 数百万年前。「ウクス=フェルドII銀河」の種族「バルシネ」は、自分たちの宗教を全宇宙に広めるため「布教船」を何隻も送り出した。しかし、やがてほとんどの船は銀河間の虚空に乗員の精神が耐えられず、母星に引き返してしまう。唯一別銀河にたどり着いた布教船も、すぐに宇宙嵐で損傷し、やはり帰還を決定した。その際に不要な荷物を捨てることになり、布教用装置「告知者」を近くの惑星に降ろすが、その中には、船内で飼われていた小動物「ヒール」の雌が一匹入れられていた。ヒールの名前は「災難ナンバー3」、バルシネの発音では「セト=アポフィス」だった。(時期:数百万年前)

※初出キーワード=バルシネ種族、ウクス=フェルドII銀河、惑星フェルデルクセン、ヒール、布教船、告知者、セタ=ポフ・イス


あとがきにかえて

・東京ドイツ文化センター内でヴーチャルリアリティ体験をした話
・早川からローダンTシャツが発売されている話


感想

 前半エピソード … アルマダ工廠モゴドン内の戦闘の話。アルマダ王子ナコールは、常に成功を収めてきた無敗の男という設定ですが、今回は簡単にアルマダ工兵の罠にはまって、挙句にすぐに自決まで覚悟するなど、今一つ評判と実態が一致しておらず違和感あり。今後挽回してくれるのでしょうか。


 後半エピソード … 超越知性体セト=アポフィス誕生秘話の第一回目。作者のシドウは一回限りの使い捨て話に妙に凝った設定を盛り込む作風ですが、今回はそれがプラスの方向に作用しており、一回しか出てこないだろうバルシネ種族の設定やその社会、布教の旅とその結末、などがみっちり書き込まれていて実に面白かったです。
 
 
 

550巻~600巻(「無限アルマダ」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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