【SF小説】感想「プシ・ショック」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 599巻)(2019年8月20日発売)

プシ・ショック (宇宙英雄ローダン・シリーズ599)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122423
プシ・ショック (宇宙英雄ローダン・シリーズ599) (日本語) 文庫 2019/8/20
H・G・エーヴェルス (著), 嶋田 洋一 (翻訳)
文庫: 255ページ
出版社: 早川書房 (2019/8/20)
発売日: 2019/8/20

【※以下ネタバレ】
 

アルマダ中枢へと新オルドバンが運ばれていく。その集合意識内部ではウェイデンバーンが一人自意識をたもち、反乱を図っていた!


アルマダ工兵によるプラズマ生物“新オルドバン"のローランドレへの輸送は着々と進んでいた。ところが、その途中で突然、輸送コンテナにとりつけられたグーン・ブロックが離脱し、新オルドバンはどこかに姿を消してしまう。これを銀河系船団のテラナーたちのせいだと考えたアルマダ工兵パルウォンドフは、ローランドレをめぐる最終決戦にのぞむべく、おそるべきパラノーマル精神エネルギー、ウェトネスを投入した……!?

 

あらすじ

◇1197話 プシ・ショック(H・G・エーヴェルス)(訳者:嶋田 洋一)

 M-82銀河。アルマダ工兵はローランドレに「新オルドバン」を搬入し、全体の掌握を進めていた。さらにローランドレ全域に精神波ショック「プシ・ショック」を発し、ローランドレ偵察隊のメンバー8名を洗脳し、自分たちのところに出頭させることに成功した。さらにアルマダ工兵はローダンをおびき寄せるため、捕虜たちを使って偽のメッセージを作成し《バジス》に送りつけた。ローダンは、罠と知りつつもローランドレに向かう事を決意した。(時期:NGZ427年5月27日~28日)

※初出キーワード=プシ・ショック、ウールス人、サルラサー、ウグリス



◇1198話 夢時間(H・G・エーヴェルス)(訳者:嶋田 洋一)

 ローダンはナコールと共にローランドレに向かい、アルマダ工兵の罠をかいくぐってローランドレ潜入に成功した。一方、新オルドバンの一部と化していたエリック・ウェイデンバーンは、自我を取り戻しアルマダ工兵に反抗するものの、結局殺されてしまった。(時期:不明。NGZ427年5月頃)

※初出キーワード=ズリン人、ゲヴァネド人


あとがきにかえて

 スポーツ吹き矢で初段になった話。


感想

 前半エピソード … アルマダ工兵がローランドレを掌握しようと苦労する話。アルマダ工兵たちは、敵でありながら、やたらとトラブルに遭遇して、それをなんとか克服していく展開ばかりで、あまり戦っている相手のように思えません。まあ実際、ローダンたちはアルマダ工兵とは権力掌握レースをしているだけで、実際に戦う場面は全然ない訳ですけど。

 驚いたのは、P75でしれっと「クリフトン・キャラモンが死んだ」と書いてあったこと。1191話「ヒールンクスのプラネタリウム」で危機に陥った描写はありましたが、あのまま死んだとは思わなかった。元々シェールの持ちキャラで、シェールがまた執筆チームから離脱したので不要になったという事でしょうか。それにしても、それなりの活躍をしたキャラクターのラストがあれとはひどい。

 P119で、アトランが自分がそもそも捕虜のくせに、アルマダ工兵に向かって「13日間で捕虜八人しか見つけられないとは。おまけにその中にローダンはいないし」と煽りまくるシーンはちょっと笑いました。


 後半エピソード … 基本的にはローダンとナコールがローランドレに入りました、で終わりで、あとはプラズマと化したエリック・ウェイデンバーンが頑張るものの結局殺されてしまう話。結局ウェイデンバーンたちの求めた「スタック」とは何だったのかちっともわかりませんでしたが、今後答えは提示されるのでしょうか? 多分されない気がする……
 
 
 

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