【SF小説】感想「超越知性体の最後のゲーム」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 581巻)(2018年11月20日発売)

超越知性体の最後のゲーム (宇宙英雄ローダン・シリーズ581)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122059
超越知性体の最後のゲーム (宇宙英雄ローダン・シリーズ581) (日本語) 文庫 2018/11/20
クルト・マール (著), H・G・エーヴェルス (著), 渡辺 広佐 (翻訳)
文庫: 271ページ
出版社: 早川書房 (2018/11/20)
発売日: 2018/11/20

【※以下ネタバレ】
 

銀河系船団を支配したセト=アポフィスは、ローダンとローランドレのナコールを自らの惑星へ呼び寄せ、奴隷にしようとしていた!


無限アルマダの重要拠点ローランドレをめざしていた銀河系船団は、超越知性体セト=アポフィスの奸計にはまり、その居所である惑星アイテランへ連行されることになった。超越知性体の工作員にされてしまった《バジス》船長ウェイロン・ジャヴィアに先導されて、ペリー・ローダンとローランドレのナコール、別名アルマダ王子がアイテランに降りる。セト=アポフィスは、ペリー・ローダンを奴隷にするつもりらしいのだが……

 

あらすじ

◇1161話 超越知性体の最後のゲーム(クルト・マール)(訳者:渡辺 広佐)

 ローダンとナコールは惑星アイテランに連行され、セト=アポフィスはローダンを奴隷にするため拷問を行うが、やがて無限アルマダと補助種族の戦いが激化し、ローダンを相手にする余裕が無くなる。直後、ローダンの前に「シムシン」と名乗る存在が現れ、セト=アポフィスへの復讐への協力を求めて来る。

 シムシンは数百万年前、セト=アポフィスに脅迫され、人工の肉体の提供や“告知者”の改造を強いられた生物で、自身は既に死んでいたが、“告知者”内部に自分の記憶を託したコンピュータを隠していた。ローダンたちはシムシンの指示で“告知者”の改造部分を元に戻し、その結果、セト=アポフィスは全ての力を失い、最終的に「ヒール」の段階にまで退行した末に姿を消した。最後にシムシンは“告知者”の機能を停止させた。(時期:不明。NGZ427年3月頃)

※初出キーワード=なし



◇1162話 テラをめぐる戦い(H・G・エーヴェルス)(訳者:渡辺 広佐)

 地球をヴィシュナの第四の災い「クセノフォーミング」が襲い、地球上の全ての植物が遺伝子操作により殺人植物「クセノフローラ(異植物相)」に変化して人類を攻撃してきた。さらに動物も「クセノファウナ(異動物相)」へと変化してしまう。人類は植物の猛攻に追い詰められるが、ブルたちは植物種族「クセノス」と意思疎通に成功し、彼らが旅の途中でグレイの回廊に引き込まれ地球に漂着したことや、人類を植物を害する知性の無い生物と誤解していたことを知る。クセノスは謝罪のため地球環境を復旧して死滅した。(時期:不明。NGZ427年3月頃)

※初出キーワード=クセノフローラ(異植物相)、クセノファウナ(異動物相)、クセノフォーミング、クセノス(種族名)


あとがきにかえて

 渡辺氏の母親がケアハウスに入った話。


感想

 前半エピソード … 超越知性体セト=アポフィス編の最終話。複数の銀河を支配する神のごとき存在が、機械のスイッチを切られただけで、あっという間に力を失い、ただの害獣に戻ってしまう、という、ある意味衝撃の結末でした。こんなラストで良いのか、という気もしますが「地道に進化したのではなく、機械の力で強引に力を付けた者の自業自得的末路」という意味を込めているのかもしれません。緊急時のバックアップ装置とかを用意していなかった迂闊なセト=アポフィスは、所詮はただのケダモノに過ぎなかったという事か? ところでヒールからアンドロイドの肉体に精神を移し替えるとき、ヒールの脳天に大穴を開けたはずなのですが……?

 ローダンの側にアトランもタウレクも不在の状況で、第三の男ナコールが良い感じの相方を務めていて、P50とかP69でローダンに軽口をたたくシーンなど、良い味を出していました。



 後半エピソード … 舞台は再びグレイの回廊内の地球。今回のエピソードは未知ウイルスの影響で地上の植物が全て殺人植物化して人類に襲い掛かって来る、という、SFパニック物として実に面白かったのですが、「これがペリー・ローダンのエピソードなのか……?」という違和感が物凄く、第三勢力の時代から本当に遠くに来てしまった、としみじみさせられました。

 この危機的展開をどう切り抜けるのか、と固唾を飲んで見守っていたら、決着の付け方はかなり雑で、ガルがなんとなく植物の球根を食べてみたら、相手とコンタクトできました、という展開はちょっと……、あと、レギュラー化すると思っていたシガ星人デジタリス・アウラがあっさり死亡退場したのにはガッカリでしたねぇ。レミー・デンジャーみたいなレギュラーキャラになってくれれば嬉しかったのに。
 
 

550巻~600巻(「無限アルマダ」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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