【SF小説】感想「ムリルの武器商人」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 598巻)(2019年8月6日発売)


ムリルの武器商人 (宇宙英雄ローダン・シリーズ598)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122415
ムリルの武器商人 (宇宙英雄ローダン・シリーズ598) (日本語) 文庫 2019/8/6
H・G・フランシス (著), 増田 久美子 (翻訳)
文庫: 288ページ
出版社: 早川書房 (2019/8/6)
発売日: 2019/8/6

【※以下ネタバレ】
 

レジナルド・ブルは、クロノフォシルの一つであるという、アンドロ・アルファへと向かう。そこでは全面戦争が始まろうとしていた


無限アルマダの通過に向けて銀河系に航路を開く役目をはたす炎の標識灯が、フェルト星系の惑星ガタスに近づいた。ところが、ガタスでは時間エレメントの攻撃によって時間軸が狂ってしまう。エレメントの十戒が炎の標識灯を消そうとしているのだ。コスモクラートのタウレクとヴィシュナ、レジナルド・ブルが惑星防衛の準備をするなか、炎の標識灯に変化が起きる。なんと炎はかつての姿、惑星ゴルゲンゴルにもどっていた!

 

あらすじ

◇1195話 危機の源アンドロ・ベータ(H・G・フランシス)(訳者:増田 久美子)

 エレメントの十戒は、アンドロ・ベータでも暗躍を開始し、マークスとテフローダーの両種族を対立させ、戦争を引き起こそうと企んでいた。その目的は、マークスにテフローダーを蹂躙させ、その状況をローダンに目撃させ精神にダメージを与える事だった。十戒はテフローダーの有力者を集めて武器供給を約束し、さらに支援のため島の王ミロナ・テティンとプロフト・メイヘトのデュプロを作成した。一方、ブルたちはアンドロ・ベータの状況を知り、戦争を回避するための介入を開始した。(時期:不明。NGZ427年9月頃)

※初出キーワード=なし



◇1196話 ムリルの武器商人(H・G・フランシス)(訳者:増田 久美子)

 ブルたちはマークスとテフローダーの戦争突入を回避するため、テフローダー有力者が向かった「ムリルの武器商人」の宇宙船を目指した。一方、ムリルの武器商人こと十戒の宇宙船内では、テフローダーたちが十戒に反乱を起こし、船内の仮面・技術エレメントたちは壊滅した。そして到着したタウレクのもたらした平和オーラでマークスとテフローダーは和解した。(時期:不明。NGZ427年9月頃)

※初出キーワード=なし


あとがきにかえて

 改元・退位ネタに影響されて出雲に旅行した話。


感想

 前半エピソード … 異様に読みにくいエピソード。冒頭の謎の人物の一人称の導入部から、この語り手が何者か分からないのでイライラさせられたうえに、ガタスでの時間歪曲攻撃で標識灯が惑星に戻るが結局また炎に戻る、という腰砕けの中盤、謎の語り手ケリー・ボーが突然エアロックから飛び出して謎の生物と合体しておしまい、という意味不明の結末まで、もうごちゃごちゃし過ぎというか、まともに構成を考えているとは思えないような読み辛さでした。

 まあ、島の王ファクターIミロナ・テティンと、ファクターIIIプロフト・メイヘトが突然蘇るという仰天展開はちょっと面白くはありましたが、マルチデュプリケーターを十戒が作ったとかいうご都合設定、島の王の原型をどうやって現在に持ってきたのかという疑問、等、本当に適当に書きなぐっただけという感じのエピソードでありました。



 後半エピソード … 結局、十戒(仮面&技術エレメント)にテフローダーが反乱を起こして十戒が自滅し、ブル・タウレク・ヴィシュナは事実上何もせずに棚ぼた式に事態を収拾した、というとんでもない展開のエピソード。仮面エレメントのリーダー・オクレメクが、けだものの時間エレメントの群れに襲われて死亡するシーンなどもはや苦笑物でした。まあ戦争が回避できて何よりでしたけど。
 
 

550巻~600巻(「無限アルマダ」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 

2020年の読書の感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com