【SF小説】感想「惑星チョルト奪還作戦」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 616巻)(2020年5月9日発売)

惑星チョルト奪還作戦 (宇宙英雄ローダン・シリーズ616)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122814
惑星チョルト奪還作戦 (宇宙英雄ローダン・シリーズ616) (日本語) 文庫 2020/5/9
トーマス・ツィーグラー (著), クルト・マール (著), 嶋田 洋一 (翻訳)
文庫: 255ページ
出版社: 早川書房 (2020/5/9)
発売日: 2020/5/9

【※以下ネタバレ】
 

惑星チョルトの冷気生物は、ブルー族の惑星ガタスを攻撃しようとしている。ローダンは冷気生物のリーダーとコンタクトをとるが!?


星間通廊に物質化した莫大な質量は、かつて冷気エレメントに襲われマイナス宇宙に落下した惑星チョルトと多数の宇宙船だった。無限アルマダの惑星ガタス到着を阻止して次のクロノフォシルを活性化させないための十戒の作戦だ。サイコフロストの影響で冷気生物となったチョルトの住民たちは、艦隊を組んでガタス攻撃を宣言する。不安をあおられたブルー族は迎撃を計画。ローダンはなんとか双方を説得しようとするのだが!?

 

あらすじ

◇1231話 炎熱バリア作戦(トーマス・ツィーグラー)(訳者:嶋田 洋一)

 ローダンはブルー族と冷気生物の衝突を食い止めようとするものの成果は無く、ついに惑星ガタス近傍に冷気生物艦隊の第一陣が出現した。ブルー族は核爆弾の弾幕による「炎熱バリア作戦」を実施し、冷気生物を迎撃した。その間にタウレクたちは冷気生物のリーダー・トルムセン・ヴァリーを誘拐して説得し、冷気生物を銀河間空間に誘導しようとする。ところが冷気生物にエレメントの十戒が介入し、彼らの新しい指導者になってしまった。(時期:不明:NGZ428年7月中旬頃)

※初出キーワード=なし



◇1232話 惑星チョルト奪還作戦(クルト・マール)(訳者:嶋田 洋一)

 エレメントの支配者は、十戒の仮面・空間・超越・戦争・精神エレメントを惑星チョルトに送り込んで冷気生物化させたあと、仮面エレメントを誘拐されたトルムセン・ヴァリーに変身させ、偽ヴァリーは惑星ガタスへの攻撃を継続させた。本物のヴァリーは自分の偽物と対峙するため、エルンスト・エラートと共に惑星チョルトに潜入した。惑星ガタスは冷気艦隊に包囲され、カッツェッンカットは全面降伏を迫った。(時期:NGZ428年8月中旬~)

※初出キーワード=なし


あとがきにかえて

 今年(2020年)の新型コロナ・ウィルスの蔓延のせいで、吹き矢大会・ドイツ語や英語勉強会などが全て中止になってしまったという話。


感想

 前半エピソード … 冷気生物編。ツィーグラーのオリジナルキャラのクローン・メイセンハートがタウレク&ヴィシュナと共に大活躍。また、《キッシュ》の取材チームが報道の自由を振りかざしてタウレクにくだらない質問をしてみたり、ボスピがローダンをかつらを盗んだ犯人だと糾弾したり、と、細かいお笑い部分が妙に面白かったです(笑)


 後半エピソード … ローダン自ら惑星ガタスに乗り込んだり、エラートと共にチョルトに戻ったヴァリーがアジ演説をしたり、ワリンジャーたちが久しぶりに登場した「セルフィル=ファタロ装置」で平行宇宙に物質を送り込む物騒な実験をしたり、と、複数のイベントが並行して進んだものの、締めがないまま『次回に続く』的な中途半端な終わり方になってしまい、やや不満。
 
 
 

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