【SF小説】感想「アストラル漁師」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 607巻)(2019年12月19日発売)

アストラル漁師 (宇宙英雄ローダン・シリーズ607)

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アストラル漁師 (宇宙英雄ローダン・シリーズ607) (日本語) 文庫 2019/12/19
H・G・エーヴェルス (編集), 嶋田 洋一 (翻訳)
文庫: 255ページ
出版社: 早川書房 (2019/12/19)
発売日: 2019/12/19

【※以下ネタバレ】
 

囚われの身のハンザ・スペシャリスト、ダヴは、技術エレメントによりかれのクローンのスーパー戦士軍団を作られようとしていた!


オクストーン人のハンザ・スペシャリスト、スタリオン・ダヴは、二百の太陽の星でエレメントの十戒のマシンであるペド転送機を見つけ、それを破壊しようとした。ところが、気がつくと十戒の“孵化基地"に転送されていた。基地の指揮官1=1=ヘルムがダヴの高い身体能力に目をつけ、新たなエレメントの素材にしようと考えたらしい。その過程でダヴは何度も苛酷な戦いを強いられることになり、しだいに消耗していくが!?

 

あらすじ

◇1213話 アストラル漁師(H・G・エーヴェルス)(訳者:嶋田 洋一)

 オクストーン人のハンザ・スペシャリストのスタリオン・ダヴは、エレメントの十戒が二百の太陽の星を制圧した際、十戒の「孵化基地」へと転送されてしまう。十戒はダヴをひな型にしたクローン兵士を兵器化するため、ダヴにクローンとの戦闘テストを強いる。一方、テラナーの「アストラル漁師」ギフィ・マローダーも、偶然から十戒の「増強基地」に捕らわれてしまう。その後、ダヴとギフィ・マローダーは不可思議ななりゆきで意思疎通に成功した。(時期:NGZ427年9月~428年2月10日)

※初出キーワード=アストラル漁師、宇宙巨人、ゼロ時間スフィア



◇1214話 宇宙巨人の覚醒(H・G・エーヴェルス)(訳者:嶋田 洋一)

 ギフィ・マローダーは、夢の形で、太古にコスモクラートに仕える組織「カタラク」が宇宙に生命を散布中、三個の物質雲に生命と知性を与えてしまい、「宇宙巨人」を誕生させた経緯を知る。そして現在、宇宙巨人は十戒に利用され、彼らの上位意識の中に十戒の三つの基地が隠されていた。

 タウレクたちは、仮面エレメントから入手したペド転送機で孵化基地に侵入し、スタリオン・ダヴやギフィ・マローダーたちと合流した。ポスビの中央プラズマは孵化基地に捕らわれており、中央プラズマは宇宙巨人を目覚めさせることに成功した。タウレクたちは《バジス》で出会った「ティリク」が、実はエレメントの支配者だった事を知り《バジス》に戻るが、《バジス》乗員は十戒に精神支配されていた。(時期:NGZ428年3月12日とその前後)

※初出キーワード=カタラク


あとがきにかえて

 ローカルSFコンベンション「ガタコン」に参加した話。


感想

 前半エピソード … いきなり、銀河系から二十億光年離れた宇宙で漁をする「アストラル漁師」という謎の設定が出てきて困惑しきり。五次元構造体を釣り上げる云々とか、もう謎過ぎて、「ローダン・シリーズも昔とは随分変わってしまった……」と嘆息してしまいました。まあオクストーン人とオクリルのコンビの誕生は、島の王たちサイクルのオマール・ホーク&シャーロックの事を思い出してめっぽう懐かしかったけど。


 後半エピソード … 内容がやたら多く、コスモクラートに仕えた組織カタラク、宇宙巨人、そのUBSEF定数(魂みたいな物……?)の中に浮かぶ十戒の三大基地、コスモクラート&ミュータント&エラートの大冒険、宇宙巨人覚醒、《バジス》が十戒に屈した結末、など、山盛りで消化するのに苦労しました。今後ダヴとギフィ・マローダーが重要キャラになりそうですが、唐突に現れたキャラが話の展開の鍵を握るとか、ちょっと納得しがたい物が……
 
 

600巻~650巻(「クロノフォシル」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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