【SF小説】感想「オクストーン人と提督」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 611巻)(2020年2月20日発売)

オクストーン人と提督 (宇宙英雄ローダン・シリーズ611)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122695
オクストーン人と提督 (宇宙英雄ローダン・シリーズ611) (日本語) 文庫 2020/2/20
H・G・エーヴェルス (著), アルント・エルマー (著), 赤根 洋子 (翻訳)
文庫: 271ページ
出版社: 早川書房 (2020/2/20)
発売日: 2020/2/20

【※以下ネタバレ】
 

スタリオン・ダヴが向かった十戒の増強基地では、パンケーキ形のからだのシク提督が時間凍結者のレジスタンス軍を指揮していた!


オクストーン人のスタリオン・ダヴは、七強者の同盟の先駆的組織“カタラク"のメンバーであるシヴァウクとナウヴォアクを救いだしたのち、伝言を受けた。ガズビルダー種族の提督ノルモルケン・シクが十戒への反乱軍を組織し、救援をもとめているという。シクはカッツェンカットに捕まり、増強基地にあるゼロ時間スフィア内に拘束されていたが、コスモクラートが置いていった“原シフ"というロボットに救出されていた!

 

あらすじ

◇1221話 オクストーン人と提督(H・G・エーヴェルス)(訳者:赤根 洋子)

 十戒の増強基地内では、タウレクたちが密かに置いて行ったロボット「原シフ」が、捕虜となっていた「時間凍結者」たちを解放し、ガズビルダー種族の提督ノルモルケン・シクを中心に戦闘を開始していた。そこにスタリオン・ダヴたちが合流し、ついに三体の宇宙巨人は覚醒した。エレメントの支配者は三大基地の一つ・貯蔵基地を銀河系辺境の恒星アウトサイドの近くに出現させるが、他の二基地は失ってしまう。ダヴは孵化基地の中に捕らわれていたプラズマを惑星ランドIに送り込んで憎悪プラズマを消滅させ、ローダンたちを解放した。(時期:不明。NGZ428年3月頃?)

※初出キーワード=冷たい群れ、時の子供、思索者



◇1222話 クロノフォシル(アルント・エルマー)(訳者:赤根 洋子)

 時間凍結者たちが掌握した増強基地は、宇宙巨人の力で二百の太陽の星の近くに出現した。ダヴたちは惑星ランドIのプラズマを二百の太陽の星へと転送し、十戒はそれを阻止しようとするものの失敗し、二百の太陽の星を放棄して撤退した。そのあと到着したローダンによってクロノフォシルは活性化され、ポスビたちは感情を持つロボットへと進化した。時間凍結者たちは増強基地に乗ってそれぞれの故郷を目指すことになり、ダヴもその旅に同行することを決めた。(時期:NGZ428年5月頃)

※初出キーワード=なし


あとがきにかえて

 また猫を飼い始めた話。


感想

 前半エピソード … ごっちゃごちゃしてひどく読み辛いエピソード。宇宙巨人とか時の子供とか作者は解っているけど読者に伝わって無い的な設定が多すぎて、読んでいて辛かった……、しかもダヴを大活躍させるあまり、重要なローダンたちの解放辺りの描写はやっつけというかだったし……

 ところでP91で、シリホン種族の「33=アチャ=11」が死ぬ間際に「パシャ・バサロク」と言い残した、という描写があります。この単語、実はカピンサイクル(200~250巻)に登場していた「パトゥリ・ロコシャン」というキャラの別名ですが、何故いきなりここで……、パトゥリ・ロコシャンはエーヴェルスが創造したオリジナルキャラの一人ですが、何の意味があるのか……、今後ダヴが帰って来る事も無かろうからストーリー的に意味無さそうだし……


 後半エピソード … なし崩しに十戒が敗北して二百の太陽の星を追い出され、クロノフォシルに戻った二百の太陽の星を活性化してめでたしめでたし、というかなり強引な感じのエピソード。今まで十戒の基地内で暴れまわったスタリオン・ダヴが時間凍結者と共に行ってしまう、という結末は軽く驚かされました。今後重要なキャラになるのかと思っていたのに。
 
 劇中の日付をいつも確認しているのですが、1214話でダヴたちが十戒の基地で暴れまわったのがNGZ428年3月12日頃。そして1222話では「ダヴが二百の太陽の星を離れてから九か月半」とあり(1194話:NGZ427年9月初頭)、その記述からして大体NGZ428年5月半ばということになります。前の話から二か月半も経過したというのはおかしいのでは……、
 
 

600巻~650巻(「クロノフォシル」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 

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