【映画】感想:映画「ハリーの災難」(1955年:アメリカ)

ハリーの災難 [Blu-ray]

NHK BSシネマ http://www.nhk.or.jp/bscinema/
放送 NHK BSプレミアム。2020年7月1日(水)

【※以下ネタバレ】
 

巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が、森の中で発見されたある死体を巡って起こる騒動を描く奇想天外なスリラー・コメディー。シャーリー・マクレーンの映画デビュー作。


巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が、美しい紅葉の森を舞台に描く、死体を巡るスリラー・コメディー。バーモント州の森で、ハリーという男の死体が発見される。事件に関わったと思った4人の男女は、それぞれの理由から警察に知らせず、死体をこっそり埋めたり、掘り返したりするが…。ヒッチコック監督ならではのドライでブラックなユーモア、これがデビュー作となったシャーリー・マクレーンの軽妙な演技が光る。

 

あらすじ

 とある田舎の村。森の中で子供(アーニー少年)が仰向けに倒れている男の死体を見つけ、すぐに立ち去る。

 続いて、禁猟区の森で猟をしていたワイルズ船長がやってきて死体を見つけ、自分の銃の流れ弾が当たったのだと思い込む。そして死体のポケットの封筒を調べて、死人が「ハリー・ウォープ」というボストンから来た男だと知る。船長は死体を埋めてなかったことにしようと考える。

 ところがそこに村人ミス・グレイブリーが通りがかるものの、親切にも死体は見なかったことにしてくれると言って立ち去る。続いてアーニーの母親のジェニファー・ロジャーズが息子と共にやってくるが、死体が知人らしいのに、そのまま帰ってしまう。続いて通りがかった医者は死体に躓いたのに気が付きもせず、さらにやって来た流れ者は死体の靴をはぎ取ると自分の物にして行ってしまう。

 その次に、売れない絵描きのサム・マーロウが来て死体のスケッチを始め、船長は埋めるので手伝うように頼み、とりあえずサムは死人の素性を知っているらしいジェニファーのところに行く。ジェニファーによれば、故ハリーは最初の夫の兄で、最初の夫が死んだ後再婚したものの、あまりの変人ぶりに逃げてきたのだという。そして追いかけてきたハリーを殴って追い返したとのことだった。

 とりあえず船長とサムは大穴を掘って死体を埋めるが、船長は自分の弾は当たっていなかったのではと思いつき、死体を掘り返して、死因は銃弾では無い事を確認し、一安心してから、また埋め直す。

 ところが今度はミス・グレイブリーが船長に自分がハリーを殺したと告白する。道を歩いていたら、いきなりハリーが襲い掛かって来たので靴で殴り倒したという。ミス・グレイブスリーは正当防衛だから警察に説明すると言って、森に行ってハリーの死体を再び掘り出す。

 そして船長とミス・グレイブリーは、サムとジェニファーのところに行き、事情を説明する。ジェニファーはハリーは自分に殴られてフラフラになり、混乱してミス・グレイブリーを襲ったのだろうと推測する。サムは事が公になるとマスコミが押しかけて来ると説得して、四人でまた森に行き、ハリーの死体をまたまた埋める。

 四人が村に戻ると、大金持ちがサムの絵を見て天才だと言い、言い値でいくらでも買うと大騒ぎになっていた。サムはジェニファーに結婚を申し込み、ジェニファーも前向きだった。ところがそこに保安官代理のカルビンが現れ、流れ者を捕まえたら死体からはぎ取った靴を持っていたという。さらにカルビンはサムが描いていた死体の顔のスケッチを見つける。

 ジェニファーの家に四人が集まり、ジェニファーは前の夫のハリーが死体が見つからなければサムと結婚できないという話になる。四人は死体をまたまたまた掘り起こしたところ、医者が通りかかったので、後から検死に来てほしいと頼む。

 四人がジェニファーの家に戻ると、カルビンがやってきてスケッチを取り出し、サムに死体を知っているだろうと凄む。サムは上手く誤魔化し、その間に船長はカルビンの車からハリーの靴を持って帰る。そこに医者が来るが、死体を調べると心臓発作の自然死だったと判明する。

 翌朝。四人は死体をまた前日と同じところに置いておくと、アーニーが通りかかってまた死体を発見し、母親に知らせに行った。四人はそれを見てニッコリしておしまい。

感想

 評価は○。

 ヒッチコック作品というと、見ていて手に嫌な汗がにじんでくるハラハラサスペンスばかりというイメージですが、この作品は全くノリが違い、ただのコントでした。人が一人死んでいるのに、みんな「埋めときゃ良いだろ?」的に済まそうとするナンセンスコントみたいなものでしたが、これはこれで面白かったですな。
 
 

ハリーの災難
[BSプレミアム]2020年7月1日(水) 午後1:00~午後2:40(100分)


【監督】
アルフレッド・ヒッチコック
【原作】
ジャック・トレバー・ストーリー
【脚本】
ジョン・マイケル・ヘイズ
【撮影】
ロバート・バークス
【音楽】
バーナード・ハーマン
【出演】
エドモンド・グウェン、ジョン・フォーサイスシャーリー・マクレーン ほか


製作国:
アメリ
製作年:
1955
原題:
THE TROUBLE WITH HARRY
備考:
英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ

 
 

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