【映画】感想:映画「暗くなるまで待って」(1967年:アメリカ)

暗くなるまで待って [DVD]

NHK BSシネマ http://www.nhk.or.jp/bscinema/
放送 NHK BSプレミアム。2021年8月25日(水)

【※以下ネタバレ】
 

主演オードリー・ヘプバーン。アパートの一室を舞台に、目の不自由な女性に突然降りかかった恐怖を描く傑作サスペンス。監督は「007」シリーズのテレンス・ヤング


オードリー・ヘプバーン主演。閉ざされたアパートの部屋で繰り広げられる傑作サスペンス。空港で謎の女性から人形を預かったサムは、目の不自由な妻スージーの待つアパートに持ち帰る。ところが人形には麻薬が隠されており、サムの留守中、人形を狙う3人の男が、たった一人のスージーのもとへやってくる…。「ダイヤルMを廻せ!」のフレデリック・ノットの舞台劇を映画化したのは「007」シリーズのテレンス・ヤング

 

あらすじ

 カナダでリサという女が人形の中に麻薬を隠して飛行機に持ち込み、そのまま無事ケネディ国際空港に到着する。しかしリサは空港である男がいるのを見つけ、持っていた人形を、飛行機で知り合ったばかりの男性に渡す。


 マイクとカリーノの二人組が、リサのメッセージで、あるアパートにやって来るが、リサは見当たらず不審がる。直後、正体不明のハリー・ロートという男がやって来るが、ロートはマイクとカリーノがリサと三人で美人局などをしていたことを知っており、二人を雇いたいと言う。

 ロートはリサが麻薬を隠した人形をこの部屋の持ち主サム・ヘンドリクスに渡したものの、人形が見つからないので探してほしいという。マイクとカリーノはリサの死体を発見し、ロートが殺したと確信するが、部屋に多数の指紋を残してしまっていたのでロートに逆らえず、言う事を聞くしか無かった。


 翌日。サムは目が不自由な妻スージーを残して仕事に出かける。それを見計らって、マイク、カリーノ、ロートは次々とスージーを訪問し、警官たちのふりをして、サムがとある人妻と浮気をしていたが、その相手が先日死体となって発見され、サムは浮気相手から人形を預かっているはず、という芝居を演じる。スージーはその話を信じて人形を探すが、アパートのどこにも見つからない。

 実は人形はアパート上階に住む少女グロリアが勝手に持ち出していたのだった。スージーはとりあえず人形を取り戻すものの、グロリアによってマイク、カリーノ、ロートがグルになって彼女を騙していることに気が付く。

 スージーはマイクたちに、人形は数ブロック先のサムの仕事場に置いてあるのを思い出したと嘘を教え、その間に警察を呼ぼうとするが、電話線は切断され、ドアも外からロックされていて、脱出もできなかった。戻って来たカリーノとマイクは、ロートの言いなりになるのが嫌になり、隙を見てロートを殺そうとするが、逆に二人共殺されてしまう。

 ロートは、スージーを脅迫しようやく人形を手に入れるが、スージーが隠し持っていた包丁で腹を刺され瀕死の重傷となり、死に物狂いで部屋をはいずっていくものの結局力尽きて死ぬ。


 最後。パトカーに乗った警官、サム、グロリアがアパートに駆け付け、マイクとロートの死体、そしてなんとか生き延びたスージーを発見する。サムはスージーとひしと抱き合う。<完>


感想

 評価は○(まあまあ)。

 舞台劇を元に作られた映画とのことで、事実上アパートの一室だけで話が展開するサスペンス。小粒ではあるものの、緊迫度はまずまずの作品でした。

 詳しいあらすじを知るまでは、この映画、てっきりロマンチックコメディーだと思っていました(笑) タイトルが似たようなノリである「お熱いのがお好き」辺りと混同していた模様(笑) まあ原題が「WAIT UNTIL DARK」なので「暗くなるまで~」でも間違いではないのでしょうが、サスペンスにこのタイトルはどうなのか……、直訳でも「暗闇を待て」あたりが適切だと思うし、超訳して「暗黒の恐怖」とか「死を呼ぶ人形」とかなんとか、でも良かったのでは(私感)。


 序盤は、リサが空港に到着した一幕の後、突然全く関係ないマイクとカリーノたちの話に切り替わるので、状況が飲み込めず面食らいましたが、30分を過ぎて、3人がかりでスージーを騙し始める辺りからようやく面白くなりました。というか、ロートが「サングラス男」「老人」「その息子」の三役を、かつらをかぶったり、付け髭を付けたり、で演じわける辺りは、サスペンスというよりコントみたいだなと(笑) この辺りは舞台劇のノリをそのまま持ち込んでいるのでしょうか。

 後半、スージーがグロリアの助けを借りることで、一味の正体に徐々に気が付いていく辺りはなかなかのサスペンスぶりでした。しかしマイクとカリーノの脱落ぶりのあっけなさにはちょっと意表を突かれた。

 終盤、暗闇の中でスージーとロートが死闘を繰り広げる辺りは、現代の映画にも引けを取らない緊迫ぶりでしたね。古さを感じなくて○でした。


 まあ、すんごい名作という程では無かったものの、「ヘプバーンが登場するサスペンス」というのは珍しかったのでそこそこ面白くは見れました。
 

シネマ「暗くなるまで待って」<字幕スーパー><レターボックスサイズ>
[BSプレミアム] 2021年08月25日 午後1:00~午後2:49 (109分)


【製作】
メル・ファーラー
【監督】
テレンス・ヤング
【原作戯曲】
フレデリック・ノット
【脚本】
ロバート・カーリングトン、ジェーン・ハワード・カーリングトン
【撮影】
チャールズ・ラング
【音楽】
ヘンリー・マンシーニ
【出演】
オードリー・ヘプバーンアラン・アーキン、リチャード・クレンナ ほか


製作国:
アメリ
製作年:
1967
原題:
WAIT UNTIL DARK
備考:
英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ

 

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