【SF小説】感想「テレポート・プロジェクト」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 641巻)(2021年5月18日発売)

テレポート・プロジェクト (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-641)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150123268
テレポート・プロジェクト (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-641) 文庫 2021/5/18
アルント・エルマー (著), H・G・エーヴェルス (著), 嶋田 洋一 (翻訳)
出版社 : 早川書房 (2021/5/18)
発売日 : 2021/5/18
文庫 : 272ページ

【※以下ネタバレ】
 

1億1400万人のテレポーターが参加する大規模テレポート実験計画に乗じて、ストーカーはアダムズの偽装誘拐を実行に移すが……。


カルタン人のパラ露奪還を機とする宇宙ハンザとカルタン人の対立は厳しさを増していた。解決のめどがたたぬなか、かねてより準備の進められていたテレポート実験がアルコンIでおこなわれようとしている。惑星全体が舞台の大規模実験に、銀河系の諸種族から実験参加希望者が押しよせ、報道合戦も熱を帯びる。各々の思惑が交差するなか、ストーカーによるティフラーら三人のシャンを巻き込んだ巨大な陰謀が進行していた!

 

あらすじ

◇1281話 テレポート・プロジェクト(アルント・エルマー)(訳者:嶋田 洋一)

 惑星アルコンIでは、エスタルトゥから輸入された個人用のテレポート・システムの大規模実証実験の準備が進められていた。ストーカーはカルタン人達をアルコンIに運び、パラ露問題の解決のため、ホーマー・G・アダムスを誘拐して交渉するようにとそそのかしたが、ストーカーの真の計画は、誘拐後にカルタン人たちを殺し、銀河系種族とカルタン人の戦争を勃発させ、パラ露の採取を阻止するというものだった。しかしカルタン人はストーカーを信用しておらず、アダムス誘拐後、そのまま逃走してしまった。(時期:NGZ430年3月30日とその前後)

※初出キーワード=無し


◇1282話 三角座銀河への跳躍(H・G・エーヴェルス)(訳者:嶋田 洋一)

 カルタン人たちはアダムス誘拐後、故郷の三角座銀河へと向かったが、直後船内にギフィ・マローダーが出現した。マローダーは、自分の正体がカマシュ人トヴァリ・ロコシャンで、記憶を消して故郷から逃げ出したことを思い出した。カルタン人は、宇宙船のエンジンが消耗して故郷までの210万光年を航行できなくなったため、パラ露を爆燃させてエスパーたちの力を強化し、超能力で船を三角座銀河まで遷移させるという無謀な賭けに出た。(時期:不明。NGZ430年3月頃)

※初出キーワード=フェルナク人

あとがきにかえて

・訳語の訂正。テレポートシステムは636巻では「テレポーテーション」としていたが「テレポート」に変更。
慶応義塾大学の英語講師を引退した
・スポーツ吹き矢で三段になった
という話


感想

・前半エピソード 原タイトル:TELEPORT(意訳:テレポート)

 懐かしいアルコンIが舞台の一大パニック話。アルコンIが舞台になったエピソードは、第三勢力時代にローダンたちが皇帝の元に乗り込んで以来では? 展開は中々に面白いのですが、そろそろウパニシャド用語のシャンだのシャドだのが何が何だかよく解らなくなってきた……


・後半エピソード 原タイトル:SPRUNG ZUM DREIECKSNEBEL(意訳:三角座銀河への跳躍)

 一応はカルタン人が故郷・三角座銀河を目指す回、しかし実態はエーヴェルスのオリジナルキャラのギフィ・マローダーがまたまたまた登場して好き勝手やる回(笑) 最初にエレメントの十戒と絡み、次に深淵に行ってグレイの領主と絡み、さらにエデンIIへ行ってゲシールたちと絡み、今度はカルタン人と絡み、と、今サイクルの様々な重要場面に登場しまくって爪痕を残すという、ローダンやアトラン以上の活躍ぶり(笑)

 さらに、マローダーのおまけとして懐かしのタッチャー・ア・ハイヌとダライモク・ロルヴィクが登場するというボーナス回でしたが、過去にマローダーと出合った云々とか意味不明の事を言っているのは、単に思わせぶりの台詞なのか、別の外伝とかでそういう話があったのか、凄く気になります。
 
 
 

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