【SF小説】感想「スリマヴォの冒険」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 645巻)(2021年7月14日発売)

スリマヴォの冒険 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-645 宇宙英雄ローダン・シリーズ 645)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150123306
スリマヴォの冒険 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-645 宇宙英雄ローダン・シリーズ 645) 文庫 2021/7/14
エルンスト・ヴルチェク (著), アルント・エルマー (著), 鵜田 良江 (翻訳)
出版社:早川書房 (2021/7/14)
発売日:2021/7/14
文庫:288ページ

【※以下ネタバレ】
 

ヴィ―ロ宙航士のスリマヴォオルフェウス迷宮で行われる「狩り」に参加するためトロヴェヌール銀河へ向うが拒否されてしまい…


テラナー、カルタン人、そしてストーカーのパラ露をめぐる思惑が複雑に絡まり対立と不信を深めるなか、スリマヴォの新たな旅が始まる。レオナルド・フラッドたちとともに“レオの幼稚園”で、エスタルトゥの奇蹟を探検するためにおとめ座銀河団に向かう。その途上、シルラガルの踊るモジュールの輪舞に遭遇。スリマヴォはそこで予期していなかった出会いと発見をするのだった。彼女とレジナルド・ブルの運命が交差する!

 

あらすじ

◇1289話 スリマヴォの冒険(エルンスト・ヴルチェク)(訳者:鵜田 良江)

 NGZ429年3月。スリマヴォは知人たちと供にヴィールス船で力の集合体エスタルトゥを目指し、まずシルラガル銀河に到達するものの、ストーカーの語った宣伝文句が全て偽りだったと知る。そのあとスリマヴォは同行者とたもとを分かち、単身トロヴェヌール銀河へ向かうと、ここで「プシオン迷宮」に2000年間幽閉されていたという謎の男「ヴェト・レブリアン」と出会う。

 NGZ430年4月。ブルとイルミナは叛乱分子の指導者デソトことヴェト・レブリアンと対面するが、ヴェトはエスタルトゥの真意を確認するため、永遠の戦士との交渉を計画しており、そのための材料として氷漬けにしたスリマヴォを使おうとしていた。(時期:NGZ429年3月~8月、NGZ430年4月)

※初出キーワード=エフィトラ人、戦士ヤルン、アルロファー人、プシオン性迷宮のヤルンの狩り、


◇1290話 ストーカー対ストーカー(アルント・エルマー)(訳者:鵜田 良江)

 ろ座銀河。ヴァリオ=500/アンソン・アーガイリスが率いる宇宙船団ハンザ・キャラバンは、力の集合体エスタルトゥへの旅の前にパラ露の積み込みを行っていた。一方、ストーカーはパラ露のエスタルトゥ到達阻止を目論み、やはりろ座にやってきていた。ヴァリオ=500はストーカーのマスクをつけた状態で、本物のストーカーと対決する羽目に陥るが、何故かストーカーは勝利した後もヴァリオ=500を破壊せず、さらに変装に必要な装備やパーミットを渡して立ち去った。(時期:NGZ430年6月15日~月末頃)

※初出キーワード=ろ座の愚者、キュクロプス星系、メエコラーの矢印


あとがきにかえて

・早川版ローダン発行50周年のお祝い
・後半に出てきた「イデフィックス」という言葉の解説


感想

・前半エピソード 原タイトル:STERNTAGEBUCH(意訳:星日誌)

 NGZ429年のスリマヴォの旅とNGZ430年のブルたちのデソト探しを交互に描くエピソード。何よりショッキングなのが、レオの幼稚園の園長レオナルド・フラッドの変貌ぶりで、以前のエピソードではあんなに良い人だったのに、この話ではスリマヴォに付きまとった挙句、スリマヴォいじめを始めるような駄目なキャラになり果てています……、いくら環境は人を変えると言ってもこれはひど過ぎる。



・後半エピソード 原タイトル:STALKER GEGEN STALKER(意訳:ストーカー対ストーカー)

 ろ座銀河での、アンソン・アーガイリス/ヴァリオ=500とストーカーの対決エピソード。今回はストーカーの行動が謎だらけで、偽ストーカーに勝利して破壊したのに、今後の変装を奨励したりパーミットを渡したり、と、全く意味不明。また進行役スコルシュのいう、ストーカーの時間か無いという言葉も、なんとも気になるところ。
 
 
 

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