【特撮】感想:特撮「ウルトラQ 4Kリマスター版」第18話「虹の卵」

ウルトラQ Vol.1 [DVD]

ウルトラQ 4Kリマスター版 NHK https://www4.nhk.or.jp/P5138/
放送 NHK BSプレミアム

【※以下ネタバレ】
 

第18話 虹の卵

 

あらすじ

ウルトラQ 4Kリマスター版(18)虹の卵
[BS4K] 2021年07月26日 午後11:15 ~ 午後11:41 (26分)


35mmフィルム原版から4Kリマスター。不吉な前兆、さざめ竹の花と虹の卵が揃えば願いが叶う。少女は祖母の足を治すため虹の卵を探すがウランを狙う怪獣が迫っていた!


不吉な出来事の前兆、さざめ竹の花。しかしこの花と、虹の卵が揃えば何でも願いが叶うらしい。少女ピー子はおばあちゃんの不自由な足を治すため仲間たちと虹の卵を探すが、ウランを狙う怪獣パゴスが近くに迫っていた!もともと35ミリフィルムで制作されていた1966年放送の特撮ドラマを4Kリマスター。だれも見たことがなかった「ウルトラQ」。


【出演】佐原健二,西條康彦,桜井浩子

 
登場 … 地底怪獣パゴス

 トラックが濃縮ウランの容器を乗せて産業都市にある原子力発電所へと向かっていた。トラックが山中に差し掛かったころ、空に金色の虹が発生し、さらに崖が崩れ始めたため、運転手と助手は慌てて逃げ出す。がれ崩れの中からは怪獣が現れ、トラックは谷底に転落していった。


 翌日。ピー子たち「たんぽぽ団」のメンバーは、足が不自由になり車いす生活を送っているおばあちゃんの事を心配していた。おばあちゃんは「さざめ竹」の花が咲いていることを知り、子供たちに「竹の花と虹の卵が揃えば、何でも願い事が叶う」という言い伝えを教える。その話を真に受けたピー子たちは、虹の卵を使っておばあちゃんの足を治してもらおうと早速探しに出かける。おばあちゃんは、虹の卵とは虹を見たものの心の中に生まれる物の事と説明しようとするが、既に子供たちはいなくなっていた。

 万城目・由利子・一平は、行方不明になっていたウラン輸送トラックの乗員たちを見つけ、病院に連れていく。万城目はトラックの運転助手から金色の虹を見たという話を聞き、由利子たちに怪獣パゴスの事を説明する。パゴスとは数年前北京に現れた怪獣で、ウランの貯蔵庫を襲撃していた。そしてはパゴスは分子構造破壊光線を発する器官を持ち、その光線は人間の目には金色の虹に見えるらしい。万城目は今回の一件にパゴスが関わっていると直感する。

 万城目たちは原子力発電所に向かい、糸魚川博士に考えを伝えるが、直後空に金色の虹が現れ地中からパゴスが出現、発電所を目指して移動し始めた。糸魚川博士はパゴスを風化させてしまうという兵器「ネオニュートロンミサイル」を要請するが、到着を待つ間にパゴスは産業都市を破壊していった。

 一方ピー子は野原に転がっていた濃縮ウランの容器を見て虹の卵だと思い込み、回収しようと必死になる。万城目たちはピー子がパゴス攻撃に巻き込まれないか確認しに行き、十分離れていたことから、パゴスにネオニュートロンミサイルが撃ち込まれた。パゴスは一瞬にして埃と化し、発電所の危機は回避された。

 万城目たちはウランの容器を引きずるピー子に真実を教えるが、ピー子は全く信じない。そこに子供たちによっておばあちゃんの車いすが運ばれてきた。ピー子を見たおばあちゃんは立ち上がり、由利子たちはあの容器は本当に虹の卵だったと思う。


脚本:山田正弘 監督:飯島敏宏 特技監督有川貞昌


感想

 評価は△(うーん、なんじゃこりゃ)。

 原子力発電所に迫る怪獣の脅威!という方向一本で押せばいいのに、子供向けの良い話を変に混ぜてしまったために全く乗れない話になっているダメなエピソード。脚本は「カネゴンの繭」をものにした山田正弘氏ですが、多分「カネゴン」はまぐれだった模様。

 子供たちがおばあちゃんの話を信じ込んで「虹の卵」を探し回るシーンは正直かったるかったし、怪獣の脅威もなんとなく時間稼ぎのために産業都市の建物を破壊してみました感が強かったし、最後に都合よくパゴスに効果てきめんの「ニュートロンミサイル」が登場して簡単に方が付いてしまうし、とにかく殆ど全てにおいて面白みを感じられない話でした。最後の「おばあちゃんが立った!」も全く理屈に合ってないし……

 まあ、唯一面白いと思ったのは、由利子が万城目からパゴスの事を聞かれて「ギリシャソフィストの……、電気のいらない扇風機の……」とか知ったかぶりをしたシーンですね。ここだけはウケました。


 ところで、

原子力発電所キッズレポート|原子力発電所はいつできたの?
https://www.town.fukui-wakasa.lg.jp/genden/when/index.html
1966年7月に、東海発電所茨城県東海村:日本原発(株))が営業運転を開始して、日本で初の商業原子力発電の幕をあけたんだ!

 
 とのことですが、このエピソードの放送は1966年5月なので、まさに原子力発電は当時旬(?)の話題だったわけです。現代(2021年)の視点から「原子力発電所」を見るのとは全く別で、この話の放送時点では原子力発電所とかウラン云々はネガティブ要素は全くなく、夢のエネルギーを扱ったようなエピソードだったのでしょうね……

 トラックの運転手役は、後にウルトラセブンでマナベ参謀を演じた宮川洋一氏でした。

おまけ

 「たんぽぽ団」の子供たちは全員おばあちゃんの孫だったのでしょうか? 十人くらいいましたけど……、まあ、1966年(昭和41年)の話ですから、おばあちゃんの子供が6人くらいいて、それぞれ二人ずつ子供がいれば、あれくらいの孫の数も無くは無いか……
 
 
 
地底怪獣パゴス
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