【特撮】感想:特撮「ウルトラQ 4Kリマスター版」第3話「宇宙からの贈りもの」

ウルトラQ Vol.1 [DVD]

ウルトラQ 4Kリマスター版 NHK https://www4.nhk.or.jp/P5138/
放送 NHK BSプレミアム

【※以下ネタバレ】
 

第3話 宇宙からの贈りもの

 

あらすじ

ウルトラQ 4Kリマスター版(3)宇宙からの贈りもの
[BS4K] 2021年04月12日 午後11:15 ~ 午後11:41 (26分)


35mmフィルム原版から4Kリマスター。火星に向かったロケットが送り返されてきた。中には謎の金色の球体。それが金塊と間違われ盗難される。球体は高速で巨大化する。


火星探査に向かったロケットが、何者かの手によって送り返されてきた。中にあったのは謎の金色の球体。しかしそれが金塊と間違われ盗まれてしまう。球体はものすごい勢いで巨大化し、中からは怪獣ナメゴンが現れた!もともと35ミリフィルムで制作されていた1966年放送の特撮ドラマを4Kリマスター。だれも見たことがなかった「ウルトラQ」。


【出演】佐原健二,西條康彦,桜井浩子

 
登場 … 火星怪獣ナメゴン

 万城目は取材の仕事の百合子と共にセスナで海上を飛行していたが、空から降ってきた何かがパラシュートで海面に着水するシーンを目撃し海上保安庁に連絡する。その物体は、半年前に日本が火星の地表の撮影のためにロケットで打ち上げたものの、消息不明となったカプセルだった。

 一ノ谷(いちのたに)博士は、万城目たちに、カプセルは何者かが送り返してきたのであり、それは火星に住む、地球と同等かそれ以上の文明の生物だと推測する。実際、パラシュートは地球では未知の繊維で作られていた。カプセルが撮影した写真は全く意味不明の物ばかりで、またカプセル内には謎の金色の二個の玉が入っていた。とりあえず玉は金厳重に保管されることになった。

 夜、泥棒が研究所に忍び込み金庫を破るが、見つけた球を金塊だと勘違いし、現金と一緒に盗み出してしまう。泥棒は飛行場にやってくると、万城目に銃を突き付け、大蔵島まで飛ぶように要求する。万城目はひるまず殴りかかり、その際に泥棒の持っていた玉の一個が事務所内に落ちてしまう。結局万城目は泥棒に飛行を強要され、大蔵島まで飛ぶ羽目となった。

 泥棒は島の洞窟で待っていた相棒と落ち合うが、その際に玉が温泉の中に転げ落ち、玉は巨大化すると中から火星怪獣(ナメゴン)が出現した。

 やがて大蔵島では洞窟の中から奇怪な怪物の叫び声が聞こえると噂になり、万城目・一平・百合子は取材のために大蔵島にやってくる。彼らは洞窟内で泥棒の死体と一緒に火星怪獣を発見し、慌てて逃げ出す。怪獣は万城目たちを追いまわしているうちに誤って海に転落し、そのまま溶けて死んでしまった。

 夜。一ノ谷博士は万城目たちに、火星人は地球人が勝手に他の星にロケットを打ち込んだりすることについて迷惑がり、威嚇として怪物を送ってきたのではないか、との考えを示す。もしかすると地球より進んだ星々の間では既にルールが確立されており、地球人だけがそれを知らずに勝手にふるまっていて、そのことを警告するためのことかもしれなかった。

 直後、百合子が身に付けていたペンダントの金色の球体が突然巨大化し始める。実はペンダントは一平が事務所に落ちていた玉(=ナメゴンの卵)をそれと知らずに加工して作ったものだった。万城目たちは卵を庭に放り出し、一ノ谷博士は部下に塩水を作らせる一方、宇宙開発局に連絡を入れさせる。そして彼らが見守る前で卵が割れ、中から二匹目の火星怪獣が現れたところで〆。


脚本:金城哲夫 監督:円谷 一 特技監督:川上景司


感想

 評価は○(まあまあ)。

 火星探査をネタにしたエピソード。ウルトラQの放送は1966年ですが、人類が火星に初めて探査機を送り込めたのは1973年頃で、当時としてはかなり未来感のあるエピソードだったわけです。

 今回、万城目たちの知恵袋となってくれる一ノ谷博士が初登場。髭がもう今から見るとあり得ない訳ですが(笑)、当時は普通だったんでしょうかね。


 ストーリーは、相変わらずアレっと思うところが多く「火星から届いた正体不明の物体を、現金と一緒の金庫に保管しておく」というところは無理っぽいし、それを泥棒が金塊と間違えて持って行ってしまう、という展開も何だかなぁ感強し。

 ナメゴンが事実上何もしないまま海に転落して溶けて死んでしまうのは拍子抜けですが、火星人(?)は少なくとも今回は侵略などの目的で送り込んだわけではないのでしょうから、ある程度肝を冷やさせればそれでよかったのかもしれません。

 終盤、一の谷研究所に万城目たちが集まっているシーンで、由利子が「未だに戦争や人種差別や人身売買をしているような地球人は、進んだ星々の仲間には入れてもらえないだろう」と語るシーンは、これが一番言いたかったことなんだろうなぁって感じですね。


 結末の、火星怪獣の二匹目が現れ、こいつを倒すシーンも無いまま話は終わってしまう、という宙ぶらりんなオチは今見ても斬新です。そして生まれたナメゴンの姿にかぶせて、ナレーションで

『無限にある海水がこのドラマを締めくくってくれるに違いない。だが、地球上での政治的実権を握るための宇宙開発の競争が行われる限り、第二の宇宙からの贈りものが届くに違いない。それは、たぶん海水を飲んでますます巨大になり強靱になる恐るべき怪物に違いない……」

 と語らせて終わるのには何度見てもしびれます。
 
 
空想特撮シリーズ ウルトラQ ナメゴン
 
 

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