【特撮】感想:特撮「ウルトラQ 4Kリマスター版」第8話「甘い蜜の恐怖」

ウルトラQ Vol.1 [DVD]

ウルトラQ 4Kリマスター版 NHK https://www4.nhk.or.jp/P5138/
放送 NHK BSプレミアム

【※以下ネタバレ】
 

第8話 甘い蜜の恐怖

 

あらすじ

ウルトラQ 4Kリマスター版(8)甘い蜜の恐怖
[BS4K] 2021年05月17日 午後11:15 ~ 午後11:41 (26分)


35mmフィルム原版から4Kリマスター。試験場で生物の巨大化物質が研究されていた。その作用で巨大化したモグラが出現。試験場のミスと思われていたが、新たな真相が!


農事試験場では生物を巨大化させるハニーゼリオンという物質が研究されていた。その作用で巨大化してしまったモグラが、近くの農村に出現。試験場の管理ミスと思われていたこの事件は、やがて思わぬ一面を見せることに……。もともと35ミリフィルムで制作されていた1966年放送の特撮ドラマを4Kリマスター。だれも見たことがなかった「ウルトラQ」。


【出演】佐原健二,西條康彦,桜井浩子

 
登場 … もぐら怪獣モングラー

 嵐の夜。一人の男が温室の外で何やら怪しげなふるまいをしている。


 万城目は一平と一緒にセスナで飛び、操縦方法を指導していたが、途中いきなり地面が盛り上がって線路が破壊され蒸気機関車が脱線する場面を目撃する。


 別の日。万城目・一平・由利子は、一ノ谷博士のお供で伊佐山農事試験場を訪れ、研究中の「ハニーゼリオン」という物質について教えられる。ハニーゼリオンはローヤルゼリーの数百倍の効果があり、試験場ではジバチのサナギや成虫を巨大化させる実験をしていた。

 ハニーゼリオンを研究している研究員・木村はハニーゼリオンが野生動物に食べられたらしいことを心配しており、フィアンセの長谷川愛子(場長の娘)に慰められる。

 直後、畑の地下から巨大なモグラが出現した。実は十日前に試験場でハニーゼリオンを培養していたジバチの巣が動物に襲われて全滅するという事件が起きており、どうやらこのモグラがハニーゼリオンを食べて巨大化したらしかった。場長の長谷川や木村は、農民たちから怪物を生み出した責任を追及される。

 由利子は温室を調べ、モグラが自然に侵入したとは考え辛く、何者かがハンマーでガラスを割ってモグラが侵入したかのように偽装したと推理する。直後守衛から研究員の伊丹が事件当夜温室から出て来るのを見たという証言も得られる。

 伊丹は木村に対し、最近調子に乗り過ぎていたと攻め立て、責任を痛感した木村は論文発表を取りやめると言い出す。そこに万城目たちが現れて事件の犯人は伊丹だと指摘すると、動揺した伊丹は逃亡してしまう。そこにモグラが出現したとの連絡が入り、自衛隊の戦車が出動してきた。

 万城目たちがモグラの潜んでいる洞窟に乗り込むと伊丹がおり、学問上のライバルの木村の成功が妬ましくなって今回の行動に及んだと言った後、自分のしたことは自分で責任を取るとして、木村たちを洞窟から追い払いダイナマイトを爆発させた。そして這いでてきた瀕死の伊丹は、木村にフィアンセ愛子を幸せにするように言い残して死ぬ。

 モグラはダイナマイトでは死んでおらず、地上に顔を出すが、自衛隊の猛攻で地下に逃げこんだ。直後、火山の噴火が発生し、モグラは冨士火山帯にぶつかって死んだものと推測された。最後、地上に溶岩が噴き出しているシーンで〆。


脚本:金城哲夫 監督:梶田興治 特技監督:川上景司


感想

 評価は○(まあまあ)。

 一応モグラ怪獣が暴れますし、終盤に怪獣が戦車部隊の猛攻を受けるという派手な展開になりますが、メインは怪獣退治ではなくあくまで「一人の人間の嫉妬によって恐ろしい事件が起きてしまった」という人間ドラマなのが気に入ったエピソード。

 犯人・伊丹の動機が、仕事上のライバルへの嫉妬というだけでなく、木村のフィアンセ愛子に横恋慕していた、というあたり、結構大人向けのテイストで、あまり子供の視聴者は意識してい無さそう。ということで、この大人向け路線を突き詰めたりして、シナリオにもっと磨きがかかっていれば、後世に名作として語り継がれる作品になった可能性もありそうで、惜しい一作と言う感じがしました。


 とは言え、嵐の夜に怪しげなふるまいをする男、というオープニングシーンから始まって、怪獣騒ぎ→犯人探し→(見るからに怪しかった)犯人の自供→犯人自決→怪獣退治、と、30分という尺に人間ドラマと怪獣物の両方を詰め込んできちんとオチまで付けているので、クオリティはまずまず。


 今回のゲストの一人・木村を演じたのは黒部進氏、つまりのちの初代ウルトラマン・ハヤタ隊員です。白黒でもハンサムぶりが伝わってきますね。

 このエピソードでは、序盤で地面が盛り上がって「蒸気機関車」が脱線するシーンが描かれました。つまり放送当時(1966年)はまだ蒸気機関車は現役バリバリだったんですねぇ。時代を感じさせられます。また伊佐山農事試験場が全然舗装されていなくて車が土の上に乗りつけていたのも、やはり昭和だからでしょうか。

 最後、一ノ谷博士が「大モグラは火山帯にぶち当たったな」とか愉快そうに言っていましたが、溶岩が噴き出していて、そんなに愉快な事態でも無いと思うんですが……、農民たちから滅茶苦茶文句言われそうな気がする……
 
 
ウルトラQ 怪獣名鑑/モングラー 甘い蜜の恐怖/モノクロ/フィギュア/バンダイ
 
 

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