【SF小説】感想「《バジス》復活!」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 715巻)(2024年6月19日発売)

《バジス》復活! (ハヤカワ文庫SF)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150124485
《バジス》復活! (ハヤカワ文庫SF) 文庫 2024/6/19
アルント・エルマー (著), 井口 富美子 (翻訳)
出版社:早川書房 (2024/6/19)
発売日:2024/6/19
文庫:272ページ

【※以下ネタバレ】
 

《フェニックス》ではアンブッシュ・サトーがようやくハミラー管の封鎖を破ったが「心臓」と呼ばれる最後の部品の謎が残っていた


“バジス”のパーツが漂う瓦礫の墓場にもどった“シマロン”では、サトーとエンザ&ノックスのシナジー・ペアが必死でハミラー・チューブの修復に取り組んでいた。やがてハミラーが過去のデータを改竄していることを発見、それを手がかりに、カタストロフィ発生後、ネーサンがヴァリオ=500を派遣し、“バジス”の分散化を命じていたことをつきとめる。だがなぜそんな命令を?そのあと、ハミラーになにが起こったのか!?

 

あらすじ

◇1429話 ハミラーの心臓(アルント・エルマー)(訳者:井口 富美子)

 NGZ1143年10月。ローダンたちは惑星フェニックスでハミラー・チューブの正常化作業を進めていたが進展が無かったため、作業場所を《バジス》のパーツが漂流する宙域へと変更した。ここでアンブッシュ・サトーは超現実の世界を作り出してハミラー・チューブを巻き込み、ようやくハミラー・チューブを正気に戻した。

 過去。NGZ448年末、《バジス》にアンソン・アーガイリスが現れ、ルナのネーサンの命令を届けたが、その内容は敵対勢力に《バジス》を利用させないため《バジス》をパーツに分解し、ハミラー・チューブを混乱状態にするというものだった。ハミラー・チューブの混乱はローダンたちが帰還すれば即座に解消されるはずだったが、《バジス》の位置がハンガイ銀河に近すぎたことでハミラー・チューブは影響を受けてしまい、ローダンたちと対面しても正常に復帰しなかったのだった。

 ローダンたちは《バジス》奪取をたくらむカラポン人たちの攻撃を退けたあと、ハミラー・チューブの許可を得て修理のために内部に入り、封印された謎の部品「ハミラーの心臓」を発見した。(時期:NGZ1143年10月~11月20日)

※初出キーワード=「ハミラーの心臓」



◇1430話 《バジス》復活!(アルント・エルマー)(訳者:井口 富美子)

 NGZ1143年11月。ハミラー・チューブが中心となり、《バジス》の組み立て作業が開始された。カラポン人たちは《バジス》が完成した後に船を強奪するため《バジス》の部品の中に潜伏していたが、結局ローダンたちに発見され、指揮官以外は死亡した。NGZ1144年1月、ついに《バジス》の組み立ては完了したが、航行に必要な乗員12,000名がいないため、ローダンはひとまず《バジス》を現宙域に待機させることにした。(時期:NGZ1143年11月30日~1144年1月15日)

※初出キーワード=なし


あとがきにかえて

井口 富美子氏
・友人と京都旅行をする話
NHKのドラマにはまっているという話


感想

・前半エピソード「ハミラーの心臓」 原タイトル:HAMILLERS HERZ(意訳:ハミラーの心臓)

 ローダンたちが狂ったハミラー・チューブを正気に戻す話。

 正直、アンブッシュ・サトーの超現実を作り出す能力も、その超現実にハミラー・チューブを巻き込んだら何故正気に戻ったのかも、さっぱり理解できずいまいち納得がいきませんが、とりあえず結果だけ受け入れることにします……

 ハミラー・チューブは正常に戻りましたが、内部に潜んでいたはずの「ホルトの聖櫃」はどこに行ってしまったんだろう……?



・後半エピソード「《バジス》復活!」 原タイトル:HAMILLERS PUZZLE(意訳:ハミラーのパズル)

 《バジス》の組み立てを行う話。

 なるほど、《バジス》のパーツそれぞれに小型のエンジンがついてて、それを使えば合体できるという事だったのか……。ずーっと磁力で引き合って結合するのかと思ってました(笑)
 
 
 

その他

 前巻714巻の表紙絵は皇帝アンソン・アーガイリスとヴァリオ500と男女二人が描かれていましたが、どう考えても本巻715巻の前半エピソード「ハミラーの心臓」をイメージした内容です。早川書房工藤稜氏に715巻用のイラストを二枚発注したのか? 巻末に「編集部からのお知らせ」とかつけて、説明しても良いんじゃなかろうか……?
 
 
 

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