【SF小説】感想「マゼラン星雲への道」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 605巻)(2019年11月20日発売)

マゼラン星雲への道 (宇宙英雄ローダン・シリーズ605)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122571
マゼラン星雲への道 (宇宙英雄ローダン・シリーズ605) (日本語) 文庫 2019/11/20
クルト・マール (著), アルント・エルマー (著), 嶋田 洋一 (翻訳)
文庫: 255ページ
出版社: 早川書房 (2019/11/20)
発売日: 2019/11/20

【※以下ネタバレ】
 

エレメントの十戒の指揮エレメントは、アンドロ・ベータでの敗北に我慢できず、配下を集めて無限アルマダに攻撃を仕掛けるが……


別行動をしていたアトランとジェン・サリクはスタルセンの地下洞窟網でふたたび合流した。盲目の隠者という名の樹木生物の攻撃をかわしつつ、従者たちとともに地下中心部をめざして進んでいく。たどり着いた場所には、細胞活性装置に似た巨大な金色の卵があった。卵はアトランとサリクを“祝福された者"と呼んで歓迎の意をしめし、ふたりの助力をもとめてくる。そしてスタルセンの歴史に関する長い物語を語りはじめた!

 

あらすじ

◇1209話 グレイの領主(クルト・マール)(訳者:嶋田 洋一)

 太古。時空エンジニアは、深淵に人工世界「深淵の地」を建設したが、深淵は生命エネルギーを持たない領域であり、そこからの影響「グレイ力」(グレイ作用、深淵作用)は生命を吸収してしまう事が判明した。時空エンジニアは生命エネルギー「ヴァイタル・エネルギー」を謎の「ヴァジェンダ」から取り出し、深淵の地に供給することでグレイ力を駆逐した。しかしグレイ力は消えてはおらず、長い間にグレイ力によってスタルセンは外界から孤立し、結果社会制度は崩壊した。しかし、つい1年ほど前に、テングリ・レトス=テラクドシャンが「鋼の支配者」を名乗って出現したのだった。

 アトランたちはは、深淵の歴史を知り、アトランは「鋼の支配者」に会いに行くことを決意した。(時期:不明。NGZ427年11月頃)

※初出キーワード=アライ人、チラス種族、グレイ力、グレイ作用



◇1210話 マゼラン星雲への道(アルント・エルマー)(訳者:嶋田 洋一)

 アンドロ・ベータ。ツーノーザーたちの救出作戦が一段落し、無限アルマダは次のクロノフォシル・マゼラン星雲を目指すことになった。同じころ、ローダンとナコールはそれぞれ謎の幻覚に襲われるようになっていた。カッツェンカットは、無限アルマダのマゼラン到着を阻止するため十戒で攻撃を仕掛けるが、あまりの数に押し切られて撤退を余儀なくされる。先行していたタウレクたちは、マゼラン星雲にローダンの精神エネルギーが存在せず、クロノフォシルでは無い事に気が付く。(時期:不明。NGZ428年2月頃)

※初出キーワード=なし


あとがきにかえて

 五十(六十)肩になった話。


感想

 前半エピソード … ついに「深淵の地」の歴史が明かされた重要エピソード。今まで謎だらけでモヤモヤしていた深淵編ですが、ようやく状況が掴めたことで印象も好転してきました。しかし、魔法の機械にしか思えなかった「スタルセン供給機」の正体が「ヴァイタル・エネルギー」の塊、という真相は、なんというか言葉に困りましたが……


 後半エピソード … ローダンたちサイドに視点を移してのエピソード。「エレメントの十戒 対 無限アルマダ」という夢の対決(?)が実現。さすがの壮絶な戦いで、技術エレメントの《マシン》が無造作にボンボン沈んでしまうのに絶句しました。

 P166で、《バジス》船内の瓦版的な《バジス・メッセンジャー》の発行者フォーベ・サムがちらっと出てきたエピソードはちょっと面白かった。「グッキー、死す!」とか派手に書き飛ばしていたんでしょうか?
 
 
 

600巻~650巻(「クロノフォシル」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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