【SF小説】感想「廃墟の王」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 701巻)(2023年11月21日発売)

廃墟の王 (ハヤカワ文庫SF)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150124256
廃墟の王 (ハヤカワ文庫SF) 文庫 2023/11/21
アルント・エルマー (著), H・G・エーヴェルス (著), 若松 宣子 (翻訳)
出版社:早川書房 (2023/11/21)
発売日:2023/11/21
文庫:272ページ

【※以下ネタバレ】
 

ローダンら銀河系船団はタルカン宇宙から通常宇宙へと帰還途中、時空の混乱から生じた停滞フィールドに捕まり695年が経っていた!

 

あらすじ

◇1401話 廃墟の王(アルント・エルマー)(訳者:若松宣子)

 ローダンたちは695年前に《バジス》が待機していたXドア宙域に到着したが、調査の結果何一つ発見することはできなかった。直後、近傍を通過したカルタン人宇宙船を追跡し、宇宙を漂流する十万個の残骸を発見した。この残骸の正体は分散してしまった《バジス》で、船載脳ハミラー・チューブと戦闘ロボットによって守られていたが、ハミラー・チューブは正気を失っていた。ローダンたちはヒューマノイド専門の奴隷商人だったカルタン人から「ブガクリス」という惑星の情報を得て、調査に向かうことにした。(時期:NGZ1143年3月18日~)

※初出キーワード=サショイ帝国。IQハンター。惑星ブガクリス。



◇1402話 ドラゴンの惑星(H・G・エーヴェルス)(訳者:林啓子)

 ローダンたちはハンガイ銀河の惑星ブガクリスに向かい、ハウリ人の子孫「砂漠の息子たち」や《バジス》乗員の末裔「山の民」と接触した。ブガクリスの住人達は原始的な生活を送っており、先祖が宇宙からやってきたことを忘れ果てていた。ローダンたちは山の民が過去のことを記した本「ログ」を所有していると知り、山の民の村へと向かった。同じころバス=テトのイルナはブガクリスで長い間眠っていたナート人の騎士と出会った。(時期:不明:NGZ1143年3月頃)

※初出キーワード=サンドラ星系。砂漠の息子たち(トロナハエ)。山の民。サショイ=カルタン人。


あとがきにかえて

若松宣子氏
 浦島太郎の話。

林啓子氏
 テレビドラマ「VIVANT」、「アホイ!」という掛け声、不審な電話、の話。


感想

・前半エピソード「廃墟の王」 原タイトル:HERR DER TRUMMER(意訳:残骸の主)

 ローダンたちが虚空で分裂状態の《バジス》を発見する話。

 謎だらけの展開でぐいぐい引っ張っておいて、クライマックスで「君主」が名乗りを上げて真実が解明されるあたりではおおっとなりました。またハミラー・チューブのすっとぼけぶりも(深刻な状況のはずなのに)妙に面白かった。

 20ページ。「ダルギスト」。何のことかと調べたら、435巻で完成直後の《バジス》船内に現れた怪物のことでした。覚えてねー。

 121ページ。ハミラー・チューブが引っ越すあたりですが、「そこでしたら自給自足のエネルギー供給がありますので、それでかまいません」ではなくて、「私には自給自足のエネルギー供給がありますので、それでかまいません」ではないでしょうか。実際ハミラー・チューブは自給自足で動いているようですし……



・後半エピソード「ドラゴンの惑星」 原タイトル:DIE DRACHENWELT(意訳:ドラゴンの世界)

 ローダンたちがすっかり退行した《バジス》乗員の子孫たちと出会う話。

 定番的ではあるのですが、すっかり先祖の事を忘れてしまっているブガクリスの住民たちが哀れ……、そして、またエーヴェルスが本筋に関係なさそうな新キャラのナート人を出してきて呆れたよ。
 
 
 

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