【SF小説】感想「目標、アンクラム星系」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 690巻)(2023年6月6日発売)

目標、アンクラム星系 (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-690)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150124094
目標、アンクラム星系 (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-690) 文庫 2023/6/6
アルント・エルマー (著), H・G・エーヴェルス (著), 工藤 稜 (イラスト), シドラ 房子 (翻訳)
出版社:早川書房 (2023/6/6)
発売日:2023/6/6
文庫:272ページ

【※以下ネタバレ】
 

アンクラム星系に無事到着したアトランらはローダンに関する情報を求め、ベングエルとジュアタフの巨大船団をおとずれるが……!?


タルカン宇宙への遷移に成功したアトランひきいる遠征隊は、めざすアンクラム星系に無事到着した。さっそくマン・グロから手わたされたメッセージをコード化し、プロジェクト・リーダーに向けて送信する。だが、なぜかいっこうに返事がない。やがて交信を求めてきたのは、第十三衛星をとりまくベングエルとジュアタフの巨大船団からだった。ローダンに関する情報を求めて、アトランはベングエルの宇宙船をおとずれるが…

 

あらすじ

◇1379話 目標、アンクラム星系(アルント・エルマー)(訳者:シドラ 房子)

 アトラン率いるタルカン遠征艦隊はアンクラム星系に到着し、カルタン人たちと情報を交換した。直後「知識権限の中枢」の使者が星系に現れ、アトランに対し、要塞化されたウシャアル星系ではなく、その近傍のザプルシュ星系に行くことを提案し、アトランもそれに従うことにした。(時期:不明:NGZ447年10月頃)

※初出キーワード=ザプルシュ星系



◇1380話 ザプルシュ第三惑星の英雄(H・G・エーヴェルス)(訳者:シドラ 房子)

 トヴァリ・ロコシャンは通常宇宙のハンガイ銀河に向かったもののハウリ人に捕らえられ、さらにタルカン宇宙まで連れてこられた結果ストレンジネス・ショックにより記憶の大半を喪失してしまった。その後トヴァリは謎の存在ルログの助けで、惑星ザプルシュIIIの荒野へと脱走した。

 同じころタルカン遠征艦隊はザプルシュ星系に到着し、ハウリ人を制圧して意識不明状態のトヴァリ・ロコシャンを収容した。「知識権限の中枢」の使者は、アトランにウシャアル星系の詳しい情報を伝え調査の指針を示した。(時期:不明。NGZ447年10月頃)

※初出キーワード=恒星ザプルシュ/惑星ザプルシュIII(別名サンドマン)。ウシャアル星系第22惑星パガル・同第59惑星ゼレンガア。


あとがきにかえて

・スイスでオペラを鑑賞した話


感想

・前半エピソード 原タイトル:ZIELSTERN ANKLAM(意訳:目的星アンクラム)

 アトランたちがアンクラム星系に到着して情報を交換する話。ベングエルやジュアタフ・ロボットにも出会ったりして一通りの状況を把握できましたが、あまり話に進展はなく、ちょっと足踏み回だった感じです。

 「知識権限の中枢」は前回登場時はうわごとを言っているのと大差なかったのですが、今回はしっかり筋の通ったことを言ってくれていて、これなら大プロジェクトも進められそうでした。


P122に誤字脱字
誤)活動に対処するのため
正)活動に対処するため



・後半エピソード 原タイトル:DIE HELDEN VON ZAPURUSH-3(意訳:ザプルシュIIIの英雄)

 アトランたちが惑星ザプルシュIIIでトヴァリ・ロコシャンと再会する話。

 エーヴェルスの持ちキャラにして、その時々のストーリーの焦点に都合良くあらわれる男(笑)トヴァリ・ロコシャンが今度はタルカン宇宙にまでやってきてしまいました。ただ、最後の方で、突然トヴァリが謎の「共生体」に憑りつかれて意識不明という展開についていけず、困惑しきりでした。あと、アトランがトヴァリと別れたのは、せいぜい二か月前であって五ヵ月前(P135)では無いのでは。


P237に誤字脱字
誤)恒星集団をウリ人の
正)恒星集団をハウリ人の
 
 

675巻~700巻(「タルカン」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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