【SF小説】感想「炎の嵐」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 699巻)(2023年10月18日発売)

炎の嵐 (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-699)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150124221
炎の嵐 (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-699) 文庫 2023/10/18
ロベルト・フェルトホフ (著), ペーター・グリーゼ (著), 工藤 稜 (イラスト), 嶋田 洋一 (翻訳)
出版社:早川書房 (2023/10/18)
発売日:2023/10/18
文庫:272ページ

【※以下ネタバレ】
 

銀河系船団とベングエル・ジュアタフの合同船団が目指す宙域には、ハウリ人部隊と、炎の侯爵による恐るべき罠が待ち受けていた!


銀河系船団とベングエル・ジュアタフの合同船団は、ナコード・アズ・クールからハンガイ銀河の最後に残った第四クオーターの宙域に向かっていた。二月二十八日には、最後に残ったこの宙域も通常宇宙へと転移してしまう。故郷宇宙に戻るためには、なんとしてもその期日までにそこに到着している必要があるのだ。だが、同船団の行く手には、イマーゴ暗殺をもくろむハウリ人部隊と、炎の侯爵の恐るべき罠が待ち受けていた!

 

あらすじ

◇1397話 歌手と殺し屋(ロベルト・フェルトホフ)(訳者:嶋田 洋一)

 NGZ448年2月。タルカン宇宙。ローダンたちの銀河系船団は、ベングエル・ジュアタフ合同船団と共に、2月末に転移予定のハンガイ銀河第四クオーターを目指していた。その途上でローダンとアトランはヒルダルからのメッセージを伝えられ、五万年前にエスタルトゥが支配者ヘプタメルに敗北したふりをしてロボット・トト・ドゥガたちの中に身を隠したことや、二人の細胞活性装置がベングエルとジュアタフを引き付ける目印になっていたことを知る。やがて「ダオ=バン星系」からベングエルとジュアタフに集合を呼び掛ける通信が入り、船団はダオ=バン星系に向かった。ローダンたちはハウリ人決死部隊の攻撃を退けるが、直後船団全ての船が行動不能に陥り、さらに空間の温度が急上昇を開始した。(時期:NGZ448年2月9日~25日)

※初出キーワード=惑星コニググ。二重融合。二重連合体。ダオ=バン星系(惑星ヴォンタルド。惑星ジトラ)。炎の嵐。



◇1398話 炎の嵐(ペーター・グリーゼ)(訳者:嶋田 洋一)

 銀河系船団とベングエル・ジュアタフ合同船団は、炎の侯爵アフ=メテムの攻撃「炎の嵐」で、直径二光週の空間に閉じ込められ、さらに空間が過熱され危機に陥った。ローダンとアトランはドリフェルカプセルが行動可能であることを知り、ダオ=バン星系の惑星「ヴォンタルド」の制御ステーションに突入して炎の嵐を停止させた。さらに星系に接近してきたアフ=メテムを炎の嵐で攻撃し消滅させたあと、制御ステーションを破壊した。(時期:NGZ448年2月26日~28日)

※初出キーワード=特になし。


あとがきにかえて

 亡父の家からマンションに引っ越す予定、という話。


感想

・前半エピソード「歌手と殺し屋」 原タイトル:DER SANGER UND DIE MORDER(意訳:歌手と殺し屋)

 ローダンたちがベングエルとジュアタフの合同船団を率いてハンガイ銀河の最後の1/4に接近すると……、という話。

 ハウリ人の決死隊が、イマーゴ暗殺のためわざわざジュアタフ・ロボットの船に偽装して接近してきたのに、ここぞというところで「攻撃ボタンと自爆ボタンを押し間違えて自滅」というオチに苦笑。まあサラアム・シインの出番を作るために仕方なかった感はありますが、あれだけ準備してこの結末は……



・後半エピソード「炎の嵐」 原タイトル:FEUERSTURM(意訳:炎の嵐)

 銀河系船団とベングエル・ジュアタフ合同船団は、炎の侯爵アフ=メテムの攻撃「炎の嵐」の前に大ピンチに陥るが……、という話。

 久々にローダン・シリーズで「これはないだろう……」という話に出合いました。話の9割がたを読んでもまだローダンとアトランが敵の基地に突入すら出来ておらず、一体これでどうやって決着をつけるのかと思ったら……

 それ以降、敵の基地は全く警備されていなかったためローダンとアトランは簡単に制御ステーションを制圧して炎の嵐を止めてしまい、さらに怒って駆け付けて来た炎の侯爵アフ=メテムは逆に炎の嵐で攻撃されてあっさり死亡……

 いくらなんでもこれはない。前話あたりでヒルダルは「支配者ヘプタメルと六大侯爵は超越知性体級の存在」云々と語っていましたが、超越知性体クラスがこんなに簡単に下等生物に殺されてしまっていいのか……、読み終えた後に苦笑というかがなかなか止まりませんでした(笑)

 P242のスィ・キトゥの台詞「してみるべきだ、地球人」は、「~テラナー」と訳すべきなのでは? 
 
 
 

675巻~700巻(「タルカン」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

perry-r.hatenablog.com

ローダン・シリーズ翻訳者一覧は以下へどうぞ

perry-r.hatenablog.com