【SF小説】感想「タルカンへの急使」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 694巻)(2023年8月2日発売)

タルカンへの急使 (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-694)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150124167
タルカンへの急使 (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-694) 文庫 2023/8/2
エルンスト・ヴルチェク (著), クルト・マール (著), 工藤 稜 (イラスト), 星谷 馨 (翻訳)
出版社:早川書房 (2023/8/2)
発売日:2023/8/2
文庫:272ページ

【※以下ネタバレ】
 

《シマロン》ら三隻はハンガイ銀河からの脱出をめざすが、オーグの意志を受けこの宙域に留まるとベングエルの船団がやってきた!


時空断層内のハウリ人のかくれ場から脱出した“シマロン”ら三隻は、ハンガイ銀河からの脱出をめざす。だがその中間静止ポイントで、オーグ・アト・タルカンから「いまいるこの場所で未来を約束する出来ごとが起きる。それを目撃するため、ここにとどまらねばならない」と連絡が入る。半信半疑ながらその宙域にとどまると、やがてベングエルの巨大船団が到着。“完結のシグナル”を受け取ったのでやってきたというが…。

 

あらすじ

◇1387話 完結のシグナル(エルンスト・ヴルチェク)(訳者:星谷 馨)

 NGZ447年12月。ブルたちはハウリ人の構造亀裂を逃れたあと、ハンガイ銀河からの離脱を目指して航行していた。ところがオーグ・アト・タルカンは謎の存在からメッセージを受信したと主張してある宙域に留まるように要請し、やがてそこにベングエル種族とジュアタフ・ロボットの船団が到着した。ベングエルたちは完結のメッセージを受信したといって近傍の惑星ワリキに着陸したが、そこにヴェンノク種族が様子見に現れた途端、自我を喪失した抜け殻と化してしまった。謎の存在はブルたちに「パーツが足りないため完結しなかった」という謎の言葉を告げて消えた。(時期:NGZ447年12月21日~12月25日)

※初出キーワード=惑星ワリキ


◇1388話 タルカンへの急使(クルト・マール)(訳者:星谷 馨)

 ブルたちは一旦《バジス》と合流した後、ローダンとアトランたちに最新の情報を伝えるため宇宙船《シマロン》でタルカン宇宙へと出発した。ところが宇宙間の境界を越えようとした途端、船内に異常が発生し、さらに宇宙的勢力の一人「エントロピーの母」スィ・キトゥが出現した。スィ・キトゥは《シマロン》の宇宙間移動は失敗する筈だったが、ある理由から自分が手助けしたと告げて姿を消し、さらに《シマロン》の乗員ベネカー・ヴリングは“それ”の使者だと判明した。《シマロン》はハンガイ銀河の最後の1/4である第四クォーターに到着した。(時期:NGZ447年12月30日~448年1月10日)

※初出キーワード=無し


編集部からのお知らせ

 前巻693巻では「宇宙ステーション《ウリアン》」と表記していたが、ウリアンは宇宙船ではないので名前に「《 》」は付けないことにしたとのこと。


あとがきにかえて

・高校時代の同級生の故Y氏の話。


感想

・前半エピソード 原タイトル:SIGNALE DER VOLLENDUNG (意訳:完結のシグナル)

 ブルたちがジュアタフ種族とベングエル・ロボットに遭遇する話。

 エスタルトゥが発したらしい謎のメッセージも届いたので、「もうそろそろジュアタフたちの奇行に説明がつくのか?」と期待して読み進めたら、散々引っ張った挙句に結末が「パーツが揃わなかったので完結しなかった」だったので苦笑しました。これは謎解きは700巻までかかるに違いない……



・後半エピソード 原タイトル:KURIER NACH TARKAN(意訳:タルカンへの急使)

 ブルたちがタルカン宇宙へと向かう話。

 マールの持ちキャラ「エントロピーの母」「熱力学第二法則の守護者」ことスィ・キトゥが再登場。このサイクルはエスタルトゥに支配者ヘプタメルにスィ・キトゥに、と超越存在の大安売り状態です。


 脱字が一か所ありました。
 P259
 誤)動かすかもしれなから
 正)動かすかもしれな<い>から
 
 
 

675巻~700巻(「タルカン」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

perry-r.hatenablog.com

ローダン・シリーズ翻訳者一覧は以下へどうぞ

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