【SF小説】感想「最後のクロノフォシル」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 630巻)(2020年12月3日発売)

最後のクロノフォシル (宇宙英雄ローダン・シリーズ630)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150123071
最後のクロノフォシル (宇宙英雄ローダン・シリーズ630) (日本語) 文庫 2020/12/3
H・G・エーヴェルス (著), マリアンネ・シドウ (著), 渡辺 広佐 (翻訳)
出版社 : 早川書房 (2020/12/3)
発売日 : 2020/12/3
文庫 : 287ページ

【※以下ネタバレ】
 

ローダンはポルレイターの指示にしたがい、最後のクロノフォシルとなるエデン2の探査のため、"ろ座の賢者"の力を借りるが……


最後のクロノフォシル活性化に向けて“バジス”でテラを出発したローダンは、エデン2のポジションを探すため、球状星団M‐3にいるポルレイターにアドバイスをもとめた。ポルレイターによればろ座に住む知性体種族ノクターンがなんらかのヒントをあたえてくれるかもしれないという。ローダンはろ座をめざすことにした。だが、同じころ、マグス・コヤニスカッツィと名乗る謎のヒューマノイドが登場し、暗躍をはじめた!

 

あらすじ

◇1259話 エデンへの道(H・G・エーヴェルス)(訳者:渡辺 広佐)

 ローダンたちは、エデンIIの位置情報を求めて、ポルレイターや「ろ座」銀河の種族「ノクターン」の長老「ろ座の賢者」を訪問するが、成果は無かった。しかしゲシールは体内の子供の力で、《バジス》乗員が一種の集合精神を形成すれば、プシオン・ネットを経由してエデンIIに到着できることに気が付き、《バジス》は遂にエデンIIを発見した。一方、マグス・コヤニスカッツィことエレメントの支配者も、ヴィールス船の乗員を利用することで同時にエデンIIへ到達し、奇襲攻撃で“それ”と《バジス》乗員を麻痺させてしまう。唯一動けるのはゲシールだけだった。(時期:不明:NGZ429年4月頃)

※初出キーワード=デヴォレーター、ろ座銀河、ノクターン、ろ座の賢者、プシクロトロン


◇1260話 最後のクロノフォシル(マリアンネ・シドウ)(訳者:渡辺 広佐)

 エレメントの支配者とは、一億年前に「カーン銀河」に誕生した種族「ヴ・アウペルティア」が、ネガスフィアの力を利用することで進化して生まれた超越知性体だった。そのため、エレメントの支配者はネガスフィアを消滅させようとする秩序の勢力と敵対していた。

 ゲシールは、ポルレイターの開発した超兵器デヴォレーターでエレメントの支配者を倒すため、エデンIIへ向かった。そして体内の子供の助けを借りることで、エレメントの支配者を撃退し、エデンIIを解放した。“それ”は感謝の証としてゲシールに細胞活性装置を贈り、また半年かけて自分が元の力を取り戻すまでエデンIIの活性化を待つように伝言する。しかし焦るローダンは指示を無視すると決め、失望したゲシールは単身地球に戻るとヴィールス船でどこかに旅立ってしまった。ローダンはエデンIIの活性化を強行するが、《バジス》から消えてしまった。(時期:~NGZ429年4月8日)

※初出キーワード=カーン銀河、ヴ・アウペルティア種族


あとがきにかえて

 九月に伊豆大島に行った話。


感想

 前半エピソード … 原タイトル:DER WEG NACH EDEN(意訳:エデンへの道)

 やたらイベントが多いエピソード。「ポルレイターと会ってデヴォレーターの話を聞く」→「ろ座に行ってろ座の賢者と会う」→「パラ露の回収」→「エデンIIへの行き方が解る」→「到着した途端にエレメントの支配者に攻撃される」と、いつものシリーズ作品の三倍くらいの密度があり、なかなかの読み応えでした。

 あと、しれっと、エーヴェルスのオリジナルキャラ「ギフィ・マローダーとバス=テトのイルナ」も復活させているし。マローダーは必ず物語の焦点となる場所に顔を出してくるな(笑)



 後半エピソード … 原タイトル:DAS LETZTE CHRONOFOSSIL(意訳:最後のクロノフォシル)

 シドウが595巻・1189話「さらばマスクの男」以来久々の登場(というか、このサイクルはあともう一回しか書かない様ですが……) いつも余裕の“それ”が大ピンチに陥るという珍しいエピソード。大半はゲシールがエデンIIの上をうろうろしているだけで、終盤20ページほどに物語の語るべき大部分が詰まっているというアンバランス構成。まあそれなりには面白かったです。
 
 
 

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