【SF小説】感想「時の囚われ人」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 601巻)(2019年9月19日発売)

時の囚われ人 (宇宙英雄ローダン・シリーズ601)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122474
時の囚われ人 (宇宙英雄ローダン・シリーズ601) (日本語) 文庫 2019/9/19
デトレフ・G・ヴィンター (著), H・G・フランシス (著), 渡辺 広佐 (翻訳)
文庫: 285ページ
出版社: 早川書房 (2019/9/19)
発売日: 2019/9/19

【※以下ネタバレ】
 

アトランは船団を率いてさきに銀河系へ帰還し、無限アルマダの来訪を伝える。だが、報告の場に仮面エレメントが潜入していた……


クロノフォシルとは、これまでの歴史においてペリー・ローダンが各地にのこしてきたポジティヴなプシオン・シュプールだった。これを無限アルマダが活性化することで、やがてはトリイクル9が本来のポジションにもどれるのだという。ローダンがそれを知って、無限アルマダ再組織のためM-82にのこる一方、アトランひきいる《ソル》は銀河系へ帰還の途につく。ところがその途中、タウレクが《シゼル》でやってきた……!

 

あらすじ

◇1201話 宇宙モザイク(デトレフ・G・ヴィンター)(訳者:渡辺 広佐)

 NGZ427年9月。アトランは銀河系船団を率いて故郷銀河に戻り、銀河系種族の代表たちに最新の状況を報告したが、その情報は全て十戒に漏洩していた。そのあと、タウレクはアトランに、トリイクル9がかつて存在していた場所「深淵」でトリイクル9帰還の準備をするように指示し、アトランはサリク・カルフェシュとともに「深淵」に向かった。NGZ427年12月。ローダン率いる無限アルマダはついにアンドロ・ベータに到着するが、十戒の罠にはまりローダンは誘拐されてしまった。(時期:NGZ427年9月30日~12月1日)

※初出キーワード=深淵、時空エンジニア、コル銀河、コルトランス、深淵税官吏



◇1202話 時の囚われ人(H・G・フランシス)(訳者:渡辺 広佐)

 誘拐されたローダンは、十戒のアンドロイド「ウェイリンキン」と共に、過去2402年9月に送られ、ツーノーザー種族が存在しているモビーに回収される。ウェィリンキンはツーノーザーたちに、彼らが四日後には島の王たちにより絶滅させられることと、ローダンこそがその責任を負うべき存在だと教える。パニックに陥ったツーノーザーはローダンに銃弾を撃ち込むが、弾丸が突然停止した。(時期:不明。NGZ427年12月頃)

※初出キーワード=ウェイリンキン


あとがきにかえて

 俳句の話&健康診断にひっかかって精密検査を受けた話。


感想

 前半エピソード … アトランたちが謎の「深淵」に出発する話ですが、どう考えても絶対帰ってこれない無理な仕事を押し付けられたようにしか見えないという……、本当にコスモクラートは大事なことは何一つ説明しませんよね。アトランがキレるのも良く解ります。

 それはさておき、どうも劇中の日付がおかしい……、1197話「プシ・ショック」が5月28日ころの話なので、ローランドレ掌握は余裕を見ても6月上旬のはず。そしてアトランが銀河系に帰って来たのが9月30日。ロワ・ダントンたちが銀河系に帰って来た時の記述から、1000万光年の旅の所要時間は一か月程度、とすると、三か月くらい計算間違いしているとしか思えないのですが……


 後半エピソード … 誘拐されたローダンが過去に送られて大苦労する話。ツーノーザーとかモビーとかもう懐かしすぎますが、「バイオ寄生体」とか「エネルギー警察」とかは完璧に忘れ切っていて、そんな設定ありましたっけ状態。それに十戒が何を意図しているかサッパリわからないので、読んでいてあんまり面白くなかったです。
 
 
 

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