【SF小説】感想「永遠のオルドバン」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 600巻)(2019年9月5日発売)

永遠のオルドバン (宇宙英雄ローダン・シリーズ600)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150122466
永遠のオルドバン (宇宙英雄ローダン・シリーズ600) (日本語) 文庫 2019/9/5
クルト・マール (著), 星谷 馨 (翻訳)
文庫: 271ページ
出版社: 早川書房 (2019/9/5)
発売日: 2019/9/5

【※以下ネタバレ】
 

ローダンとともにローランドレに到達したアルマダ王子ナコールは、銀色人の妨害を受けて進むうち、なくした記憶をとりもどした!


行方不明の偵察隊メンバーの使者と称するトルクロート人からメッセージを受けとり、友たちの危機を予感したローダンは、アルマダ工兵の罠と知りつつ、ナコールとともにローランドレに潜入する。そこでナコールのアルマダ王子としての記憶がとりもどせるかもしれないと考えたのだ。だが、ローランドレを掌握したアルマダ工兵に追い詰められてしまう。窮地におちいったかれらを謎めいたヒューマノイドが助け、道を開いた!

 

あらすじ

◇1199話 アルマダ王子、最後の勝負(クルト・マール)(訳者:星谷 馨)

 ローダンとナコールは、謎の小男の助けを借りながら、ローランドレの中心を目指した。一方、アルマダ工兵は二人を捕まえるため、トルクロート人数百万人をローランドレに呼び込んだ。しかし、ローダンとナコールは追跡を振り切って「星々のホール」にたどり着き、遂にナコールは全ての記憶を取り戻した。ナコールはローランドレを掌握し、アルマダ工兵たちは敗北した。(時期:不明。NGZ427年5月頃)(「無限アルマダ」サイクル完結)

※初出キーワード=タッサウィ種族、ザヌルル種族、ノル・ガマナー、サドレイカル人



◇1200話 永遠のオルドバン(クルト・マール)(訳者:星谷 馨)

 遥かな過去。「ベハイニーン銀河」の「ノル・ガマナー帝国」の伝説的艦隊司令官オルドバンは、戦場で戦死するものの、その精神は特殊技術で保管され、やがて帝国の歴史を記念する巨大構造物ローランドレが完成すると、その象徴として復活した。

 数千年後。帝国は内戦で消滅しローランドレは忘れ去られたが、オルドバンの前にコスモクラート・ティリクが現れ、「宇宙のモラルコード」の監視を依頼した。モラルコード、別名「無限の守護者(アルマダ)」とは宇宙の遺伝子コードに相当し、秩序の勢力はこれを守り、混沌の勢力はこれを改変しようと、果てしなく争い続けていた。オルドバンは、その一部「トリイクル9」の監視を任され、コスモクラート技術を使って周辺の銀河の種族を呼び集め、一万年以上をかけて巨大監視艦隊を作り上げた。

 しかし、ある時突然トリイクル9は姿を消し、オルドバンはトリイクル9を探すため、「無限アルマダ」と名付けた監視艦隊を率いて、全くあても無い旅に出発した。数百万年経っても何の成果も得られないなか、オルドバンは自身の消滅を予期し、後継者「アルマダ王子」を生み出し、記憶を封印して旅立たせた。やがて無限アルマダはトリイクル9を発見するが、フロストルービン突入のショックでオルドバンの精神は分裂状態となり事実上死を迎えた。

 カルフェシュは、過去にローダンが様々な成果を上げた場所を「クロノフォシル/歴史の化石」と呼び、ローダンが無限アルマダを率いて各クロノフォシルを通過することで、フロストルービンの封印が少しづつ解除され、またオルドバンが復活に近づくことを教える。ローダンはアルマダ工兵にM-82銀河の復興を命令し、またナコールから無限アルマダの指揮権を引き継いだ。(時期:不明。NGZ427年5月頃)(「クロノフォシル」サイクル開始)

※初出キーワード=ベハイニーン銀河、ノル・ガマナー帝国、マルカトゥ歴、サドレイ星系、惑星サドレイカル、艦隊スラング、無限の守護者(アルマダ


あとがきにかえて

・600巻到達のお祝いの言葉
・今後の仮題(1201話~1250話)


感想

 前半エピソード … 「無限アルマダ」サイクル最終話、なのですが……、ものすごくあっさりしたラストで拍子抜け。まあ、ナコールが目的地に到着し、記憶を取り戻して大勝利、なのですから、ハッピーエンドではあるのですが、あまりにも淡白な決着でした。


 後半エピソード … 新サイクル「クロノフォシル」開幕。いきなり数百万年に及ぶ無限アルマダの物語が展開されて物凄い密度でした。しかし秩序と混沌の対立とか、宇宙の遺伝子コードとか、ローダンが色々やった事で聖地的な「クロノフォシル」が誕生しているとか、クロノフォシル巡りをすることでトリイクル9もオルドバンの問題もまとめて上手く解決するとか、「ペリー・ローダンも昔とは全然違う場所に来たなぁ」感が凄いです。

 ところでローダンがアルマダ工兵に「トルクロート艦隊90万隻を使ってM-82を再興する」という仕事を与えましたが、もしそのまま銀河系に攻め込まれたら、対処の仕様がないのでは? 無限アルマダがあるとはいえ、ゲリラ戦術とか取られたらどうしようも無い様な気が……
 
 
 

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