感想:オカルト系番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」『File-27 超常映像スペシャル2019』(2019年12月30日(月)放送)

UFO事件クロニクル

ダークサイドミステリー http://www4.nhk.or.jp/darkside/
放送 NHK BSプレミアム

【※以下ネタバレ】
 
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d.hatena.ne.jp
 

『File-27 超常映像スペシャル2019』 (2019年12月30日(月)放送)

 

内容

https://www4.nhk.or.jp/darkside/x/2019-12-30/10/2282/1623657/
12月30日月曜
NHKBSプレミアム 午後9時00分~ 午後11時00分
幻解!超常ファイル「2時間スペシャル!超常映像2019」


あなたの常識を破る衝撃映像が次々と!美しくカラフルな巨大UFO着陸?中国の大河に怪物?世界的大ヒット作の妖精が実在?米軍がUFOを認めた?あっと驚く正体に迫る


「なにこれ?」「どうなってるの?」2019年、人々を驚かせた不思議映像を徹底検証!映像でびっくり&謎解きで納得、で楽しい年末を。▽東京騒然!月が分裂し踊った?▽戦闘機が撮影!米軍が認めたUFO映像?▽巨大UFOが空港襲撃?▽軍隊対UFO極秘映像?▽ネッシー大ウナギ?▽中国に巨大未確認生物?▽ロシア山中に白い巨人?▽学校公認のポルターガイスト?▽下町の夜空に一反もめん?▽磁場異常?自動車が宙を舞う!

 

●2019年4月 ノルウェー北部 分裂するUFOが地球を襲撃!?

 2019年4月5日午後10時頃。ノルウェー・ベステルオーレン諸島で、空に巨大な四つの光が出現。しばらくするとその下に小さな四つの光が現れ、さらにその下にまた四つの光が。さらに最初の光の横に新たな光が現れ、目撃した人々は騒然となった、これは異星人の侵略なのか!?


<真実>
 実は近くのアンドーヤ宇宙センターから打ち上げられたロケットによる実験の結果。NASAがオーロラのでき方を調べるため、光る物質を何回にも分けてロケットから放出し、そのためUFOが次々と出現したように見えた。


 同様の現象は各地で目撃されている。

・2007年9月2日。鹿児島上空で赤く光る物体が目撃され、関東からも見えたという。→鹿児島の宇宙観測所から打ち上げられたロケットが同様の実験を行ったもの。「宇宙花火」と呼ばれた。

・2015年9月・アメリカ・フロリダ州マイアミ空港上空で、真横に飛ぶオタマジャクシの様な光る物体が目撃された。→打ち上げられたロケットの燃焼ガスが朝日に照らされて謎の物体に見えた。

・2009年12月・ノルウェーで渦巻き状の光が目撃された→ロケットの燃焼ガス。ただし、ミサイルが切り離しに失敗し、二か所からガスを噴き出しながらバランスを崩して飛んでいたので渦巻に見えた。



●イラン軍 VS. UFO 一斉射撃を受ける宇宙船!?

 2019年9月。イギリスの新聞がネットで話題となっている「イラン軍が国境近くでUFOを攻撃した」という動画について報じた。動画は、深夜、猛烈な銃撃の中を光る何かが右に左に飛びまわる様子が記録されていた。


<真実>
 実はこれは異星人との戦闘記録では無く、アメリカでマシンガンをぶっ放す世界最大のイベント「ビッグ・サンデー・シュート」の映像。このイベントは、アリゾナ州で年に二回開催され、各人が持ち込んだマシンガンを三日三晩撃ちまくるというもの。ここでは、目標として「ターゲット・ドローン」という無人ラジコン飛行機を飛ばす。問題の映像は、夜の部でターゲット・ドローンを撃ち落とそうと撃ちまくっているシーンだった。

 元々この映像はイラン人らしきアカウントが「イラン国境でアメリカの無人スパイ機を攻撃した時の映像」として投稿された物。ところがいつのまにか相手がUFOということになって拡散されてしまった模様。



●2019年8月 ふしぎな光の輪を描くUFO編隊!?

 2019年8月3日。アメリカ・オハイオ州シンシナティ。午後9時頃、空に四つの光が一直線に並んだかと思うと、スッと消え、またついた途端にその場を旋回し始めた。この動きは照明弾でも飛行機でもあり得ない。UFOか?


<真実>
 正体は花火を足に装着したスカイダイバーたち。スカイダイバーは「チーム・ファストラックス」に所属する人たちで、足に花火やスモークを付けつつ落下しイベントを盛り上げるという仕事をしている。



●2019年9月 中国・湖北省 長江に現れた巨大生物

 2019年9月10日。長江で水中を川上へ進む15メートルほどの巨大な蛇のような物体が撮影され、大騒ぎとなった。龍か、巨大ウナギか、ウミヘビか?!


<真実>
 一週間後、水中から長さ20メートルのゴム製エアバッグが回収された。これが引っかかって水に揺れる様が巨大生物に見えただけ。

 実は2012年2月2日に、アイスランド・ラーガルフリョート湖でも同様に、水中を進む伝説の生物らしき映像が撮影されていたが、周囲の物と比較すると全く前に進んでおらず、網の様なものが水に揺られているだけとされた。長江の物体も同様に全く前に進んでいなかった。こういう物体を発見するとアップで撮影しがちだが、冷静に周囲と比較すると真実が判明する。



●2016年11月 ロシアで撮影!! 雪山を駆けるイエティ!?
 
 2016年11月、ロシア・イレメリ自然公園で、深夜旅行者の車の前を横切る二足歩行の白い生き物が撮影された。実はロシアでは、2011年にはケメロボ州でイエティと思しき足跡や体毛が見つかっている。ついに幻のイエティが撮影されたのか?!


<真実>
 多分密猟者。現地はヘラジカやクマの生息地だがハンティングは禁止されている。密猟者が白い防寒服を着ているところが目撃されたのであろう。



●2019年6月 アメリカ・コロラド州 有名なあの妖精が出現!?

 2019年6月1日。午後8時59分。アメリカ・コロラド州ラフンタの民家の前を映した防犯カメラに、白く発光し手足の細長い謎の生き物がふらふらと歩いていく姿が記録されていた。その姿はハリー・ポッターに登場する妖精ドビーそのもの。そばの車や窓にも姿が写っており、加工映像とは思われない。妖精が現れたのか?!


<真実>
 カメラは赤外線モードで撮影されていた。この場合、人体は赤外線を良く反射するので光輝いて見える。つまり、この映像は、子供くらいのサイズの生き物が頭に布をかぶり裸で歩いていると考えると説明がうまく合う。細く見えるのは、光が当たらないところは黒く見えてしまうためで、コントラストを強調すると普通の人の体形に見える。あと、この妖精が出てくる前に家のドアが開くような影が映っている。そしてこの家には9歳の息子が住んでいる。親は夜に息子は外に出ていないと言い、子供自身も否定しているが……、つまりそういうことだろう。



●『今年話題の超常現象事件 Part1』 ネッシーは巨大ウナギだった!?

 2019年9月5日のイギリスの報道。科学者がネス湖の怪物は巨大ウナギかもしれないと語る。ネッシーの正体は、首長竜、オオチョウザメ、ヨーロッパ巨大ナマズ、アザラシ、等いろいろ推測されてきた。

 ニュージーランド生物学者ジェメル教授は、2018年6月からネス湖の250か所の水のサンプルを採取しDNAを分析した。そして爬虫類もチョウザメナマズもDNAは見つからなかったが、ウナギがたくさん住んでいることを発見した。教授は「ウナギの中には大きいやつもいるかもね」程度の発言をしただけだったが、マスコミは「ネッシーは巨大ウナギ?」と書き立てた、という次第。ちなみに今までに世界で見つかったウナギで一番大きなものは180センチ程度である。



●深夜の校舎で大暴れする学校公認のポルターガイスト

 2017年10月1日。アイルランド・コーク。ディアパーク・クリスチャンスクール・ブラザーズ高校。深夜3時、校舎の監視カメラに「ドアが勝手に開く」→「ロッカーが揺れ動く」→「ロッカーの中身が飛び出す」→「床の看板が吹き飛ぶ」という様子が撮影されていた。さらに10月26日には椅子が床の上を移動していくさまが映っていた。この映像は高校の公式チャンネルに投稿され大評判となった。

 現地に行ってみると、監視カメラで撮影したという割には、カメラの位置と実際の映像の角度が明らかに異なっている。また二つ目の動画は椅子の脚に紐を付けてカメラのフレームの外から引っ張ったとするとつじつまが合う。

 ちなみに、学校は公式サイトで「これが本物かいたずらか、決めるのはあなただ!」とノリノリだし、生徒もあまり真偽は気にしていない模様。アイルランド妖精伝承などの国なので、そのあたりの真偽にはこだわらない気風なのかもしれない。



●身近な謎の飛行物体を大追跡

・夜に出現する空飛ぶ妖怪

 取材班は、墨田区葛飾区の間の荒川沿いで、夜に光り輝く一反木綿の群れを発見した。以前番組では2011年3月25日に熊本で撮影された一反木綿を紹介した。これは近くの畑から飛んだ農業用ビニールハウスだと推測された。

→正体はLEDで光り輝く電飾ダコ。以前は尻尾無しで飛ばしていたが、これではUFOに誤解されやすかったので尻尾を追加したが、すると今度は一反木綿に見えてしまったというわけ。



・首都圏騒然! 分裂する月のダンス

 2019年9月から10月にかけて、東京の空で月が分裂したり一つにもどったりする、という奇怪な現象が目撃された!!

→正体は今年開業した渋谷の商業ビルから照射されているサーチライトによるイベントだった。



・幻解!超常ファイル劇場 キレイな夜景に潜む罠!?

 スマホで夜景を撮影すると、その時は気が付かなかった奇妙な光が写っている。これはUFO?

→強い光がレンズの中で反射を繰り返してできた「ゴースト」の可能性が高い。スマホは小型化するためカメラのレンズを何枚も重ねているのでゴーストが起きやすい。同じ画面に強い光源が写っていたら、その光源のゴーストの可能性大。



●『今年話題の超常現象事件 Part2』 アメリカ軍がUFOを認めた!?

 2017年、ニューヨークタイムズなどが、アメリ国防省が出どころと思われる謎の物体を撮影した三つの映像を公開した。撮影したのはF18戦闘機のパイロットとされ、赤外線カメラの映像とされる。

 第一の映像:撮影時期は2015年1月21日。撮影場所はフロリダ州沖合。高度7600メートル。時速440キロ。風に逆らって飛ぶ楕円形の物体を撮影。

 第二の映像:撮影時期は2004年11月14日。撮影場所はカリフォルニア州サンディエゴ沖。高度6000メートル。時速460キロ。楕円形の旅客機サイズの物体。方婚転換し急加速して姿を消す。

 そして、2018年3月に第三の映像が流出。

 映像を元自衛隊パイロットにみてもらうと、翼・エンジン・プロペラが全て見当たらず、何故飛行しているのか不明。球電は数秒で消えるし、時速400キロで飛行するものでもない。火球・隕石はもっと高空で燃え尽きるし、燃え尽きなかったものとしても方向転換することはあり得ない。つまり正体不明。

 さらに2019年9月になって国防総省は、これが未許可で流出した映像である事を遠回しながら認めた。つまりこれはフェイクではなく本物の映像だった。さらに軍は写っているものを「未確認空中現象(Unidentified Aerial Phenomena|UAP)」と分類しているとした。そして「宇宙人の乗り物と認めている訳ではない」とも付け加えた。

 実はUFOという言葉はあくまで「未確認飛行物体」であって「宇宙人の乗り物」という意味はない。また軍のパイロットは未知の物体や現象に遭遇することはまれにあるという。しかし「UFOに遭遇した」と報告すれば、UFOビリーバーと思われて失職すると恐れ、口をつぐんで来たという。軍はそういう認識を変えようと「UAP」という言葉を使い、積極的に報告するようにさせているという。

 また軍は以前は「未確認物体がアメリカの空を飛んでいる」という事を国防上の弱点ととらえ認めようとはしなかった。しかし最近は未知の事は解らないと認めて調査する方向に方針転換しているという。

 結局この映像の物体が何なのかは現時点では謎のままである。



●2018年8月 カナダ・オンタリオ州 謎の発光現象で車が飛んだ!?

 2018年8月28日夜8時31分。オンタリオ州バリー。赤外線カメラの前を謎の発光物体が横切ると、直後前の道路を走っている車が空中に浮いていた。これは謎の発光物体が無重力を発生させ、車を浮かせたのか!?


<真実>
 まず謎の発光物体はカメラの前を横切った虫だと推測される。羽の生えた虫が羽ばたきながらカメラの前を横切ったため、高速の物体がぶれて映る「モーションブラー現象」が発生し、ギザギザの物体に見えたと思われる。いわゆる「スカイフィッシュ」の撮影と同じ現象。

 車の飛行は、本当に飛んでいた。現場は坂の上に有り、猛スピードで上り坂を走って来た車が30メートルの大ジャンプをしていた。

 つまりこの映像は「スカイフィッシュ」と「車の大ジャンプ」を同時に捕えた奇跡の映像だったのである。



●2017年香港 再生回数700万回! ヘリコプターが天に召される瞬間

 2017年香港の港でヘリコプターが飛び立つが、ローターが全く回転していない。そして羽が回っていない状態のままどこかに飛び去ってしまった。フェイク画像か?


<真実>
 映像はドイツのブロテレビカメラマン・フェイ氏の撮影したもの。スマホのフレームレートを30コマにして撮影したという。つまり一秒間に30枚の静止画を撮影したことになる。そしてローターは一秒間に6回転する。つまりスマホには各コマで五枚の羽根が1/5回転ずつする様子が撮影されているのだが、羽根の形は全部同じなので回っているように見えず、ずっと止まったままのように見えているのである。



●世界各地で飛行機の空中停止現象が発生!

 2018年 アメリカ・テキサス州・ダラス・フォートワース空港。着陸中の飛行機が空中で止まっている状況が撮影された。同じことは、2017年ロシア・モスクワ・ヴヌコヴォ国際空港でも空中停止が何度も目撃されている。一体何が起きているのか?


<真実>
 単なる錯覚。

 錯覚の理由の一つは、撮影したのは車の中からで、道路が飛行機の針路と並行に走っているということ。これでは互いの速度が解りにくい。もし飛行機が目の前を横に横切ったなら、その移動距離は一目でわかる。ところが平行にすれ違うようなコースだと、相手がいくら早く飛んでいてもあまり進んでいるように見えない。さらに人間は距離の情報が無いと対象を近くに感じやすいため、飛行機が実際の距離より近くにいると思ってしまう。遠方の物体が相当の距離を移動しているのに、近くの物体がほんの少ししか動いていないように感じてしまう。

 また第二の理由は飛行機との間に林があること。林の木が高速で後ろに流れていくのに幻惑されて、相対的に飛行機はまるで動いていないようにみえてしまうのである。



●2018年世界中を震え上がらせた「見えない壁」の恐怖

 2018年「ゴースト・クラッシュ」というタイトルの動画が話題に。車が何かに衝突して吹っ飛ぶ映像集なのだが、相手が写っていない。見えない壁にぶつかったというのか?


<真実>
 オリジナルはイタリアの映像作家ドナート・サンツォーネ氏の作成した映像作品で、交通事故映像から片方の車を消したもの。ところが誰かが作者クレジットを削除し、心霊画像として拡散させた模様。



●2018年1月 中国・北京 走行中の車が突然宙に舞い上がる!

 2018年1月31日。中国の巨大SNSサイトに「会社のビルの下にマグニートー現る」と題する9秒の動画が投稿された。マグニートーとは映画「X-メン」シリーズに登場する磁力を自在に操る超能力者の事。映像は、道路を走る二台の車が突然空中に持ち上げられる様が写っていた。


<真実>
 2月9日。前回の投稿者が真相として、映像はCG加工されたものだと種明かしした。投稿者は中国の車のCMなどを作る会社の社員で、社長が技術を一般の人にも知ってほしいと投稿させた物だった。


感想

 超常映像二時間ぶっ続けスペシャルで、もうオカルトスキー大満足の回でした。

 大半の映像は「実はXXでした」という真相付きで、それはそれでいいのですが、アメリカ軍から流出した映像が「真偽不明」というのには大興奮しましたね。オカルトスキーは、適当なインチキ映像では満足するほど甘くは無く、フェイクならフェイクと真相が解明された方がよほど良いんです。

 だからこそ「専門家が寄ってたかって調べたものの、結局何か解明できなかった。正体不明」というやつが見つかると震えるほど感激します。今回まさにそういうのが見れて本当に良かった。ヽ(´▽`)ノ
 
 
 

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d.hatena.ne.jp
 
 

番組概要

http://www4.nhk.or.jp/darkside/26/
UFO、ネッシー、雪男、予言&占い、心霊現象、超古代文明、妖怪、吸血鬼、魔女…。闇の魅力がもつ妖しげな幻に対して、「今、何がどこまでわかっているのか?」を徹底検証!そこから浮かぶのは、自然の神秘、私たちの脳や心の不思議なメカニズム、社会のからくり、昔の人の驚くべき技術と想像力…。ダークサイドの向こうの“本物の不思議”をワクワクしながら楽しんでいただく、NHKならではの超常現象ガチンコ検証番組!


出演者 栗山千明 (くりやまちあき)

テーマ曲: 志方あきこ
オープニング曲“Arcadiaアルカディア)”
エンディング曲“Leyre(レイレ)”
アルバム名/ “Turaida(トゥライダ)”

語り: 中田譲治(声優、俳優、ナレーター)
代表作 『巌窟王』(モンテ・クリスト伯爵)、『ケロロ軍曹』(ギロロ伍長)、『HELLSING』(アーカード)、『Fate/Zero』(言峰綺礼)、『劇場版 空の境界』(荒耶宗蓮)など

 
 
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