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夢見者カッツェンカット (宇宙英雄ローダン・シリーズ623) (日本語) 文庫 2020/8/20
クルト・マール (著), トーマス・ツィーグラー (著), 鵜田 良江 (翻訳)
発売日 : 2020/8/20
文庫 : 271ページ
出版社 : 早川書房 (2020/8/20)
【※以下ネタバレ】
地球に送りこまれた"夢の蛾"は、人類の大半をヒュプノ催眠におちいらせた。わずかな免疫保持者たちは、反撃のチャンスを狙う!
技術エレメントの《マシン・ホワイト》からやってきた謎の生命体“テクノ衛星”は、地球のあらゆる通信周波を乗っとり、プシ・インパルスを埋めこんだプログラムを流すことで、ほとんどのテラナーをヒュプノ・トランスにおちいらせた。住民がこの状態ではテラはクロノフォシルになることができない。LFTと宇宙ハンザが専門家たちの協力で解決策を探る一方、ローダンは地球に向かってテラナーたちを救うと決意したが!?
あらすじ
◇1245話 テラの悪霊(クルト・マール)(訳者:鵜田 良江(初))
NGZ429年1月。無限アルマダは太陽系近傍に到着し、ローダンはテクノ衛星/アニン・アンが支配するテラに帰還した。待ち受けていたアニン・アンはローダンの精神に攻撃を加え支配下に置こうとしたか、オルドバンからの呼びかけを聞き、任務を放棄し十戒から離脱した。
アニン・アンはかつて生身の肉体を持っていたころ無限アルマダの一員だったが、体を機械化して不老不死となる計画をオルドバンが許さなかったため、エレメントの支配者の助けを借り無限アルマダから離れた。その後、アニン・アンは過去を忘れ、エレメントの支配者の道具と化していたが、オルドバンの声で過去を思い出したのだった。アニン・アンは再び無限アルマダの一員となった。
ローダンはゲシールから子供が出来たことを知らされた。(時期:NGZ429年1月)
※初出キーワード=なし
◇1246話 夢見者カッツェンカット(トーマス・ツィーグラー)(訳者:鵜田 良江)
過去。ナルツェシュ銀河の支配者だったサーレンゴルト種族は、異銀河のより強大な種族との戦いに敗れ去った。カッツェンカットは、その際エレメントの支配者に命を救われ、以後その道具として4000年間仕えていた。カッツェンカットは、エレメントの支配者の正体が、宇宙の全ヒューマノイドの始祖「古き種族」であることを知った。
テラには、銀河系中から数百万の市民が未知宇宙への衝動に突き動かされて殺到していた。カッツェンカットは暗黒エレメントを召喚して太陽系を包み込み、同時にローダンの精神をゼロ夢に引きずり込んだ。しかしコスモクラート三姉妹は、ヴィールス・インペリウムを崩壊させ情報の嵐を発生させることで暗黒エレメントを攻撃し、暗黒エレメントは狙っていたカッツェンカットの精神を飲み込むと太陽系を立ち去った。ローダンはクロノフォシル・テラを活性化した。(時期:NGZ429年2月3日~)
※初出キーワード=ウィ=ン種族、ナルツェシュ銀河、カオターク、古き種族、映像帽子
あとがきにかえて
鵜田良江氏のローダン翻訳初参加のあいさつ。
感想
前半エピソード … 原タイトル:DER BOSE GEIST VON TERRA(意訳:テラの悪霊)。
テクノ衛星/夢の蛾と化したアニン・アンとの最終決戦のエピソード。ローダンの絶体絶命の大ピンチを、オルドバンが一声かけただけで解決、というのは都合良すぎの様な感は否めませんが、アニン・アンの過去語りとか、最終的にアニン・アンは無限アルマダの一員に復帰、という結末と合わせると、不思議とそれなりに納得できました。そして、ローダンはまた子供が出来ましたか……
後半エピソード … 原タイトル:DIE MACHT DES TRAUMERS(意訳:夢見者の力)。
カッツェンカットの過去語り、エレメントの支配者の正体明かし、暗黒エレメントの不気味な攻撃、カッツェンカット対ローダンの精神バトル、ヴィールス・インペリウムの崩壊、カッツェンカットの衝撃の最期、等、イベントが満載の豪華エピソードでした。
見どころは多いのですが、特にP146~P156の、エレメントの支配者とカッツェンカットの対話のシーンは、台詞の一つ一つがローダンシリーズとは思えないくらい味があり、何度でも読み返したくなりましたね。
ところで、ナコールは、無限アルマダがもう故郷ベハイニーン銀河(かみのけ座銀河団・4億2000万光年先)へと帰るような口ぶりですが、エデンIIに行かないの?
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夢見者カッツェンカット (宇宙英雄ローダン・シリーズ623)
- 作者:クルト・マール,トーマス・ツィーグラー
- 発売日: 2020/08/20
- メディア: 文庫