【エロゲ】「フロントウイング×枕×ライアーソフト代表座談会 アニプレックスが美少女ゲームを作る意義や業界の課題、未来を語る」:アニプレックスがエロゲに参入

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2020.04.11 10:00 更新
フロントウイング×枕×ライアーソフト代表座談会。アニプレックス美少女ゲームを作る意義や業界の課題、未来を語る(1/3) - ファミ通.com
https://www.famitsu.com/news/202004/11193500.html

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 2019年12月、アニプレックスがノベルゲームの新ブランド“ANIPLEX.EXE(アニプレックスエグゼ)”を発足した。「美少女ゲームは売れなくなった」とも囁かれる現在に、“ノベルゲームだから、おもしろい”をテーマに掲げ、美少女ゲームを手掛けてきたスタッフと共に魅力ある作品を贈りだすという。

 しかし一方で、なぜアニメでおなじみのアニプレックスがこのタイミングで美少女ゲームのブランドを立ち上げるのか疑問に思っている人も多いだろう。

 はたして本当に美少女ゲームは売れなくなっているのか。美少女ゲーム業界の第一線は現在どのように進化しているのか。そもそも美少女ゲームやノベルゲームの本質とはなんなのか。

 ファミ通.comでは、アニプレックスエグゼのプロデューサーを務める島田紘希氏と第1弾タイトルに携わる各ブランドの代表に集まってもらい、座談会を実施。美少女ゲームの課題や未来、そしてアニプレックスエグゼが美少女ゲームを題材にどのような作品を作り、どんな方法で業界に切り込んでいくのかを2時間以上に及んだ取材で存分に語ってもらった。

 
 4月11日公開と三週間は前の記事で恐縮ですが、既に瀕死状態の娯楽と化して久しい(と思っている)エロゲ業界の生き残りが何を語ったのか、それを記録に残しておきたくて、ちょっとネタにしてみました。以下引用多めです。
 
 
 

●シナリオボリュームは美少女ゲームの特徴であって、弱さであって強さ

――皆さんが考える美少女ゲームや業界のいいところもお聞きしてよろしいでしょうか。

山川コンシューマゲームってシナリオライターが下っ端扱いされることが多くて、アニメは集団作業でどちらかというと絵が中心の世界なので、シナリオが中心なのは小説か美少女ゲームぐらいなんじゃないのか? って、昨日『ATRI』のシナリオライターの紺野さん(※6)と話していました。

すかぢ美少女ゲームって半年くらいでできるものと、アージュさんの『マブラヴ オルタネイティヴ』やTYPE-MOONさんの『魔法使いの夜』のように手の込んだものの両方を作れるんです。簡素化することもできるし、ものすごく重い演出にすることもできる。それはアニメやラノベではあまりできることではないですね。

山川いまでは効率が悪くなりましたけど、2000年とか2001年ぐらいはコンテンツをもっとも効率よく出力できる媒体だったんですよ。昔はテキスト用量が1MBくらいだったら、スタッフが10人くらいでも頑張れば半年とか8カ月くらいで終わっていた。あと、あくまで2010年くらいまでの特徴ですが、美少女ゲームは話が完結するというのもほかのエンタメと違うところでしたね。

 
<コメント>
 まあね。20年くらい前なら、質の高いシナリオなら、多少絵がしょぼくても、愛好者の間でばーっと「あのゲーム凄いぜ」みたいな話が広まって、一気に売れまくるという、良い感じの関係が出来てました。ニトロプラスの「ファントム」なんか絵がアレで(笑)、手を出した人は少数でしたが、話の面白さが認められた後のヒットぶりと来たら!
 
 
 

美少女ゲームは死んだ? いや、死んでない!

山川美少女ゲームのいいところは、ライアーさんもそうですけど、もっともエッジのとがったオタクの最前線をつねに走ってきたところなんじゃないかなと思います。メイド文化やニーソックスも、もともと一般にはなかったものですし。

すかぢ良くも悪くも、2004年くらいまではどう考えてもエロゲーオタク文化の中では一番新しかったですね。それは確実なんですけど、ほかのメディアにどんどん流出していってしまったんですよ。

 
<コメント>
 確かにゼロ年代の、多分2008年頃まではエロゲはオタ文化の柱の一つだったと思うけど、いつの間にか立場を失ってしまって……、人材が流出した後に次の世代の製作者が入ってこなかったのが問題でしたな。いや、入ってきてはいたのでしょうけど、抜けた人を埋める程じゃなかったのか。
 
 
 

すかぢユーザーの生活スタイルと、PCでプレイするという美少女ゲームのスタイルが合っていないだけで、端末が選べるようになれば業界全体も変わるんじゃないかと思います。自分はiPadで寝ながら本を読むのですが、ゲームをやるときも寝ながらやりたいんです。もうPCでやるのがツラいんですよね。

すかぢスマホ1つでなんでもできるという時代が来たとしたら、美少女ゲームは一定数の需要はあると思うんですよ。じゃないと、今の若い子がやる理由になりません。技術革新でいきなり状況が変わったりするので、「美少女ゲームが死んだ」と言い切るのはどうかなと思っています。

 
<コメント>
 総プレイ時間50時間のゲーム、寝転がりながらやりたいか?みたいな。まあ他人の事は知らんけど、自分だとしたら体がめっちゃ変なこり方しそうでイヤだ。
 
 
 

島田死んでないんですよ!(笑) 死んでないから、今回アニプレックスエグゼという企画を立ち上げたんです! すかぢさんがおっしゃったように、ライフスタイルに合えばおもしろいと思える人たちが絶対にいるジャンルなので、どうやって遊んでもらうかというところに舵をきっていかないといけないだろうなと思います。

島田近年のゲームだと『ぬきたし』もそうだし、『MUSICUS!』(※14)とか『さくら、もゆ。』(※15)とか、めちゃくちゃおもしろくて。それ以外にもたくさんおもしろい美少女ゲームがあるという状況を考えると、何も悲観することはありません。

 
<コメント>
 いや、悲観すべきでしょ? 売り上げの総本数は落ちているんでしょ? パイがめちゃくちゃ少なくなっているのに(という話ですが……)、悲観しないのってそれはそれでヤバいんじゃ……
 
 
 

――美少女ゲームユーザーが高齢化しているという話も耳にします。

山川美少女ゲーム業界が高齢化しているわけではなく、もっと引いてエンタメ業界全体が高齢化していると思うので、気にしなくていいんですよ。

すかぢこれだけは言っておきたいんですけど、うちのメーカーは高齢化していないんです。プレイヤーからのアンケートハガキの中央値はいつでも20代前半です。美少女ゲーム業界自体が歴史が古いのものですけど、それでも若い子がわざわざ選択してやってくれる文化だというのは誇れることだと思います。ユーザーさんにも感謝したいですね。

 
<コメント>
 「サクラノ詩」を若い世代がプレイするって不思議過ぎるよなぁ。モエかんとか発売された時、君ら何歳だったん? みたいな。
 
 
 

アニプレックス美少女ゲームを作る意義

――ここからは、いよいよアニプレックスエグゼについてお聞きしていこうと思います。まずは本プロジェクトの成り立ちについてお聞かせください。

島田その表現で大丈夫なんだろうか?(笑) 成り立ちとしては、僕自身が美少女ゲームやノベルゲームが好きで、こういうものを作れるクリエイターさんやブランドさんと作品を作っていきたいと考えたのが発端です。山川さんの言う部活ではないのですが、会社にワガママを聞いてもらっている立場ではあります。今回のプロジェクトはアニプレックスが「大々的にノベルゲームで稼ぐぞ!」という話ではなく、「君がやりたいと思うなら、そしてそれだけクリエイターたちが素晴らしいというのであれば、一度作ってみたら」と経営陣に許してもらって実現しました。

島田『ATRI』も『徒花異譚』もプレイ時間としてはどちらも10時間以内のボリュームです。いろいろなヒロインがいて選択肢でルートが分岐するというお話の構造ではなく、『ATRI』であれば夏生(主人公)とアトリ、『徒花異譚』であれば黒筆と白姫の2人の話を中心に展開していきます。20~30時間のゲームに慣れ親しんでいるユーザーにとっては物足りないと感じるかもしれませんが、あくまでメインキャラクターたちの物語をしっかり楽しんでほしいという考え方で作っています。

――選択肢は存在するのでしょうか?

島田もちろんあります。『徒花異譚』は、選択の積み重ねでエンディングが変わり、『ATRI』は重要なシーンでの選択肢がエンディングに関わる形です。

 
<コメント>
 まあ、どこそこのブランドがつぶれたみたいなネガティブな話ではなく、新しい資本が入って来る前向きなニュースですけど、アニプレックスってKEYのだーまえ担ぎ出して、Angel Beats!作らせて、玉砕した(※個人の感想であり、他の人の意見を保証するものではありません)過去があるから、またエロゲ関係者と手を組んで仕事してます、みたいな事言われてもなぁ。まあ成功すればそれはそれで良い話ですけどね。

 

●参考

アニプレックスエグゼ第1弾PCゲーム『ATRI』『徒花異譚』は6月配信。価格とオープニング映像が初公開 - ファミ通.com
2020.03.21 13:34
https://www.famitsu.com/news/202003/21195100.html

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