【特撮】感想:特撮「ウルトラQ 4Kリマスター版」第14話「東京氷河期」

ウルトラQ Vol.1 [DVD]

ウルトラQ 4Kリマスター版 NHK https://www4.nhk.or.jp/P5138/
放送 NHK BSプレミアム

【※以下ネタバレ】
 

第14話 東京氷河期

 

あらすじ

ウルトラQ 4Kリマスター版(14)東京氷河期
[BS4K] 2021年06月28日 午後11:15 ~ 午後11:41 (26分)


35mmフィルム原版から4Kリマスター。真夏、空港が氷付けになった。寒波は東京に広がり、街は氷河期の様に!万城目は以前遭遇したペギラの仕業ではないかと推測する。


ある日、真夏にもかかわらず羽田空港が氷付けになってしまう事件が起こる。異常な寒波はやがて東京中へと広がり、街はまるで氷河期のような姿に変貌。万城目は以前南極で遭遇したペギラの仕業ではないかと推測する。もともと35ミリフィルムで制作されていた1966年放送の特撮ドラマを4Kリマスター。だれも見たことがなかった「ウルトラQ」。


【出演】佐原健二,西條康彦,桜井浩子

 
登場 … 冷凍怪獣ペギラ

 第5話「ペギラが来た!の続編。


 真夏。突如羽田空港大寒波に襲われ建物も飛行機も氷漬けになってしまう。

 同じころ、由利子は記事のネタを求めて上野駅近辺に来るが、毎日新報を探しているという少年・治夫(ハルオ)と出会う。治夫は半年前に出稼ぎに出たまま返ってこない父親を捜して秋田から出てきており、新聞に記事にしてもらうつもりだと言う。由利子は早速治夫のことをお涙頂戴系の美談として記事にしようとするが、デスクからは羽田空港凍結について取材するように命じられ、一年前に南極に行った万城目に取材することにした。

 一方、星川航空では万城目たちがセスナの中に酔っ払った男が寝ているのを発見し、とりあえず建物の中に運んで寝かせておくことにした。

 やがて星川航空の辺りでも季節外れの寒さに襲われるが、万城目はこの異常寒波は怪獣ペギラに関係があるのではと危惧していた。ぺギラが南極の開発に伴う温暖化で住処を追われ、北極へ向かっている最中に日本に立ち寄ったのではないかとの考えだった。由利子は早速新聞社に連絡を入れるが、デスクからは、異常な寒さの原因は、南極の原子炉の爆発事故のせいで寒波が北上していると判明したと言われ、ぺギラについて一笑に付される。

 ところが万城目の予想通り、東京にぺギラが出現し、ぺギラの吐く冷凍光線で東京中が凍り付いてしまう。毎日新報のデスクは、南アルプスの極地植物研究所にぺギラの嫌うペギミンHが保管されていることを調べ、万城目に取りに行ってもらおうとするが、ぺギラのせいで車は雪の中に閉じ込められてしまう。唯一車から抜け出せた治夫は、徒歩で万城目の元に向かった。

 その頃、星川航空では酔っ払いが目を覚まし、万城目と一平に銃を突き付けセスナを奪おうとしていた。男は銀座で700万円のダイヤを盗んだ強盗犯で、一平は男が太平洋戦争で活躍した伝説のパイロット・沢村照男大尉だと気が付く。そこに治夫が半死半生でころがりこんできたが、照男こそ治夫が探していた父親だった。

 治夫の言葉を聞き、沢村は自分が南アルプスに飛ぶと言い、悪天候の中で飛べるのは自分だけだと万城目を押し切る。沢村は極地植物研究所で爆弾とペギミンHを混合した容器を受け取り東京に戻ると、寒波で凍り付いたセスナでぺギラに突入しぺギラを追い払った。

 最後、列車に乗った治夫が父親の遺骨と共に東京から去っていくシーンで〆。


脚本:山田正弘 監督:野長瀬三摩地 特技監督:川上景司

感想

 評価は○(結構面白かった)。

 第5話「ペギラが来た!」の続編ですが、第5話がだるくてつまらなかったので、こっちもまるで期待していなかったら、予想外に面白くて驚きました。

 内容的には「巨大怪獣が現れて街を破壊する」というオーソドックスな物ですが、そこに照夫・治夫親子のエピソードも組み込んで、なおかつ30分できっちりまとめているというテンポの良さ。ウルトラQの中でも上位に来る好エピソードでした。

 冒頭、羽田空港が凍結して飛行機が空中爆発していたので、もうそれだけで大事件だと思うのですが、そこはあっさり流していたのにちょっと笑いました。現実に起きたらもうマスコミなんか大騒ぎしていると思いますけどね(笑)

 あと、デスクがさらっと「南極で原子炉が爆発して寒波が北上」云々と言ってましたが、いやいや、それも世界中大騒ぎするレベルの超大事故では?

 由利子が治夫の話を記事にしようとする際、「26億の読者」云々と口にします。そうかー、1966年頃は世界人口はまだ26億人しかいなかったのね。嘘みたいだ。


 ゲストキャラの沢村照男が伝説のゼロ戦の名パイロット(階級は大尉)だったという設定に、この頃はまだまだ戦争が身近だったのだなぁとしみじみ。この回が放送されたのは1966年で、つまり終戦から21年後。照男が50歳なので、終戦時には29歳。リアルでも、万城目役の佐原健司は1932年生まれなので当然戦争体験者。このドラマに出てくる大人たちはみんな戦争を知っている世代だったのです。ドラマ内で宇宙ロケットがどうとか言っているので、近未来SFみたいな感じで見てしまいますが、どちらかというと太平洋戦争と地続きの頃だったんですね。
 
 
 
ぺギラ
ウルトラQ 大怪獣シリーズ 毎日新報 江戸川事件簿 ぺギラ
 
 

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