【歴史】感想:NHK番組「神田伯山の これがわが社の黒歴史」「ヤマハ・半導体の落とし穴」(2021年11月23日(火)放送)

神田伯山の これがわが社の黒歴史(NHKオンデマンド)

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放送 NHK総合

【※以下ネタバレ】
 

神田伯山の これがわが社の黒歴史(2)~ヤマハ半導体の落とし穴~
[総合] 2021年11月23日 午後6:05 ~ 午後6:35 (30分)


講談師・神田伯山が企業の黒歴史を語る異色の番組第2弾!楽器メーカーヤマハが陥った半導体の落とし穴とは?幻の最新工場をめぐる物語を講談で。コマ撮りはウルトラ怪獣


講談師の神田伯山が企業の黒歴史(=苦労の歴史)を語る異色の経済番組の第2弾。総合楽器メーカー・ヤマハ半導体開発の物語に迫る。電子オルガンの音質向上のために自社開発した音源チップの半導体が、90年代のパソコンブームで急成長!「エレクトロニクスのヤマハ」として事業の柱に成長したものの、直後に思わぬ落とし穴が…。黒歴史を講談調で笑いに昇華しつつ、教訓をあぶり出す。ウルトラ怪獣たちの再現VTRも必見!


【出演】神田伯山,【アナウンサー】高橋美鈴

 

内容

 ヤマハは世界一の総合楽器メーカーでありながら、楽器とは全く無関係の、バイク、アーチェリー、スキー、ゴルフクラブ、バスタブ、など、なんでもかんでも作ってしまう会社でもある。そのヤマハがかつて「半導体」(電気信号を制御する無数の回路)事業で大変な目に有ったことがあった……



 1960年代、ヤマハは電子オルガンを作っていたが、これに使用する他社製の半導体が不良品ばかり。そこで半導体も自社で作ればいいと、技術を習得し、工場を立て、「FM音源方式」の半導体「音源チップ」を作ると、これが素晴らしい出来だった。試しに他社に売ってみると、これが好評で大評判になった。

 この音源チップは、パソコンや家庭用ゲーム機、ゲームセンターのゲーム機などに使用され、全盛期の1995年頃には、世界で販売されるパソコンの半数、2000万台に搭載されていた。ヤマハでは半導体事業の売り上げは楽器の売り上げを上回る一大事業となり、あのインテルとも取引していた。

 ヤマハは勢いに乗って新工場の建設を開始したものの、その矢先にインテルからの契約を打ち切られてしまう。ソフトウェアで音が作れるようになったので、ヤマハの音源チップをわざわざ買う必要が無くなったというのである。パソコン向けの需要が激減し、ゲーム機向けの需要を期待したものの、供給先のセガのゲーム機はソニーに負けてしまい、それもならず。

 新工場は1998年に出来たものの、作るべき製品も無く、結局一年も経たずに売却する羽目に…… すさまじい赤字となり、会社は新入社員の募集を一年取りやめるという事態に陥った。

 しかし、その後、携帯電話の「着メロ」のために携帯電話用音源チップという需要が生まれ、ヤマハ半導体事業は復活した。今は一度没落したときの教訓を踏まえ、自社では生産工場を持たず、他社に製造してもらうファブレス経営を行っている。

 ヤマハ半導体事業は今でも健在で、ルーター、次世代カーオーディオ、テレワーク用スピーカー、等の用途に半導体を生産している。


感想

 今年3月に放送した「レギュラー番組への道」の中の一作「神田伯山の これがわが社の黒歴史
 ↓
perry-r.hatenablog.com
 
 の第二弾が放送。前回はバンダイピピンがお題で、あれほど凄いネタはもう無いと思っていましたが、ヤマハ半導体事業という、スケール的には負けていない超凄い事例を掘り出してきていました(笑)

 神田伯山のノリのいい語り、人形(今回はウルトラ怪獣)による面白劇、で、暗い話を楽し~く見せてくれて、今回もめっちゃ面白かったです。

 まあ、こんなすごい失敗案件、しかも失敗するだけではなく、その後浮上していないとネタに出来ないので、テーマに出来るものが中々ないとは思いますが、もしあるなら続きも見たいですよねぇ。
 
 しかし、パソコンとかゲーム機でさんざお世話になったあのピコピコサウンドこと「FM音源」のあのゲームミュージックは、ヤマハのおかげで聞けていたのかぁ、初めて知ったぞ。

おまけ

 なんかインテルがパソコンメーカーで自社でパソコンを作っている様な話になっていましたが……? インテルってCPU作っているだけですよね……? なんか説明をうまくごまかされている様な……
 
 

https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=31753
“総合楽器メーカー”の黒歴史から、今を生き抜くヒントを探る!
神田伯山のこれがわが社の黒歴史
11月23日(火・祝)[総合]後6:05


人気講談師の神田伯山が企業の“黒歴史”(=苦労の歴史)を講談で語る異色の経済番組『神田伯山のこれがわが社の黒歴史』。ことし3月に放送した『バンダイ・世界一売れなかった次世代ゲーム機』は、SNSでも話題に。


第2回となる今回は、「総合楽器メーカー・ヤマハ」の半導体にまつわるエピソードを紹介します。今や世界中にあらゆる楽器を提供する遠州・浜松の企業・ヤマハ。電子オルガンの音源チップ開発に端を発した、自社での半導体開発事業はPCれい明期の80~90年代に急成長を遂げます。「音のヤマハ」の品質も相まって、一時はアーケードゲームやパソコンの市場を席けんするほどの評判となりました。その流れをモノにしようと、社運をかけて建設した最新鋭の半導体製造工場。『これで「エレクトロニクスのヤマハ」は盤石だ!』と誰もがそう思っていたのですが…。


講談の手法で黒歴史を笑いに昇華しながら、失敗の原因や得られた教訓をあぶり出していきます。黒歴史を解き明かすVTRは、ウルトラ怪獣をコマ撮りで撮影し、再現! そのキャラクターすべての声も、神田伯山さんが熱演します!

 
 

他の回の内容・感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
 
FM音源 音作りの覚え方のコツがわかる本
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