神田伯山の これがわが社の黒歴史 NHK https://www.nhk.jp/p/ts/XL1JYWZLNZ/
放送 NHK総合。
【※以下ネタバレ】
黒歴史とは、苦労の歴史。どの会社も一つや二つは抱える、企業の失敗の物語を、ほじくり返してまいりましょう…。
内容
神田伯山の これがわが社の黒歴史 (11)凸版印刷 うたかたの平成メタバース
[総合] 2023年09月20日 午後11:00 ~ 午後11:30 (30分)
異色の経済番組・夏シリーズラスト!第11弾は凸版印刷の平成メタバース物語。泡と消えた「3D仮想空間チャット」とは?再現Vは「モンハン」!あのボスキャラが吠える!
講談師の神田伯山が企業の黒歴史を語る!夏シリーズのラスト第11弾は総合印刷会社「凸版印刷」のメタバースをめぐる苦労の物語。90年代のインターネット黎明期に立ち上げた画期的な「3D仮想空間チャット」。誰でも無料でチャットを楽しめるサービスとして多くのユーザーが集まる一時代を築いたものの…。大人気のコマ撮り再現VTRは「モンスターハンター」!あの巨大モンスターも大暴れ!お肉も上手に焼いちゃいます
【出演】神田伯山,【語り】池田伸子
一幕 夜明け
1993年。この年インターネットの商業利用が開始され、凸版印刷は時代に取り残されないようにとネットサービスに打って出る事を決定した。実は凸版印刷は印刷でDTPを経験していたのでデジタル分野に明るい人材を既に抱えていた。
そして「人が集まる場を作り、課金ではなく広告収入で稼ぐ」というコンセプトで、1994年に「サイバーパブリッシング」というサービスを開始する。一種の仮想モールで、看板をクリックすると会社や商品のサイトに飛んでいく、という作りだった。このサービスは見事に成功した。
二幕 盟友
凸版印刷は次の一手として、1996年に3D仮想空間でアバターキャラを使ってチャットが出来るサービス「Worlds Chat/J」を送り出した。ユーザーは仮想空間でスポンサー企業の部屋を訪ねたり、ユーザー同士でチャットすることが出来た。収入は、ユーザー課金ではなく、仮想空間に企業の看板を出しそれをクリックしてもらう事で得る広告収入で得ていた。
三幕 隆盛
「Worlds Chat/J」は大ヒットし、このサービスをきっかけに結婚する男女が出てくるほどだった。あまりのアクセス数にサーバーがダウンしたり、ユーザー同士のもめごとが起きたり、と色々ありつつも、「Worlds Chat/J」は盛況だった。
四幕 誤算
ところが運営を続けるうちに「広告が見られていない」という問題が浮上した。ユーザーたちはひたすらチャットだけに熱中し、広告クリックには興味を持ってくれなかったのである。運営スタッフは色々工夫したもののクリック数は上がらないままだった。
そうこうしているうちに、サービスの参加者がどんどん減少しはじめた。理由は当時爆発的に普及した携帯電話/PHSの存在だった。ユーザーのすき間時間は携帯電話で埋め尽くされ、パソコンでチャットをする時間が無くなってしまったのである。そしてサービスの参加者は激減し、ユーザーからも社内からも忘れられていった。
五幕 昇華
だが30年後の現在。かつての3Dサービスで培った技術は「バーチャルリアリティ」の分野で息づいている。バーチャルモデルルーム、バーチャルショールーム、等々。さらに建物の情報を記録し仮想空間に再現する「バーチャルアーカイブ事業」も行われている。
感想
今回のお題のサービス、どっちも全然っ知りませんでした。富士通のハビタットなら知っていたんですけど、へー。黒歴史云々より「1990年代のネットの歴史」を知ることが出来て面白かったなぁ。
今回は黒歴史というには微妙でしたかね。一応成功したわけですし、どんな商品でも長いうちに人気が無くなるってのは当たり絵のことだと思うし……、ねぇ?
総括
ということで、企業の「黒歴史」を集めた番組も今回で最終回。神田伯山氏の軽妙な語り&アフレコのおかげでビジネスの失敗話も軽~く視聴することが出来て、大変面白かったであります。
できる事なら続きを見たいところですけど、そうそう公開可能な失敗話が転がっているはずもないので、これで打ち止めですかねぇ?
講談師の神田伯山が「企業の黒歴史(=苦労の歴史)」を講談にして語る異色の経済番組!黒歴史を笑いに変えながら、今に生きる教訓をあぶりだす。
個性豊かなキャラクターによるコマ撮り演出も必見です!
MC 神田伯山 (講談師)