神田伯山の これがわが社の黒歴史 NHK https://www.nhk.jp/p/ts/XL1JYWZLNZ/
放送 NHK総合。
【※以下ネタバレ】
黒歴史とは、苦労の歴史。どの会社も一つや二つは抱える、企業の失敗の物語を、ほじくり返してまいりましょう…。
第９回「オムロン ヘルスケア 苦闘！指式血圧計」(2023年8月30日(水)放送)
内容
神田伯山の これがわが社の黒歴史（９）オムロン ヘルスケア 苦闘！指式血圧計
[総合] 2023年08月30日 午後11:00 ~ 午後11:30 (30分)
企業の苦労の歴史を講談で。今宵は＃９「オムロンヘルスケア」の指式血圧計の苦闘！“ユーザビリティ”って大変だ…。コマ撮りは『キン肉マン』。アタル兄さんが参戦！
神田伯山×企業の苦労の歴史！第９弾は「オムロンヘルスケア・指式血圧計の苦闘」。８０年代の健康ブームの時代、簡単に測れる画期的な血圧計として売り出し大ヒットしたものの思わぬ事態に…。手軽さゆえに陥った“ユーザビリティの落とし穴”とは？なんとかしようとあの手この手の改善策を講じたものの…。今度のコマ撮りは『キン肉マン』ふたたび！バッファローマンにアシュラマン、アタル兄さん…超人血盟軍が勢揃い…だと？
【出演】神田伯山，【語り】池田伸子
一幕 大志
1985年、日本は健康ブームに沸いていた。そこでオムロンは上腕で血圧を測る従来の血圧計ではなく、手軽に指先で血圧を測れる指式血圧計の開発に着手。1988年5月に発売し、売れ行きは上々だった。
二幕 霹靂
ところがやがてユーザーから「血圧が正しく計測できない」というクレームが山のように舞い込んだ。話を詳しく聞いてみると、正しい指（左手人差し指）で計っていなかったり、計測中に動いていたり、と、指定した正しい使用法を守っていなかった。さらにテレビで取り上げられるものの、その中でも手軽に計測できることばかりが強調され、間違った計測法をしていた。
三幕 断罪
やがて他社も指式血圧計へと参入してきたが、オムロンは優位を保っていた。ところが商品テストを扱う雑誌「暮らしの手帳」で、指式血圧計が手軽に計測できる代わりに精度が劣っていると厳しく叩かれてしまった。その影響は甚大で、指式血圧計の売り上げは右肩下がりになってしまった。
四幕 血路
オムロンはこの危機を乗り超えようと新型の開発に着手。胸ポケットに入れ、そこに指を差し込むことで、正しい姿勢で計測できる血圧計を開発した。サイズは先の製品の1/3という小ささ。
しかし1996年に発売したもののすでに染みついたネガティブイメージのせいで売り上げは低迷し、さらに2000年には日本高血圧学会が「指式血圧計は不正確」と断言したことで、指式血圧計は同年生産中止となった。
五幕 血脈
指式血圧計は消えたものの、その後もオムロンは血圧計の開発を続け、最新の商品は手首に巻いて使う腕時計型血圧計。その他のオムロンの血圧計は世界130カ国で使用されている。
感想
今回は血圧計。全然売れなかった訳ではないし、黒歴史という程ても無いのでは……という印象。まあ時代の流れに翻弄された感はありますが、大損したわけでもないしね。
おまけ
この番組は、毎回アニメ・特撮・ゲームのフィギュアによるストップモーションの小芝居を見せてくれるのでオタク臭さ全開なのですが、今回はキン肉マンの超人「キン肉マンソルジャー、ブロッケンJr.、バッファローマン、ザ・ニンジャ、アシュラマン」の五人が椅子に座って超人血盟軍のサインを送って来るという、原作ファンにしか通じないコントをやって来てワロタ。
・Vの陣形（意味：休まず攻めろ）
テレビ番組で指血圧計が紹介されることになり、オムロン社員が放送前にワクワクしながら「テレビの勢いを借りて攻めていこう！」と意気込むシーンでV字に座っている。
・Xの陣形（意味：相手の攻撃に注意せよ）
テレビ番組で、紹介者が動きながら血圧を測定しているのを見て社員たちが「注意が必要だ」と困惑するシーンでX字に座っている。
・Lの陣形（意味：最後まで望みを捨てずに戦え）
テレビ番組で、紹介者たちがメチャクチャな測定をしているのを見てひっくり返りながら「望みを捨てるなぁ」と叫ぶシーンでL字に座っている。
原作ファン大喜びですわwww
講談師の神田伯山が「企業の黒歴史（＝苦労の歴史）」を講談にして語る異色の経済番組！黒歴史を笑いに変えながら、今に生きる教訓をあぶりだす。
個性豊かなキャラクターによるコマ撮り演出も必見です！
MC 神田伯山 (講談師)
